次期BMW M3では、完全電動版とガソリン版という性格の異なる2台が用意されます。完全電動版はZA0、ガソリン版はG84という開発コードで伝えられています。しかし、選択の基準は単純な最高出力の比較ではありません。4モーターによる車両制御を選ぶのか、直列6気筒エンジンの反応や音を選ぶのかに加え、自宅充電の可否も重要です。私が現時点で確認できる事実を整理し、どちらを買うべきかを考えます。
- ✅ZA0は4モーター制御で運動性能を重視
- ✅G84は直列6気筒と給油の利便性がメリット
- ✅自宅充電ならZA0、長距離ならG84
電動版ZA0とガソリン版G84が併売される次期BMW M3
BMW M GmbHのフランク・ファン・ミールCEOは、2026年7月のインタビューで、電動M3とガソリンM3を同じ顧客層に向けて販売すると説明しました。異なるパワートレインを社内で競わせ、購入者に選択を委ねる考えです。電動版はガソリン版の代替品ではなく、別の技術でM3の走りを実現するモデルと捉える必要があります。
電動M3 ZA0の4モーターシステムと走行技術
4基のモーターで各車輪を個別制御する
電動M3の中心となるのが、各車輪を1基ずつのモーターで駆動するBMW M eDriveです。前後に2基ずつ配置した4基のモーターを、M専用ソフトウェアのBMW M Dynamic Performance Controlが統合制御します。前輪側を切り離し、後輪駆動で走れる構成も公表されています。
制御を担うHeart of Joyは、駆動力だけでなくブレーキや回生も車輪ごとに調整します。ファン・ミールCEOは、内側の車輪を減速させながら外側を加速させることで、敏捷性と安定性を変化させられると説明し、これを「車両運動性能の新しい時代」と表現しました。
800V技術と疑似変速を採用する
電動M向けのシステムには800V技術と、100kWh超の高電圧バッテリーが組み合わされます。ただし、市販版M3の航続距離や最大充電出力はまだ公表されていません。
疑似変速も採用されます。ファン・ミールCEOは、サーキットで何速に入っているかを手掛かりに速度や加減速を把握できるため、変速感が必要だと説明しました。一方、E30 M3の4気筒や歴代M3のV8、M5のV10を再現する音は使わず、電気モーターを基にした新しいサウンドを開発します。
ガソリンM3 G84が受け継ぐ直列6気筒の価値
ガソリン版G84では、3.0リッター直列6気筒ターボエンジンが継続されます。ファン・ミールCEOは、直列6気筒を新しい排出ガス規制に対応させ、性能を落とさず残す方針を示しました。また、次期M3にはプラグインハイブリッドを採用せず、内燃機関として完成度を高める考えも明らかにしています。
G84の価値は最高出力だけでは測れません。アクセルへの反応、回転上昇、変速、排気音が一連の運転感覚をつくる点はZA0と異なります。
ZA0とG84の走行性能は何が違うのか
ZA0の特徴は、4基のモーターを使って各車輪の駆動力と制動力を瞬時に変えられることです。ファン・ミールCEOは、単に1000馬力を目指すのではなく、必要な車輪へ力を与えることが重要だと説明しています。電動版の優位性として挙げているのは、出力よりも制御の自由度です。
一方のG84は、直列6気筒とトランスミッションを介して駆動力を伝えます。ファン・ミールCEOは、音や外観、充電環境を理由にガソリン版を選ぶ顧客がいると認めたうえで、レースやドライビングダイナミクスを重視するなら、電動版を最良のM3と判断する可能性があると話しました。これは速さが確定したという意味ではなく、BMW Mが4モーター制御に大きな可能性を見ているという発言です。
日常利用では電動M3とガソリンM3のどちらが便利か
日常利用では、自宅で充電できるかどうかが最初の判断基準です。駐車中に充電できれば、ZA0は日常的に充電施設へ出向く必要を減らせます。自宅充電ができず公共充電だけに依存する場合は、充電器の場所や待ち時間を考えなければなりません。
長距離移動では、短時間で給油できるG84の方が行程を組みやすい場面があります。ファン・ミールCEOも、自宅充電ができないことをガソリン版が選ばれる理由の一つに挙げています。
価格と発売時期はどこまで判明しているのか
ZA0とG84の日本での発売時期、価格、グレード構成は正式発表されていません。電動M3について公表されているのは、4モーター、Heart of Joy、800V技術、100kWh超のバッテリー、疑似変速など、主に技術コンセプトです。
G84も直列6気筒を継続する方針は確認できますが、価格や出力は確定していません。購入費用、維持費、航続距離、充電時間、車重、加速性能の数値比較は正式発表後に行う必要があります。
電動M3 ZA0とガソリンM3 G84を買うべき人
ZA0が向いている人
自宅充電ができ、エンジン音よりも車輪ごとの緻密な制御や新しい走行技術を重視する人にはZA0が有力です。BMW Mが電動版で追求しているのは大出力そのものではなく、4モーターを利用した敏捷性、安定性、トラクションの統合制御です。運動性能を優先する人は、市販仕様を確認する価値があります。
個人的にはサーキット走行を楽しむ人であれば、電動版M3 ZA0が面白そうですね。これまで味わったことがないコーナリング感覚を体験できることは大きな魅力です。
G84が向いている人
直列6気筒の回転感覚、変速、排気音をM3の重要な要素と考える人や、自宅充電が難しく長距離移動が多い人にはG84が適しています。給油を前提とした使い方を変えず、次世代M3へ乗り換えられる点も利点です。
私は今後普及することが予想される電気自動車よりも、いつまで乗ることができるのかわからないガソリン車に今は乗りたいと考えています。ましてや、高性能車の代表格であるM3に乗るのであれば、最後になるかもしれないガソリン版M3 G84がとても魅力的に感じます。
Reference:autocar.co.uk
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW電動M3 ZA0とガソリンM3 G84の違いは何ですか?
最大の違いはパワートレインです。ZA0は4基の電気モーターで各車輪を個別に制御する完全電動モデル、G84は3.0リッター直列6気筒ターボエンジンを搭載するガソリンモデルとして開発されています。なお、ZA0とG84は正式な車名ではなく、現時点で伝えられている開発コードです。
Q2. BMW電動M3 ZA0にはどのような技術が採用されますか?
ZA0には、各車輪に1基ずつ配置する4モーターシステム、駆動力やブレーキを統合制御するHeart of Joy、800V技術、100kWh超のバッテリー、疑似変速機能などが採用されます。最高出力や航続距離、最大充電出力は正式発表されていません。
Q3. ガソリンM3 G84は直列6気筒エンジンを継続しますか?
BMW M GmbHのフランク・ファン・ミールCEOは、次期ガソリンM3でも直列6気筒エンジンを継続し、新しい排出ガス規制に対応させる方針を説明しています。プラグインハイブリッドではなく、内燃機関モデルとして開発されます。
Q4. ZA0とG84はどちらを買うべきですか?
自宅充電ができ、4モーター制御による新しい走行性能を重視する人にはZA0が適しています。直列6気筒の音や回転感覚、短時間で給油できる利便性、長距離移動のしやすさを重視する人にはG84が適しています。
Q5. ZA0とG84の価格や発売時期は発表されていますか?
日本での発売時期、車両価格、グレード構成は正式発表されていません。ZA0の航続距離や充電時間、G84の最高出力や駆動方式なども未確定です。具体的な価格やスペックの比較は、市販仕様の正式発表後に行う必要があります。





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