BMW純正ホイールのセンターキャップを囲むように、ホイールボルトの穴とは別に小さな穴が設けられていることがあります。装飾や軽量化のためと思われがちですが、この穴は整備工場で使用するホイールアライメント測定器の取り付けに関係しています。普段の運転や洗車では意識することのない部分に、BMWならではの整備上の工夫があるのです。小さな穴の役割から専用測定器の仕組み、社外ホイールとの違いまで詳しく紹介します。
- ✅️BMW純正ホイールの小さな穴はアライメント測定器用
- ✅️専用クランプはハブ基準で振れ補正を省略
- ✅️穴のない社外ホイールも別方式で測定可能
BMW純正ホイールの小さな穴の正体とは?
出典:bmw-m.com「BMW M Performance Y-spoke 763 M Frozen Gold」より
BMW純正アロイホイールの一部には、中央のBMWエンブレムや5本のホイールボルトを囲む位置に、小さな丸い穴があります。この穴はホイールアライメントを測定する機器を取り付けるためのもので、タイヤの空気を入れるバルブ穴やホイールを車体に固定するボルト穴とは役割が異なります。
ホイールアライメントとは、車輪の向きや傾きを示す数値のことです。代表的な測定項目には、車輪を上から見た向きに関係するトーや、正面から見た傾きを表すキャンバーなどがあります。測定器を車輪に装着して各部の角度を把握し、車両ごとに定められた基準値と照らし合わせます。
小さな穴はこの測定作業を支える取り付け位置であり、走行時に何かを固定するための穴ではありません。
小さな穴はホイールアライメント測定でどう使われる?
一般的なアライメント測定では、ホイールにクランプを固定し、そこに測定用のターゲットやセンサーを取り付けます。一方、対応するBMW純正ホイールでは、ボルト周辺の小さな穴に専用クランプのピンを差し込み、測定器を装着できます。
クランプのピンは穴を通り、車両側のホイールハブに直接当たる構造です。つまり、測定用の取り付け位置をホイールリムの外周ではなく、ハブ側の基準面に求められます。写真にあるような専用治具を使えば、ホイールを車両に装着した状態で作業を進められます。
穴そのものが角度を計測するわけではありません。穴は専用機器を正しい位置に固定するための通り道であり、角度の測定は取り付けたセンサーやターゲットとアライメント測定システムが担います。
BMW専用のBeissbarth製アライメント測定器とは?
出典:beissbarth.com「BMW | OEM Q.Lign」より
Beissbarth(バイスバルト)は、ホイールアライメント測定機器などを扱うドイツの整備機器メーカーです。BMW向けには「Q.Lign」という測定システムがあり、BMW専用クランプと組み合わせた構成も用意されています。
BMW専用クランプの構造と特徴
「Quick clamp BMW | OEM」(製品番号1690801001)は、距離測定用のピンをハブに直接接触させる方式です。対応するBMW純正ホイールのピン穴配置として、4×100mmと5×120mmが示されています。すべてのBMW純正ホイールや、あらゆる世代の車両に使えるわけではありません。
また、専用クランプが対応するのは同社のCCDおよびQ.Lignシステムです。ホイールに穴があれば、どのアライメント測定器でも同じ方法を使えるというわけではなく、測定器と治具の組み合わせが重要になります。
専用の穴を利用するアライメント測定の3つのメリット
ホイールの振れ補正を省略できる
通常の測定では、ホイールや取り付けた治具のわずかな振れが測定結果に影響しないよう、車両を前後に動かすなどして振れ補正を行う場合があります。しかしハブを直接基準とするBMW専用クランプでは、この振れ補正が不要になります。ホイールの外周を基準にしない構造が、作業工程の削減につながります。
リムの状態による影響や傷のリスクを抑えられる
リムの縁を挟む方式では、ホイールの変形や汚れ、クランプの取り付け状態が測定に影響する可能性があります。ハブに直接ピンを当てる方式なら、こうしたリム外周の状態に左右されにくくなります。また、リムを爪で挟み込まないため、接触による傷を避けやすい点もメリットです。
測定器を素早く固定できる
ピン穴を利用してクランプを装着できるため、対応する機器では取り付け作業を迅速に進められます。ただし、実際の作業時間は車両の状態や使用する設備によって異なり、アライメント調整そのものの時間が一律に短くなるわけではありません。
穴のない社外ホイールでもアライメント測定は可能?
社外ホイールには、BMW純正ホイールのような測定器用の穴が設けられていないものがあります。その場合、穴を使用するBMW専用クランプは取り付けられません。しかし、穴がないからといってホイールアライメントを一切測定できないわけではありません。
純正ホイールと社外ホイールの測定方法の違い
専用穴に対応していないホイールでは、リムやタイヤ側から固定する別方式のクランプなどを使用します。使用する機器によっては、ホイールの振れ補正を行ったうえで測定します。適切な治具と手順を用いれば、社外ホイールでもアライメント測定は可能です。
ただし、測定器やクランプの種類、ホイール形状によって対応条件は変わります。BMW専用クランプで測定することを前提とした設備では、穴のないホイールは測定できない場合もあります。ホイール交換後に測定を依頼する際には、装着ホイールに対応した機器があるかがポイントです。
まとめ|BMW純正ホイールの小さな穴には測定精度を支える役割がある
出典:bmw-m.com「BMW M Performance Y-spoke 1063M (Refined Silver)」より
BMW純正ホイールのボルト周辺にある小さな穴は、対応するアライメント測定器の専用クランプを装着するためのものです。ハブを直接基準にできる方式では、振れ補正の省略やリムへの接触低減、クランプの取り付け効率化が期待できます。
穴のない社外ホイールでも別方式で測定できる一方、使える測定器は異なります。私は、この小さな穴を、ホイールの見た目だけでなく整備時の測定方法まで考えられた設計上の工夫だと捉えています。
Reference:facebook.com/bimmertips
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW純正ホイールの小さな穴は何のためにあるのですか?
BMW純正ホイールのボルト周辺にある小さな穴は、ホイールアライメント測定用の専用クランプを取り付けるためのものです。対応する測定器では、ピンを通してホイールハブを直接基準にできます。
Q2. BMW純正ホイールならすべてに小さな穴がありますか?
すべてのBMW純正ホイールに設けられているわけではありません。ホイールの種類や設計によって異なり、専用測定器を利用するには対応するピン穴配置などの条件を満たす必要があります。
Q3. 小さな穴を使うとアライメント測定の精度は向上しますか?
対応する専用クランプでは、ホイールハブを直接基準とするため、リムの歪みや変形による測定への影響を抑えられます。また、ホイールの振れ補正作業を省略できるというメリットもあります。
Q4. 小さな穴がない社外ホイールでもアライメント測定はできますか?
可能です。リムやタイヤに固定する別方式のクランプなどを使用すれば、社外ホイールでも測定できます。ただし、ホイールの形状や測定器の対応条件によって、使用できる方法は異なります。
Q5. BMWの小さな穴を利用する専用測定器は何ですか?
代表的なものに、ドイツのBeissbarth(バイスバルト)が提供するBMW向けアライメント測定システム「Q.Lign」があります。対応するBMW専用クランプを使用することで、ハブを基準とした測定が可能になります。







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