BMWがガソリンエンジン車の命名のルールを変更する決定を発表しました。これにより、これまで「i」が付いていた車種からその文字が消えることになります。この変更の背景には、BMWの新たな方針と電気自動車への集中があります。
BMWの「i」が消える理由とは?
BMWがガソリンエンジン車の名前から「i」を取り除く理由は、ブランドの進化と革新に対する新たなアプローチを示すためです。
かつては「i」は燃料噴射(Injection)を指していましたが、BMWはこれを電気自動車(EV)への象徴として再定義しました。
この変更により、BMWはEVのラインナップを強調し、持続可能なモビリティに向けた姿勢をより明確に示しています。
「i」の由来とその変遷
BMWの「i」は、元々燃料噴射(Injection)を指していました。
燃料噴射装置は自動車の燃料供給方法の進化で、エンジン性能と燃費向上に寄与してきた。
初期はキャブレターによる混合気供給から、電子制御のインジェクションシステムへと進化した。
これにより、燃料の効率的な供給が可能となり、エンジンの出力や排気ガスのクリーン化にも貢献した。
BMWはこのキャブレターからインジェクションシステムへ移行したエンジンであることを強調するために、ガソリンエンジン車の車名の末尾に「i」を付けることで技術の象徴としました。
しかし、「i」というブランドはその意味を拡張し、イノベーション(車の電動化)を象徴するものとして再定義しました。
これにより、電気自動車(EV)への移行を強調することができ、持続可能な未来に向けたBMWの取り組みを表現する新しいシンボルとなりました。
BMWの新たな戦略: 「i」の消失とEVへの集中
BMWは、「i」の消失を通じてブランドの進化を示し、電気自動車(EV)への集中を強調しています。
この戦略の下、BMWは持続可能なモビリティに向けた取り組みを加速し、革新的なEVテクノロジーの開発と展開に注力しています。
つまり、今後BMWのラインアップはEV(電気自動車)が中心になることを意味します。
そして、そのEVへの移行の象徴として「i」の文字をEVの車名の末尾ではなく先頭につけることで、よりEV車であることを印象付けるブランディングを行っています。
BMWのEVへの挑戦はi3、i8を2014年から販売を開始。
この時から車名の先頭には「i」+数字のルールでネーミングされていたことから、BMWのEV=「i」+数字というブランディンが確立されていることも、今回のガソリンエンジン車の「i」を取り去ることへの大きな理由になります。
既にこの時代ではインジェクションシステムはほぼすべての車に搭載されているものであり、技術革新の象徴である時代は終了したのですから。
ネーミングルールの変更が行われる車種は?
BMWは今後、電気自動車(EV)のラインナップを拡大し、持続可能なモビリティに向けた取り組みを加速する予定です。
また、ガソリンエンジン車からの「i」の削除やMパフォーマンスモデルの開発により、ブランドの進化と革新が加速されるでしょう。
まず最初に新しいネーミングルールで登場する車種は・・・
新型BMW X3(G45)になると思われます。
その後、2024年の夏頃にフルモデルチェンジされると言われるている1シリーズハッチバック、
2025年初期にフルモデルチェンジされると言われている2シリーズグランクーペなどが車名には「i」の文字が含まれないことが予想されます。
新しいネーミングルールの適応は、フルモデルチェンジのタイミングであり、LCI(マイナーチェンジ)のタイミングでは行われないと思われます。
Mパフォーマンスモデルのネーミングルール
BMWのMパフォーマンスモデルは、元々車名の末尾には「i」は表示されていません。
BMW Mモデルのネーミングルールは、ICE(内燃機関)の内部コードネームから命名されます。
しかし、BMWは3桁が限界と考えており、M80やM90の数字は期待されていません。
将来的には、例えばi7 M70のような命名規則が維持されつつ、Mパフォーマンスラインの拡大と共に、革新とエレクトリフィケーションへの進化が期待されます。
また、M3などのMハイパフォーマンスに関しては今後EV化することが決まっていますが、そのネーミングルールは車名の先頭には「i」の文字は使用しないことが既に公式に発表されています。
やはり、Mハイパフォーマンスモデルは、他のBMWとは別格ということなんでしょうね。
Reference:bmwblog.com