2026年登場が見込まれる「BMW i3 M60(開発コードNA0)」は、BMWの新世代アーキテクチャであるノイエクラッセを採用。
推定600馬力級のデュアルモーター、WLTP最大約900kmの航続、400kW急速充電で10分約370km分という実用性が噂され、同世代のガソリン最上位「M350(G50)」を上回る可能性も語られています。
では、このi3 M60は本当意味で“Mパフォーマンスモデル”を名乗れるのか?。
最新情報と技術背景から読み解きます。
- EVの“M”適性検証:i3 M60は公式未確認のMパフォーマンスEV。数値と走りの質で資格を検証。
- 数値で徹底比較:約600馬力×WLTP900kmのi3と、415馬力直6のM350を性能と実用で対比。
- ノイエクラッセの価値:新世代アーキテクチャと統合制御で“BMWらしい”運転体験の進化を解説。
BMW i3 M60 NA0とは何か

ノイエクラッセ世代のスポーツセダン
i3 M60は、従来のCLARではなくEV専用に最適化されたノイエクラッセを採用する次世代スポーツセダンです。
車体・駆動・制御を一体設計する発想により、重量増を抑えきれなくとも応答性と一体感を高める狙いがあります。
「MパフォーマンスEV」認定は未確定
BMWはi3 M60をMパフォーマンスEVとしてまだ公式確認していません。
ただしデュアルモーターで約600hp、WLTP最大約900km、400kW急速充電という報が示す実力は“準Mパフォーマンス級”と呼べる水準です。
実用面の利点
フラットフロアや後席の余裕、フロント収納などEVならではのパッケージングが見込まれ、日常での使い勝手に優れます。
i3 M60のパワートレインとスペック
デュアルモーターで600馬力を超える高性能EV
BMW i3 M60(NA0)は、ノイエクラッセ世代で初めてのスポーツセダンとして登場する予定です。
搭載されるのは前後2基の電動モーターで、合計出力は600馬力以上と報じられています。
これは同世代のM350 G50(415馬力)を大幅に上回る数値であり、0〜100km/h加速も3秒台前半に達する可能性があります。
第6世代バッテリーセルと航続性能
搭載バッテリーはBMWが開発した第6世代「Gen6セル」で、従来比でエネルギー密度が30%向上しています。
WLTPモードで最大900kmという航続距離を実現し、実用性の面でもクラスをリードします。
また400kW対応の急速充電では、わずか10分で約370km分の走行距離を回復できるとされ、長距離移動時の安心感も高いです。
「Heart of Joy」による走りの統合制御
BMWが新たに採用する「Heart of Joy」スーパコンピュータは、パワートレイン・シャシー・ステアリングを統合的に制御します。
このシステムはドライバーの操作や路面情報を予測的に解析し、EV特有の静粛性と瞬発力を両立させる仕組みです。
実際に同制御を試験的に搭載したiX3プロトタイプでは、これまでのEVにない“BMWらしい自然なハンドリング”が体感できたといわれています。
実用性も兼ね備える新世代セダン
i3 M60はEV専用設計により、床下電池の配置最適化と室内空間の拡大を実現します。
フラットなフロアとリアシートのゆとり、さらに前方収納(フランク)を備えるなど、スポーツセダンとしての走行性能と実用性を高次元で融合したモデルになると予想されます。
M350 G50のスペックと魅力

最後の直6、B58エンジンが奏でるBMWの伝統
M350 G50は、3シリーズのガソリンモデルとして最後と言われている直列6気筒を搭載するMパフォーマンスモデルです。
エンジンは3.0リッターB58型で、最高出力415馬力、最大トルク580Nmを発揮します。(推定)
トランスミッションはBMW定番のZF製8速ATを採用し、滑らかな変速と素早いレスポンスで知られています。
サウンドとドライバビリティの魅力
BMWはM350に専用のクワッドエキゾースト(4本出しマフラー)を与え、Mモデルを彷彿とさせるサウンドチューニングを施しています。
このエンジン音と振動がもたらす“生きた機械”の感覚は、EVでは再現しにくい魅力です。
アナログな歓びを残す走り
M350は総重量でi3 M60より軽量に仕上げられており、コーナリング時の身のこなしも軽快です。
瞬時のトルクではEVに劣るものの、アクセル開度に対する自然なレスポンスと後輪駆動らしい挙動はまさに“駆けぬける歓び”の象徴といえます。
維持費と今後の課題
燃費や維持コストの面ではEVに劣り、将来的には都市部の排ガス規制の影響を受ける可能性があります。
しかし、B58エンジンが生み出すフィーリングと音はBMWファンにとって代えがたい価値があり、M350は“内燃機関の終章”を飾る存在になるでしょう。
Mパフォーマンスモデルとしての条件
i3 M60はMパフォーマンスEVと呼べるのか
BMWがMパフォーマンスモデルと定義するのは、通常のモデルより高出力でありながら、フルMモデルほど過激ではない“中間的なスポーツモデル”です。
その条件を踏まえると、i3 M60の性能は確実にその領域に達しています。
デュアルモーターによる600馬力超という数値は、従来のM340iやM550iを大きく上回る水準です。
公式発表はまだだが、内容は「M」級
BMWはまだi3 M60を正式なMパフォーマンスEVとして認定していません。
しかし、Mライト仕様の外装や専用のサスペンション設定、そして「Heart of Joy」による精密制御は、すでにMの名にふさわしい領域にあります。
また、ノイエクラッセ自体がM部門と共同開発されており、このEV世代では「M=電動化された走りの歓び」を体現する位置づけになると見られています。
“Mの魂”をEVが継承できるか
i3 M60は静粛かつ速いだけでなく、ドライバーが操作に介入できる余地を残している点が評価されています。
電動化が進む中でも、ステアリングの重さや回生ブレーキの制御にBMWらしい“手応え”を残すことが、Mパフォーマンスを名乗るための重要な条件といえるでしょう。
i3 M60とM350の比較まとめ
性能面ではi3 M60が圧倒
出力で比べると、i3 M60の約600馬力に対し、M350は415馬力と明確な差があります。
0〜100km/h加速でも、i3 M60は3秒台前半、M350は約4.5秒と予想され、純粋な速さでは電動化されたi3が優勢です。
また、WLTP航続距離900kmという数値は、長距離移動でも実用的な範囲に入りました。
ドライビングフィールはM350が勝る
しかし、走りの感触やエンジンの鼓動といった“感情を刺激する体験”では、依然としてM350がリードします。
B58直6エンジンが奏でるサウンドと、後輪駆動らしい挙動の一体感は、BMWファンが長年求めてきた“駆けぬける歓び”そのものです。
EVのi3 M60は静粛でスムーズな加速を得意としますが、機械的なフィードバックを重視するドライバーには物足りなさを感じる場面もあるでしょう。
維持コストと将来性の差
維持費の面では、充電コストとメンテナンスが抑えられるi3 M60が圧倒的に有利です。
一方、M350はガソリン価格や排ガス規制の影響を受けやすく、今後の都市部走行には制約が出る可能性もあります。
ただし、M350は“最後の直6”という特別な価値を持ち、コレクターズアイテムとしての魅力も見逃せません。
BMWの未来を象徴する二つの「M」
この2台はBMWの二つの魂を象徴しています。
i3 M60はテクノロジーと効率の象徴、M350は感性と伝統の象徴です。
どちらも「Mパフォーマンス」の理念を別の形で体現しており、時代が変わってもBMWが“走る歓び”を捨てていないことを証明しています。
まとめ:BMW i3 M60は“MパフォーマンスEV”の布石か
BMW i3 M60は、正式にMパフォーマンスEVと呼ばれる前から、その実力でMの名を体現しています。
ノイエクラッセの技術、600馬力の出力、そしてBMWらしいハンドリングを兼ね備えたこのモデルは、電動化時代における“Mの再定義”を担う存在です。
一方、M350は内燃機関の最後を飾る純粋な走りの象徴であり、アナログな感覚を求めるドライバーにとっての理想の一台です。
結論として、i3 M60は“次世代のM”への確かな布石であり、BMWの新たな時代を告げるモデルといえるでしょう。
Reference:bmwblog.com
よくある質問(FAQ)
Q1. i3 M60はMパフォーマンスなの?
現時点ではBMWが「MパフォーマンスEV」と公式確認していません。噂段階であり、正式発表は未了です。
Q2. i3 M60の出力や航続距離はどのくらい?
デュアルモーターで約600馬力超、WLTP最大約900km、400kW急速充電で10分約370km分の回復と伝えられています。
Q3. 比較対象のM350(G50)はどんなスペック?
3.0L直列6気筒B58で約415馬力・580Nm、ZF製8速ATを組み合わせます。
Q4. 走りの質感はどう違う?
i3 M60は「Heart of Joy」が駆動・シャシー・ステアリングを統合制御し、自然で予測的な挙動を狙います。 一方M350は直6のサウンドや機械的な手応えが魅力です。
Q5. 実用性や室内空間は?
i3 M60はEV専用設計の利点でフラットフロアや広い後席、フロント収納を見込め、日常使いで有利です。





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