BMWの新車価格、中古車価格が実質的に値上げされることになりそうです。

BMW「売れ残りは販売店が購入」、過剰なノルマ撤廃約束…公取委に改善計画

こちらのニュースが少し話題になっているのをご存知でしょうか?

これはインポーターであるBMW JAPANが正規ディーラーへ車を卸す際に過剰なノルマを設定し、ノルマが達成出来ない場合は不足分の車をディーラーに強制的に購入させる行為が優越的地位の濫用に当たるとした内容です。

過剰なノルマがどの程度過剰なのかを判別するのが難しいと思いますが、BMW JAPANが今回の問題を可決するために再発防止策を盛り込んだ計画を提出したということで、今回の問題を事実上認めたということになります。

BMWのブランド価値を歪めるような今回のニュースは、BMWファンにとって非常に残念に思えますが、今回の件によって適正なビジネスが再開出来ることを願いたいと思います。

今後BMWの新車販売価格が実質的に値上がりする理由

今回の問題が解決されることで、私達にはどのような影響があるでしょうか?

一番の問題が今後BMWの実質的な販売価格が値上げされることが予想されます。

今回の摘発を受けてBMW JAPANは正規ディーラーに対して過剰なノルマを設定することが出来なくなりました。

つまり、正規ディーラーはインポーターから無理やり車を購入させられることが無くなるということです。

これまで過剰なノルマを達成するために大幅な値引きをして車を販売していた訳ですが、今後はノルマのハードルが下がるため無理な値引きをして車を販売する必要がなくなるからです。

車種や時期にもよりますが、1000万円台の車を販売する際に100万円単位で値引きをして販売することもあったのですが、今後は値引きの額が大幅に引き下げられるということです。

よって定価は何も変化しなくて実売価格が大幅にアップすることになるので、事実上の値上げが行われるということになります。

BMWの中古車価格も上昇することに

新車の実売価格がアップするということは、BMWの中古車価格にも影響があります。

中古車の販売価格の相場は新車の実売価格に比例します。

定価が1000万円の車が3年経過後に中古車市場で600万円で販売されるとした場合、実売価格が1000万円ではなく800万円であった場合、3年後の中古車価格は600万円ではなく480万円で販売されることになります。

よって実売価格が1000万円に近づけば、中古車販売価格も600万円に近づくことになります。

また、今回の過剰なノルマでさばくことが出来なかった車をディーラーが大量に購入していたことで発生していた新古車の台数も大幅に減少することになります。

ディーラーが過剰に購入した車を現金化するために新古車として格安で販売することで、通常の中古車の価格が連動して引き下げられていました。

しかし、その新古車の台数が減少することで他の中古車の価格を引き下げる必要がなくなるために現状よりも中古車価格が下がらない(高くなる)ということです。

ちなみに、中古車価格が上昇するということはBMWを下取りに出した時の価格も上昇することになります。

 

今回の公正取引委員会によるBMW JAPANの摘発によって、新車の実売価格が上昇、それに連動して中古車価格も上昇することになり、BMWを購入する人にとっては頭の痛い話になります。

しかし、BMWを下取りや販売する時の価格も同時に上昇することになるので、BMWという車の価値も上昇することになります。

結果的にはBMWのブランド価値もアップすることになるので、BMWオーナーにとっても今回の事件はトータルではプラスになるのではないでしょうか?