ビッグモーターの修理費不正請求と輸入車の修理費が高いのは同じ理由?現在中古車業界だけではなく日本中のニュースの話題が中古車業界大手のビッグモーターの不正事件です。特に修理費の水増し請求が話題ですが、輸入車ディーラーの修理費も水増し請求されているのでしょうか?

ビッグモーターの修理費水増し請求は故意に実施

ニュースなどの報道から推察する限りですが、ビッグモーターの修理費水増し請求は基本的に故意に修理費を水増ししています。

それも修理費用の工数増(より酷いキズであるという申請)ではなく、別途修理部分を増やす(ビッグモーターがわざと車を傷付ける)行為になりますので、かなり悪質です。

修理を依頼した自動車の所有者または保険請求された保険会社は、簡単に言えば騙された(詐欺の被害にあった)ということになりますので、刑事罰の対象になる可能性が高いため、あれだけ連日報道される事態になっています。

そもそも修理、板金部門でのノルマ設定が問題されていますが、修理、板金という仕事の性質上単価アップによる売上増は難しい(故障、破損場所は決まっており、その修理方法も決まっているため)ので、台数を増やすという方法しかありません。

しかし、仮に台数を増やすことができたとしても、今度は人員、設備などの工数不足が発生することになるため、修理、板金の順番待ちが発生する状況になるため台数を増やすことも限界があります。

ビッグモーターの場合は、修理、板金を自社で行うことが基本となっていましたので、他社に外注すれば台数を増やすことができますが、コの場合は外注費が発生し利益率が下がります。

輸入車の修理費が高いのは他の理由

輸入車に限らず正規ディーラーでの修理費が街の自動車修理工場よりも高額になる理由はビッグモーターの件とは全く異なります。

正規ディーラーの修理部門は基本的に時間工数による手数料及び部品代金が売上になります。

特に工数あたりの時間管理が徹底されており自動車整備士1人あたりの時間ごとの単価を計算して工賃計算が行われます。

例えば、サスペンションのボールジョイントのゴムが破損している場合は車検が通りませんので交換、修理することになりますが、正規ディーラーではサスペンション全体を交換します。

逆に街の自動車修理工場の場合は、ボールジョイントのゴムだけを交換します。

よって、街の自動車修理工場の方が修理代金が安くなることになる訳ですが、なぜディーラーではボールジョイントのゴム交換を行わないのか?

それは、サスペンションの交換の方がボールジョイントのゴムの交換よりも短時間で作業を行うことができるからです。

正規ディーラーでは車1台あたりの修理時間を減らすことで修理台数が増えることによる人員不足、設備不足が起こらないようにしています。

これが正規ディーラーによる修理費が街の自動車修理工場よりも高額になる理由の1つと言えます。

修理内容によって正規ディーラーと自動車修理工場を使い分ける

ビッグモーターのような不正な修理費の水増し請求は問題外ですが、正規ディーラーと自動車の修理工場との修理費の価格差には明確な理由が存在することをお伝えしました。

では、どうすれば自動車の修理費を安く済ませることができるのか?

それは正規ディーラーと自動車修理工場を使い分けるのが良いと思います。

先程の例のようのボールジョイントのゴムの破損などの軽微な修理は自動車修理工場に依頼し、もっと複雑、大掛かりな修理は正規ディーラーに依頼するという考え方です。

ただし、この場合は新車で自動車を購入した場合の保証との兼ね合いもありますので、保証内容を十分に確認して行う必要があります。

保証内容によっては、正規ディーラー以外での修理に関する保証は受け付けないなどの条件が設定されていますので、必ず確認する必要がありますのでご注意ください。