新型BMW 3シリーズG50のMパフォーマンス「M350」は、直列6気筒ターボに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせ、最大420馬力の到達が有力視されています。
M340iの正統後継としてだけでなく、電動化が進む次世代「Neue Klasse」へ橋渡しする存在でもあります。
本記事では、名称変更の背景と狙いを整理し、最終内燃Mパフォーマンスとなる可能性を読み解きます。
- 420馬力の直6 B58:直列6気筒ターボに48V補助で約420馬力・580Nmを実現。低回転からの厚いトルクで日常域も俊敏です。
- CLAR最終型を採用:EV用ではなくCLAR改良版を継続。走りの質感と軽量性を確保しつつ、次世代デザインを取り込みます。
- 最終Mパフォの可能:2026年後半発表・11月生産開始見込み。EV移行期の象徴として、内燃Mパフォ最終世代となる公算が高いです。
M340iからM350へ:名称変更の意味と狙い
「i」削除と数字の上昇が示すメッセージ

BMWは3シリーズの上位グレード名を「M340i」から「M350」へ改める方針です。
最大のポイントは、ガソリン系グレードから“i”を外し、今後は“i”を電気自動車(EV)の専用サフィックス(接尾記号)として使い分ける再編にあります。
これにより、内燃機関モデルとEVのラインを視覚的にも明確化し、ユーザーが一目でパワートレインを識別できる設計思想へと移行します。
同時に、数字が「40」から「50」へ上がることで、上位グレードとしての性能向上と商品性の強化を示します。
「最終内燃Mパフォーマンス」の布石か
M350は従来のM340i以上に“日常で使える速さ”を高めつつ、M3との距離感を適切に保つ役割を担います。
直6ターボの魅力を残しながら、48Vマイルドハイブリッドの補助で応答性と効率を底上げすることで、環境規制が強まる市場でも競争力を確保します。
さらに、次世代EV版3シリーズや電動M3の登場が見込まれる中、内燃Mパフォーマンスは本世代で一区切りとなる可能性が高く、M350の名称とポジショニングは“最後のガソリンM”を意識した戦略的メッセージと言えます。
420馬力+48Vマイルドハイブリッド:進化した直6B58


M340i比+38馬力、580Nmの進化
BMW M350 G50の心臓部には、最新の3.0リッター直列6気筒ターボエンジン「B58」が搭載されます。
現行M340iの382馬力から大幅に向上し、最大出力は420馬力、最大トルクは580Nmに達すると報じられています。
この数値は、トヨタGRスープラRZファイナルエディションの429馬力に匹敵し、BMWがこのエンジンを限界まで磨き上げた証といえます。
さらに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせることで、低回転域でのトルク補助やアイドリングストップからのスムーズな再始動を実現。燃費と加速性能の両立を図る“最後の内燃Mパフォーマンス”らしい進化を遂げています。
トランスミッションと駆動方式
トランスミッションは8速オートマチックが標準で、xDrive(四輪駆動)が基本設定になる見込みです。
これにより、高出力を効率的に路面へ伝達し、安定感ある加速を実現します。
一方で、ドライビングプレジャーを重視する一部市場では後輪駆動(RWD)仕様が用意される可能性も残されています。
マニュアルトランスミッションは排出規制や需要低下の影響から採用が難しいと見られ、M350はAT専用モデルとして登場する見込みです。
BMWが培ってきた直6+FRの伝統を維持しつつ、48V電動化によって新たなステージへ踏み出す構成といえるでしょう。
Neue Klasse風デザインとCLAR最終型シャシー


Neue Klasse風“バイザーグリル”採用
M350の外観は、BMWが次世代EVで展開する「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」デザインの要素を取り入れています。
特に注目すべきは、スリムなLEDヘッドライトとバイザーのような形状のキドニーグリルです。
この新しいフロントマスクは、従来の縦型グリルよりも水平基調が強く、空力性能と先進的な印象を両立します。
また、リアには三角形状のテールランプが採用され、19インチホイールに赤いキャリパー、そして4本出しのエキゾーストが装着されることで、スポーティな印象を一層際立たせています。
CLAR改良型プラットフォームの継続採用
注目すべきは、M350が新しい「Neue Klasse」専用アーキテクチャではなく、既存のCLAR(Cluster Architecture)プラットフォームを改良して採用している点です。
BMWはこの選択により、開発コストを抑えつつ、走りの質感と軽量化を両立。
特に電子制御ダンパーや新型スタビリティプログラムの導入で、運動性能をさらに高めています。
結果として、M350は“最後のCLAR世代”として、従来のドライバビリティを維持しながらも次世代EVとのデザイン統一を果たした過渡期の象徴といえるでしょう。
M350が「最後の内燃Mパフォーマンス」と言われる理由
2026年11月生産開始で“ICE世代”の締めくくりに
BMW M350 G50は、2026年11月から生産開始予定と報じられています。
このタイミングは、BMWが電動化戦略を本格化させる時期と重なっており、ミュンヘン工場の生産ラインもEV中心へと再編される見通しです。
そのため、M350は事実上、内燃機関を搭載する最後のMパフォーマンスモデルになる可能性が高いといえます。
BMWにとってM350は、長年続いた直列6気筒ターボの集大成であり、ガソリンエンジンの完成形を提示する役割を担う存在です。
電動M3との共存とブランドの二極化
同時期に登場予定のNeue Klasse世代では、電動M3の開発が進められており、Mブランドは「内燃」と「電動」の二本立てで展開されます。
その中でM350は、電動化一色となるラインナップの中において、従来のMパフォーマンスらしいドライバビリティとエンジンフィールを残す“原点回帰モデル”と位置づけられます。
つまりM350は、電動M3の存在を否定するものではなく、過渡期のBMWが両立を模索する象徴なのです。
BMWはM350を通じて「走る歓び」と「電動化の未来」を橋渡しする最後のピースを完成させようとしています。
まとめ:M350 G50が示すBMWの過渡期戦略
M350 G50は単なるM340iの後継ではなく、420馬力の直6ターボと48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた、BMW内燃技術の最終進化形です。
Neue Klasse風デザインをまといながらもCLAR改良型を継続採用することで、ガソリン車としての軽快な操縦性とブランドの一貫性を維持しました。
さらに、2026年11月生産開始という時期設定からも、このモデルが電動化への転換点に位置することは明らかです。
M350は「最後の内燃Mパフォーマンス」として、時代の終わりと新たな章の幕開けを告げるモデルとなるでしょう。
BMWファンにとって、この一台は“過去と未来をつなぐM”として記憶に残る存在になりそうです。
Reference:carwale.com
よくある質問(FAQ)
Q1. M350の最高出力とトルクは?
最大出力は約420馬力、最大トルクは約580Nmと見込まれます。48Vマイルドハイブリッドの補助で低回転から力強く加速します。
Q2. プラットフォームはNeue Klasseですか?
いいえ。EV用のNeue Klasseではなく、ガソリン向けのCLARプラットフォームの改良版を採用する見通しです。
Q3. 駆動方式とトランスミッションは?
xDrive(四輪駆動)が基本で、8速ATを組み合わせる見込みです。一部市場で後輪駆動が用意される可能性も指摘されています。
Q4. 発表・生産開始の時期はいつ?
正式発表は2026年後半が有力で、生産開始は2026年11月頃と報じられています。市場導入は地域ごとに前後します。
Q5. 「最終Mパフォーマンス」というのは本当?
EVシフトの加速により、M350が内燃Mパフォーマンスの最終世代になる可能性が高いとされています。ただし公式確定ではありません。






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