同じS58エンジンを積むBMW M3とX3 Mを、まったく違う価格で手に入れられることをご存じでしょうか。
新車のM3は1,400万円台という高額なプライスタグが付き、憧れていても現実的には手が届きにくいモデルです。
一方で、同じS58を搭載するX3 Mの中古車は、条件さえ選べばM3より数百万円安く狙える存在になっています。
数字だけを見ると「本当にそんなに差があるのか?」と疑いたくなりますが、実際の中古相場を比べていくとその差はかなりはっきり見えてきます。
この記事では、M3とX3 Mの価格差やスペック、使い勝手を整理しながら、なぜ「中古のX3 Mがお得」と言えるのかを私なりの視点で考えていきます。
❗️記事3行まとめ
✓M3新車とX3 M中古の価格差は約280万円
✓同じS58エンジンでもX3 Mは値落ちが大きい
✓走りと実用性を両立するならX3 M中古が狙い目
S58エンジンとは?M3とX3Mに共通する「本気の心臓部」
S58エンジンは、現行BMW M3やM4、そしてX3 MやX4 Mに搭載される3.0リッター直列6気筒ツインターボの高性能ユニットです。
最高出力は530馬力前後、最大トルクは650Nmというスペックで、公道用としてはかなり攻めたチューニングが施されています。
私は数値だけを見ても十分に過激だと感じますが、ポイントはこのエンジンがM3だけの特権ではなく、X3 Mでもまったく同じ世界観を味わえるという点です。
エンジンブロックや基本構造は共通で、高回転まで素早く吹け上がる特性や太いトルクの出方はどのモデルでも共通しています。
もちろん、車重や車高、駆動系の味つけによって体感は少し変わりますが、「S58を積んでいるかどうか」という意味ではM3もX3 Mも同じ土俵に立っていると言って良いと思います。
そのうえで価格だけが大きく違っているのであれば、どちらにお得感があるのかを冷静に比較する価値は高いと感じています。
価格差は明確。M3新車 vs X3M中古車の相場を比較する
M3(G80)の新車価格と中古価格の現実
M3の新車価格は1,488万円と高額で、憧れの存在でありながらも現実的には手を出しにくいモデルです。
さらに中古車市場を確認すると、2020〜2021年式・走行3万km以下という条件でも828万〜1,090万円というレンジに収まり、平均価格は約924万円でした。
私はこの数字を見たとき「中古車でもここまで高いのか」と感じましたが、M3が持つブランド的価値や性能評価の高さを考えると、相場が強気なのも理解できます。
特にG80はデザイン面や走りの完成度が評価されており、需要が落ちにくいことが価格維持の大きな要因になっています。
X3M(F97)中古車はどこまで価格が落ちているのか
一方、同じS58エンジンを積むX3Mの中古相場を見ると、2020〜2021年式・3万km以下の条件で577万〜778万円という結果でした。
平均価格は約643万円で、M3より約280万円も安い計算になります。
私はこの差を見たとき、単純に「値落ちの早さ」に驚きました。
同じS58エンジンを搭載する車種でも車種の違い(セダンとSUV)ではここまで違うのか?というのが正直な感想です。
※価格は2025年12月上旬「カーセンサー」調べ
同じエンジンなのにX3 Mが安い理由
新車価格の差以上に中古価格の差が広がっている
M3とX3 Mの中古価格に大きな差が生まれているのは、まず新車価格の差が前提にあります。
M3 Competitionの新車価格は14,880,000円、対してX3 M Competitionは13,380,000円で、その差は約150万円です。
しかし今回確認した2020〜2021年式・走行3万キロ以下の中古相場では、M3の平均が924万円、X3 Mは643万円でした。
中古価格差は約280万円と、新車時の150万円よりも明らかに広がっています。
この“差が拡大している”という事実が、X3 Mの値落ちが大きい理由を端的に示しています。
日本ではハイパフォーマンスSUVの需要が限られる
中古価格差が広がる背景には、日本市場における需要構造の違いがあります。
M3はBMW Mモデルの象徴的存在で、指名買いが多く中古でも需要が安定しています。
一方でX3 Mのような高性能SUVは、維持費の高さや車重による消耗コストの大きさから、購入者層がかなり限られます。
それは日本ではまだ高性能SUVという市場が出来上がっていないこともコストと合わせた原因です。
M3のようなスポーツセダンという市場は認知されていますが、高性能SUVという市場は日本の場合SUV=ファミリーカーという認識のため、まだまだ時間がかかります。
そのおかげで、同じS58エンジンを搭載したモデルが安く購入できる、とも言えます。
実際に“お得”なのか?走りと使い勝手で比較する
M3とX3 Mは同じS58エンジンを搭載していますが、走りのキャラクターは明確に異なります。
M3は車重が軽く重心も低いため、アクセル操作に対する反応が鋭く、コーナリングでも切れ味のある動きを見せます。
一方でX3 Mは車重が2トンを超えることもあり、コーナーでの挙動は落ち着いた印象で、M3ほどのシャープさはありません。
ただ、その分だけ街中での扱いやすさが際立ちます。
視界が広く乗り降りしやすいため、日常の運転では私の感覚でもストレスが少なく、むしろ“M3より現実的”だと感じる場面もあります。
加速力に関しては、両者ともS58の強烈なトルクが生きており、日常域では差が出にくいほど速いです。
高速道路の合流や追い越しではX3 Mでも十分すぎる加速感があり、一般的な使用環境ではM3との差を意識することはほとんどありません。
こうしたバランスを考えると、X3 Mは「走りの満足度」と「快適性」の両立が図られており、日常での使用頻度が高い人にとっては非常にお得な選択肢になり得ると私は感じています。
まとめ:S58エンジンを最も“手頃に楽しむ”ならX3 M中古
同じS58エンジンを積むM3とX3 Mですが、日本市場では中古価格に明確な差が生まれています。
新車価格差よりも中古価格差が大きく、X3 Mは約280万円も安く手に入れることができます。
走りの満足度は十分でありながら、SUVとしての利便性も備えているため、日常使いとパフォーマンスの両方を求める人にとっては非常に魅力的な選択肢だと私は感じています。
S58エンジンを“手頃に楽しむ”という視点では、X3 M中古は間違いなく強力な候補になるはずです。
Reference:carbuzz.com
よくある質問(FAQ)
Q1.M3とX3 Mは本当に同じS58エンジンなのですか?
M3とX3 Mはいずれも3.0リッター直列6気筒ツインターボのS58エンジンを搭載しており、基本構造や出力特性は共通です。車重やサスペンション、車高の違いによってフィーリングは変わりますが、エンジンそのものの性能は同じと考えて問題ありません。
Q2.走りの楽しさはM3とX3 Mでどれくらい違いますか?
M3は重心が低く車重も軽いため、コーナリングの鋭さやレスポンスの面では一枚上手です。一方でX3 MはSUVらしい安定感と視界の良さがあり、日常域では十分すぎる加速と快適性を両立しています。純粋なスポーツ性重視ならM3、総合バランス重視ならX3 Mというイメージです。
Q3.中古のX3 Mは維持費が高くて結局お得ではないのでは?
3.0リッターターボかつハイパフォーマンスSUVのため、タイヤやブレーキなどの消耗品、燃料代はそれなりにかかります。ただし、M3も同様に維持費は高めのモデルです。購入価格が約280万円安くなることを考えると、トータルで見てX3 Mの方が現実的と感じる人は多いはずです。
Q4.M3よりX3 Mの方が値落ちしやすいと言える根拠はありますか?
新車価格差が約150万円であるのに対して、2020〜2021年式・走行3万キロ以下の中古車では平均価格差が約280万円生じています。つまりX3 MはM3よりも値落ち幅が大きく、その結果としてS58エンジンを安く手に入れられる状態になっていると言えます。(当サイト調べ)
Q5.X3 M中古を選ぶ際に注意すべきポイントは何ですか?
走行距離や修復歴の有無に加えて、純正ホイールやサスペンション状態、タイヤ残量などランニングコストに直結する部分をよく確認することが大切です。できればディーラー整備記録が残っている個体を選び、試乗で異音や変速ショックの有無をチェックすると安心して購入しやすくなります。










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