次期BMW M3をめぐる情報が、ここに来てかなり整理されてきました。これまで電動化されるM3については「iM3」という名称になるのではないか、という見方もありました。しかし現在見えている方向性は、それとは少し違います。
電動モデルであっても、BMWはこのクルマを「M3」として扱う見込みです。つまり、電動BMW M3 ZA0は、EV版の別枠モデルではなく、M3ファミリーの中心に置かれる存在になりそうです。
さらに興味深いのは、電動M3 ZA0だけでなく、ガソリンエンジンを積む次期M3 G84も並行して用意される見通しであることです。今回は、名称、デザイン、ライト、シフトパドル、人工サウンドという5つの視点から、次期BMW M3で現時点でわかっていることを整理します。
- ✅電動BMW M3 ZA0はiM3ではなくM3
- ✅ガソリンM3 G84と電動ZA0を併売
- ✅疑似変速と人工音でM3の走りを再現
電動M3はiM3ではなくM3になる
まず大きなポイントは、電動BMW M3が「iM3」ではなく「M3」として登場する可能性が高くなっていることです。BMWでは、EVモデルに「i」を付けるケースがあります。そのため、電動化されるM3もiM3になるのではないか、という予想がありました。
しかし、BMW M CEOのフランク・ファン・ミール氏は、M3という名称はパワートレインではなく、走行性能やキャラクターを示すものだという考えを示しています。M3という名前が示してきたのは、エンジン形式ではなく、走行性能、操縦性、ドライバーとの一体感です。その意味では、モーターで走るか、直列6気筒エンジンで走るかは、M3を構成する要素の一部であって、名前そのものを変える理由にはならない、という考え方になります。
今後ガソリン車のM3 G84が発売されることになるため、何か名称の区別が必要になるのではないでしょうか?M3の後に電動版とガソリン版を区別する記号や名称が付くことは予想されます。それでも両者ともにM3であることには代わりはありませんね。
電動M3 ZA0とガソリンM3 G84は併売へ
2種類のM3が同時に存在する可能性
次期M3で注目したいのは、電動M3 ZA0とガソリンM3 G84が併売される見通しであることです。電動化によって従来型M3がすぐに消えるのではなく、少なくとも一定期間は2種類のM3が併存する流れになりそうです。
電動M3 ZA0は、Neue Klasse世代の新しい電動プラットフォームを使う高性能EVとして開発されます。一方のG84は、直列6気筒エンジンを搭載する次期ガソリンM3として位置づけられます。
現行M3の流れを受け継ぐモデルであり、エンジン音や変速感、従来のM3らしさを重視するユーザーに向けた存在になるはずです。
G84は直6エンジンを継続する見込み
ガソリン版G84では、3.0リッター直列6気筒ツインターボが継続される見込みです。ただし、欧州の排ガス規制への対応を考えると、マイルドハイブリッド化などの電動補助が組み合わされる可能性があります。また、直6エンジンを搭載するため、電動M3 ZA0とはフロントノーズの長さや冷却用エアインテークの処理が変わる可能性もあります。
つまり次期M3は、EVかガソリンかの単純な世代交代ではありません。BMWは、M3という名前の中に電動モデルと内燃機関モデルを共存させようとしている。これは、M3というブランドを守りながら、電動化の時代へ移行するための現実的な方法だと思います。
市販版はコンセプトに近いデザインになる可能性が高い
次期電動BMW M3 ZA0は、BMW M Concept Neue Klasseのデザインをかなり強く受け継ぐ可能性が高くなっています。BMW M CEOのフランク・ファン・ミール氏は、次期M3がコンセプトの外観に忠実なものになるという考えを示しています。また、今後のBMW Mモデルのデザインを担当するオリバー・ハイルマー氏も、ZA0がコンセプトと同じ方向性を持つモデルになることを示しています。
フロントまわりは、従来のBMW M3とはかなり違う印象です。Neue Klasse世代らしい水平基調の顔つきに、M専用の迫力を加えたデザインになっています。現行G80型M3の大型キドニーグリルとは別の方向へ進む可能性があり、BMW Mのデザインが次の段階へ移ることを示しています。
ただし、市販版ではコンセプトのすべてがそのまま採用されるわけではないはずです。テスト車両では、過激な空力パーツや大きなリアスポイラーなどは控えめに見える部分もあります。そのため、市販版ではコンセプトの雰囲気を残しつつ、日常使用や生産性を考えた現実的なデザインに調整される可能性があります。
トラックライトと黄色ライトでM専用デザインを強化
Track LightsはMモデルの新しい識別点になる
次期電動M3 ZA0で特徴的なのが、フロントとリアに採用される四角い発光ユニットです。これはTrack Lightsと呼ばれており、M Concept Neue Klasseでも非常に目立つデザイン要素になっています。フロントバンパーから突き出すように配置されたキューブ状のライトは、通常のヘッドライトとは別に、デイタイムランニングライトのような役割を持つ可能性があります。
リアにも同じような四角い発光部が設けられており、前後でM専用の視覚的な統一感を作っています。これが市販Mモデルにも展開されれば、遠くから見ても通常のBMWとMモデルを見分けやすくなります。これまでMモデルはバンパー、ミラー、フェンダー、排気管などで差別化されてきましたが、今後はライトそのものもM専用デザインの重要な要素になりそうです。
黄色ライトはモータースポーツ色を強める装備
もう一つのポイントは、黄色系のフロントライトです。BMW Mでは、これまでCS系の特別仕様車などで黄色いライトを採用してきました。今後はこの黄色ライトが、より広いMモデルに展開される可能性があります。
黄色ライトは、単に見た目を変えるだけの装備ではありません。BMW M Hybrid V8のようなレーシングカーとのつながりを感じさせる要素でもあります。電動M3 ZA0はEVでありながら、モータースポーツ由来の演出を強めることで、単なる高性能EVではなく「Mのクルマ」であることを視覚的に伝えようとしているのだと思います。
電動M3にシフトパドルが付く理由
電動M3 ZA0で意外に感じる装備が、ステアリング裏のシフトパドルです。EVには通常の多段変速機がないため、シフトパドルは不要に思えます。しかし次期電動M3では、疑似的なギアチェンジを行うためにシフトパドルが使われる見込みです。
これは、実際に機械的なギアを切り替えるための装備ではありません。モーターの出力特性や加速感を、選択した仮想ギアに合わせて変化させるためのものです。サーキット走行のように強い加速と減速を繰り返す場面では、ドライバーが速度やパワーの出方をつかむための手がかりになります。
高性能EVは、加速が非常に速い一方で、加速の盛り上がりが直線的になりやすいという特徴があります。内燃機関車のように、回転数が上がり、音が変わり、変速でリズムが生まれる感覚は薄くなります。BMWが疑似変速を採用しようとしている理由は、速さそのものではなく、ドライバーがクルマを操作している感覚を残すためだと考えられます。
なお、この疑似変速は常に強制されるものではなく、特定の走行モードで使える機能になると見られています。つまり、不要な人は使わず、サーキットやワインディングで積極的に楽しみたい人だけが使う装備になるはずです。
人工サウンドは歴代Mの音から作られる
直6・V8・V10の要素を分析
電動M3 ZA0では、加速時の人工サウンドも重要なテーマになります。BMW Mは、歴代Mモデルの音を分析し、電動M3のための新しい加速サウンドを作っているとされています。その対象として名前が挙がっているのは、F82 M4 GTS、E92 M3、E63 M6です。
F82 M4 GTSは直列6気筒、E92 M3はV8、E63 M6はV10という、それぞれ異なるエンジン形式を持つMモデルです。これらの音をそのままEVに貼り付けるのではなく、なぜ高性能車の音がドライバーを高揚させるのかを分析し、新しい音づくりに生かす狙いがあります。
音は演出だけでなく情報でもある
面白いのは、人工サウンドを単なる雰囲気づくりとして考えていない点です。エンジン車では、音の高まりによって、今どの程度パワーが出ているのか、どこまで回っているのか、次にどう操作すべきかを自然に感じ取ることができます。電動M3のサウンドも、同じようにドライバーへ情報を伝える役割を持たせようとしているようです。
もちろん、人工サウンドには好き嫌いが出るはずです。あまりにもエンジン音に似せれば作り物に感じられ、逆に未来的すぎると違和感が出るかもしれません。ただ、BMWが目指しているのは過去のエンジン音の完全再現ではなく、EV時代のMにふさわしい加速感を音で表現することだと考えられます。
まとめ:電動M3 ZA0はEV時代のM3として作られる
電動BMW M3 ZA0について現時点で見えている方向性は、かなり明確です。BMWは、このクルマをiM3というEV専用の別枠ではなく、M3そのものとして位置づけようとしています。そしてその一方で、直列6気筒エンジンを積むガソリン版M3 G84も用意し、しばらくは2種類のM3を共存させる見通しです。
デザイン面では、M Concept Neue Klasseに近い姿で市販化され、Track Lightsや黄色ライトによってM専用の存在感を強めることになりそうです。さらに、シフトパドルによる疑似変速や、歴代Mモデルの音を研究した人工サウンドによって、EVで失われがちな操作感や高揚感を補おうとしています。
私が今回の情報で一番重要だと思うのは、BMWが電動M3を「速いEV」としてではなく、「EV時代のM3」として作ろうとしている点です。BMW Mモデルはスペックだけで語れる車ではありません。走りの質も必要です。これまではエンジン、サスペンション、サウンドなどでBMW Mとしての質を演出していました。しかし、電動M3はどのような形で新しいBMW Mとしての質を演出するのか?私は到底購入することはできませんが、一度は電動M3に試乗することを今からワクワクして待ちたいと思います。
Reference:bmwblog.com
よくある質問(FAQ)
Q1. 電動BMW M3 ZA0はiM3という名前になりますか?
現時点で見えている方向性では、電動BMW M3 ZA0は「iM3」ではなく「M3」として扱われる可能性が高いです。
M3という名称はパワートレインの種類ではなく、走行性能やMモデルとしてのキャラクターを示す名前として位置づけられています。
Q2. 電動M3 ZA0とガソリンM3 G84は併売されますか?
次期M3では、電動モデルのZA0とガソリンエンジンを搭載するG84が並行して用意される見通しです。
そのため、BMWはM3をすぐに完全EVへ一本化するのではなく、EV版と直列6気筒エンジン版を共存させる方向だと考えられます。
Q3. 電動M3 ZA0のデザインはコンセプトに近いものになりますか?
電動M3 ZA0は、BMW M Concept Neue Klasseのデザインをかなり強く受け継ぐ可能性が高いです。
ただし、市販版では日常使用や生産性を考慮し、コンセプトカーの過激な部分は一部調整されると考えられます。
Q4. Track Lightsと黄色ライトは何を意味していますか?
Track Lightsは、電動M3 ZA0で採用が見込まれる四角い発光ユニットで、Mモデル専用の識別要素になる可能性があります。
黄色ライトはモータースポーツ由来のイメージを強める装備で、今後のMモデルにも広がる可能性があります。
Q5. 電動M3 ZA0にシフトパドルが付く理由は何ですか?
電動M3 ZA0のシフトパドルは、実際の変速機を操作するためではなく、疑似的なギアチェンジによって加速感や操作感を作るための装備です。
人工サウンドと組み合わせることで、EVでもM3らしい運転感覚を残す狙いがあります。










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