EV(電気自動車)の中古車のリセールバリューが今後期待できない理由(引用元:https://finance.yahoo.com/news/no-one-wants-used-evs-050011036.html

近年、電気自動車(EV)の普及が進む中、その中古車市場で新たな問題が浮かび上がっています。EVの中古車のリセールバリューが期待できない状況が続いており、これにはさまざまな理由が絡んでいます。今回は、EV中古車市場の厳しい状況とその要因に焦点を当て、世界的な事例を交えながら今後の展望について考えます。

中古EV価格の急落と新車市場への影響

EV中古車の価格が内燃エンジン車よりも急速に下落している要因の一つに、競争激化と価格戦争が挙げられます。

特にテスラの積極的な価格引き下げが、他のメーカーにも波及し、新車市場での収益を圧迫しています。

例えば、アメリカではテスラの価格戦争が始まり、他のメーカーもこれに応じる形で価格を下げたことで、一部の企業は利益が減少し、他社は既に深刻な損失を被っています。

同様に、中国でも競争が激化し、EVメーカーが新車価格を下げていることが報告されています。

新興の中国メーカーが市場に進出し、価格面で競り合いが繰り広げられている状況が、中古EV価格の低下に寄与しています。

リース契約終了と中古市場への影響

2021年にヨーロッパで販売された120万台のEVの多くは、リース契約の終了を迎え、これが中古車市場に影響を与えています。

例えば、ある企業の3年リース契約が終了した際、そのEVは中古車市場に投入され、その価格が急激に下落するケースが増加しています。

これにより、中古EVの供給が増え、需要が追いつかない状況が生まれ、価格の低下を招いています。

具体的な数字で言えば、リース契約終了に伴う中古EVの供給増加により、価格は平均して約30%も下落しています。

ドイツでは、リース契約終了による中古EV価格の下落が特に顕著です。

多くの新車がリース契約で導入されており、それが終了すると中古市場に大量のEVが供給されていることが、価格低下の主因となっています。

バッテリー技術の進化と不確実性

EVのバッテリー技術は急速に進化していますが、中古市場においてはこの進化が逆にリセールバリューに影響を与えています。

例えば、新しいバッテリー技術が導入されることで、旧来のEVのバッテリー性能が劣るとの印象が広まり、中古市場での需要が低下しています。

これにより、バッテリーの品質や性能に不確定性が生まれ、中古EVの価格が低下していると考えられます。

この不確定性の一例として、ドイツでは導入から数年後の特定のEVモデルが、バッテリーの劣化により中古市場での価値が急激に下がったという報告があります。

日本の EV(電気自動車)の中古車のリセールバリューの予測

日本では、EVの普及が進んでいますが、中古車市場においても課題が見受けられます。

2023年の段階ではまだ顕著ではありませんが、新車市場でのリース契約が増加するとともに、それらが終了することで中古市場に影響を与える可能性があります。

また、日本の自動車メーカーが次々と新しいEVモデルを投入する中、古いモデルのバッテリー性能やテクノロジーの陳腐化が中古車の価格を圧迫することが予測されます。

世界各国で共通してみられる問題として、競争激化と価格戦争、リース契約終了に伴う供給増加、バッテリー技術の進化による不確実性が、中古EVのリセールバリューに影響を与えています。

今後、この問題を解決するためには、自動車業界全体が協力して、新たなビジネスモデルやバッテリー技術の普及などの解決策を模索する必要があります。

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