2025年型MINI JCWコンバーチブル(F67)は、MINIブランドの中でも特別な位置づけにある高性能モデルです。本記事では、この最新モデルの魅力を「走り」「快適性」「デザイン」「装備」の4つの観点から詳細に解説します。
注目は、228馬力・280Nmの高トルク仕様や、新設計の9.4インチOLEDディスプレイをはじめとするテクノロジーの刷新。従来型からどれだけ進化し、日常でも扱いやすいモデルに仕上がっているのか? MINIらしい「ゴーカート感覚」はどう変化したのか? MINIファンはもちろん、初めての輸入コンパクトカーを検討中の方にもわかりやすく、その実力と魅力をレビューしていきます。
- トルク向上&7速DCTで走りが進化:最大トルク280Nmと7速DCTの組み合わせで、街乗りから高速まで力強くスムーズな走行を実現。
- 安全支援&デジタル化で快適性アップ:OLEDディスプレイやHUDなど最新技術を搭載し、操作性と安全性が大きく向上。
- MINIらしさと洗練が共存する新デザイン:チェック柄ソフトトップや新LEDライトで、遊び心と現代的な洗練さを両立したスタイルに。
2025年型MINI JCWコンバーチブル(F67)の全体像と進化点

JCWとは?MINIの最上級スポーツグレード
「JCW(John Cooper Works)」は、MINIの中でも最もスポーティで高性能なグレードとして知られています。F67はそのコンバーチブル版で、従来のF57型からのフルモデルチェンジを経て2025年に登場しました。今回のモデルでは、デザイン・走行性能・インフォテインメントすべてにおいて刷新されており、単なるマイナーチェンジではない“質の違う進化”を遂げています。
旧型(F57)からの主な変更点
- エンジン出力:従来と同じ228馬力だが、トルクは258lb-ft → 280lb-ftへ増加
- トランスミッション:従来の8速AT → 新型7速DCT(デュアルクラッチ)に変更
- ディスプレイ:メーター類廃止、9.4インチOLEDタッチパネルを中心としたインターフェース
- 外装デザイン:グリルやライト周りの意匠変更、よりエッジの効いたスポーティな印象へ
- ソフトトップ:新たにチェック柄を採用し、MINIらしい遊び心を強調
JCWとしての価値はどう変わったのか
走行性能においては、トルクアップによる加速性能の向上と、新採用のDCTによる俊敏なギアチェンジが大きな特徴です。また、ディスプレイを中心としたデジタル化により、室内の近未来感は大幅に向上しました。これにより、単に「速いクルマ」ではなく、「普段から乗れるスポーツカー」としての立ち位置が明確化されたのです。
パワートレインと走行性能の進化
出力は据え置き、トルクは大幅強化
2025年型MINI JCWコンバーチブル(F67)に搭載されるエンジンは、BMWグループの2.0L直列4気筒ターボ「B48」型です。最高出力は従来と同じ228馬力ながら、最大トルクは258lb-ft(約350Nm)から280lb-ft(約380Nm)へと向上。街中や中低速域での加速力が格段にアップし、ストレスのないドライビングが可能になりました。
新採用の7速DCTが生むダイレクトな加速
トランスミッションはこれまでの8速トルコンATから、7速DCT(デュアルクラッチ)へ変更されました。このDCTは変速スピードに優れ、アクセル操作に対する応答性が飛躍的に向上しています。特に「ゴーカートモード」では、ダウンシフト時に回転を合わせる制御が働き、スポーティなドライビングフィールを生み出します。ただし、通常モードでは低回転時にわずかなギクシャク感があるのも事実で、これは他のBMW系モデルでも見られる共通の特徴です。
0-100km/h加速は実測で6秒切り
MINI公式では0-60mph(約0-96km/h)の加速タイムを6.2秒と発表していますが、試乗レビューでは5.94秒や5.82秒といったタイムが報告されており、実際の加速性能は非常に優れています。これにより、高速道路への合流や追い越しもスムーズで、コンパクトカーとは思えない余裕のある走りを実現しています。
操舵感と足回り:ゴーカート感覚の検証
MINIの代名詞「ゴーカートフィール」は残されたか?
「まるでゴーカートのような走り」はMINIブランドの代名詞です。2025年型F67 JCWでも、このコンセプトはしっかりと受け継がれています。ステアリングはクイックかつ正確で、切った分だけ素直にノーズが動くため、コーナリング中の操作が非常に楽しいものになっています。ただし、最新モデルでは過剰な敏感さは抑えられており、扱いやすさとのバランスが取られた味付けになっています。
トレッド拡大とタイヤサイズの変更
F67では前後のトレッド幅が拡大され、タイヤは従来の205幅から215幅の18インチへと変更されました。これにより、接地性が向上し、コーナリング時の安定性やグリップ力が大幅に向上しています。また、足回りには電子制御ではなく機械式の可変ダンパーが採用されており、路面の状況をダイレクトに感じ取ることが可能です。スポーティな走りを重視した設定であるため、ゴーカート的な一体感をしっかりと体感できます。
剛性強化とコンバーチブル特有の補強
ハードトップモデル(F66)と同一のサスペンション設計が用いられていますが、F67では屋根がない分、シャシーに補強が加えられています。これにより、ボディ剛性が保たれ、ハードなコーナリング時でもよじれや不安定感は感じられません。むしろ、補強の存在が操縦性の向上に一役買っており、コンバーチブルであることを忘れるほどの走行安定性が魅力です。
エクステリアと内装デザインの刷新点
洗練と遊び心を両立した外観デザイン
2025年型MINI JCWコンバーチブル(F67)は、従来型に比べて全体的にシャープで洗練された印象を受けます。フロントマスクは新デザインのグリルとLEDヘッドライトにより、よりアグレッシブかつモダンな顔つきに進化。グリル周囲のブラックアウト処理やエアインテークの造形は、スポーツモデルらしい迫力を演出しています。また、リアビューではセンター出しの排気管が非表示型に変更され、クリーンな印象を与える仕上がりとなっています。
ソフトトップのチェック柄が個性を主張
F67最大の特徴のひとつが、電動開閉式のソフトトップに施されたチェック柄のキャンバス素材です。開閉は18秒以内で、時速30km/hまでなら走行中でも操作可能。部分開閉でサンルーフのようにも使えるため、天候や気分に応じて自在な使い方ができるのも魅力です。この細部にまで宿るMINIらしさは、ブランドファンにとって大きな価値となります。
未来感とMINIらしさが融合したインテリア
インテリアは今回のモデルチェンジで大きく刷新されました。中央には9.4インチの円形OLEDディスプレイが配置され、これがメーターとインフォテインメントの両方を兼ねています。従来のアナログ的な雰囲気から一転し、近未来的な操作感が得られます。内装素材にはヴィーガンレザーとファブリックが組み合わされ、エコかつスポーティな雰囲気を演出。レッドステッチやアルミ調のアクセントも、JCWグレードの特別感を際立たせています。
実用性:日常使いと快適性
日常の足としても成立するスポーツモデル
MINI JCWというと「硬派な走り屋向け」という印象を持つ方もいるかもしれませんが、2025年型F67では日常ユースへの適応力も高められています。特に「エクスペリエンスモード」を切り替えることで、アクセルレスポンスやサスペンションのキャラクターを柔らかく変更可能。普段使いでは落ち着いた走行感を提供し、必要に応じて「ゴーカートモード」でスポーティさを引き出す二面性が特徴です。
騒音・振動の抑制と乗り心地の改善
コンバーチブルでありながら、F67では遮音性が向上しており、街乗りや高速走行時の騒音がしっかりと抑えられています。また、路面の凹凸を拾う挙動も以前よりマイルドになっており、乗り心地はスポーティカーとしては上出来。ステアリングも通常モードでは軽く、狭い道や駐車時の取り回しにも優れています。
サイズ感と取り回し性能
ボディサイズは全長約3.87m、全幅1.75mとコンパクトで、都市部での扱いやすさが際立ちます。最小回転半径も小さく、狭い道や縦列駐車でもストレスを感じにくいのはMINIならではの強みです。スポーティでありながら実用的、この相反する要素の両立こそが、F67 JCWが日常使いに適している最大の理由です。
安全支援とインフォテインメント技術
レベル2相当の先進運転支援機能を標準装備
2025年型MINI JCWコンバーチブル(F67)は、安全性能にも注力しています。注目すべきは、BMW譲りの先進運転支援技術の搭載です。アダプティブクルーズコントロール(ACC)は、前走車との車間距離を自動調整しながら速度を維持。渋滞時には自動停止・再発進も行えます。また、車線逸脱警告やレーンキーピングアシストも備え、長距離ドライブでも安心して運転を続けられます。これらは実質的にレベル2相当の自動運転支援と評価されており、日常運転の負担軽減に大きく貢献します。
HUDとARナビゲーションで視線移動を最小限に
F67では、メーターの代わりに9.4インチの円形OLEDタッチパネルを中心に据えていますが、視認性の補助としてヘッドアップディスプレイ(HUD)も装備。速度・ナビ情報・警告などをフロントガラス上に表示するため、視線移動が少なく安全性が向上します。また、AR(拡張現実)ナビゲーション機能により、進行方向がリアルな風景と重ねて表示され、直感的にルートを把握できるのも魅力です。
インフォテインメントの柔軟性と遊び心
最新のMINI Operating System 9は、UIのカスタマイズ性が高く、7種類の「体験モード(Experience Modes)」を切り替えることで、ディスプレイ表示と車内演出が連動。たとえば「Vivid Mode」では、内装照明とサウンドが動的に変化し、ドライブ中の気分を高めてくれます。Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応しており、スマホ連携もスムーズ。機能性と遊び心が絶妙に融合した仕上がりです。
総合評価と購入おすすめ層
性能・装備・デザインのバランスが秀逸
2025年型MINI JCWコンバーチブル(F67)は、スポーツ性と実用性、さらに先進装備まで高い次元で融合したモデルです。走りの力強さや俊敏なハンドリングは、まさに「ゴーカート感覚」を再現しており、エンスージアストを満足させる仕上がり。一方で、乗り心地の快適性や充実した安全支援機能、日常で使える収納性なども備わっており、スポーツモデルでありながら「日常で使える1台」としても成立します。
マニュアル非設定・価格面の課題はある
あえて欠点を挙げるなら、従来人気のあったマニュアルトランスミッションの設定(アメリカ仕様)が廃止された点と、価格帯が高めである点でしょう。F67の車両本体価格は日本円換算で約650万円前後となり、オプションや諸費用を含めると700万円を超えるケースも想定されます。この価格帯では国産スポーツモデルや他のプレミアムコンパクトとの競合も多く、明確な選択理由が必要になります。
どんな人に向いているか?

私は以前MINI ロードスター R59を所有していましたが、やはりオープンカーの開放感は経験した人の多くは虜になると思います。私もその一人で他にもオープンカーを数台に乗り継ぎました。
MINIのカブリオレは小さなボディに4人乗車もできる(かろうじてですが)貴重なオープンカー。さすがに家族で1台という訳にはいきませんが、セカンドカーや二人暮らしであればメインカーでも大丈夫。
実用的なオープンカー、それもおしゃれな1台を探されているのであれば、MINI カブリオレは最適な1台。JCWであれば峠に走りに行きたい人も大満足ですよ。
Reference:motortrend.com
よくある質問(FAQ)
Q1. 2025年型MINI JCWコンバーチブルの納車時期はいつ頃ですか?
地域やディーラーによって異なりますが、グローバル市場では2024年後半から順次デリバリーが始まっており、日本市場での詳細は正規ディーラーでご確認ください。
Q2. MINI JCWコンバーチブルにマニュアルトランスミッションはありますか?
2025年モデル(F67)では、マニュアルトランスミッションの設定はありません。全車7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)が採用されており、パドルシフトによるマニュアル操作は可能です。
Q3. 燃費性能はどれくらいですか?
欧州WLTPモードでは、MINI JCWコンバーチブルの燃費はおおよそ14〜16km/L程度とされています。日本の道路事情や走行モードによって前後しますが、スポーツ性能を重視したモデルとしては優れた数値です。
Q4. JCWハードトップ(F66)とコンバーチブル(F67)の違いは?
両モデルは基本的なパワートレインやシャシー設計を共有していますが、F67は屋根のない構造のためシャシー補強が追加され、車重がやや増加しています。その分、開放感のある走行体験と柔らかい乗り味が特徴です。
Q5. MINI JCWコンバーチブルはファミリーカーとして使えますか?
後席の広さやラゲッジ容量は限られているため、ファミリー向けというよりは2人+αでの使用に適したモデルです。ただし、リアシートをたたむことである程度の荷物を積むことができ、週末のお出かけや旅行には対応できます。
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