何かと話題のGRヤリスですが、小型のスポーツハッチとしてはアバルト595コンペティツィオーネと同類なので、乗り換えを検討するオーナーも多いのでは?

GRヤリスとは?

GRヤリスはトヨタの小型車ヤリス(旧ビッツ)をベースにWRC(世界ラリー選手権)のホモロゲーションモデルとして開発された車両。

トヨタが展開するGRブランドの2つ目の専売モデル(1つ目はGRスープラ)であり、トヨタが独自で開発した初めてのGRブランドモデル(GRスープラはBMWとの共同開発)である。

排気量は1600ccの3気筒ターボエンジンが搭載され、272馬力、370Nmを発揮する。

価格は3つのグレードの下記の通り。

  • RZハイパフォーマンス:456万円
  • RZ:396万円
  • RS:265万円(1.5L NA)

アバルト595コンペティツィオーネとGRヤリスの比較

アバルト595ボディサイズ:全長 3,660 mm x 全幅 1,625 mm x 全高 1,505 mm
GRヤリス  ボディサイズ:全長 3,995 mm x 全幅 1,805 mm x 全高 1,455 mm

アバルトに比較して全長で+335mm、全幅で+180mm、全高で▲50mmと全高以外はGRヤリスの方が少しボディが大きいことが分かります。

これはGRヤリスのオーバーフェンダー部分の大きさが影響していることと、元々のアバルトのボディが小さいことが原因ですね。

アバルトに比べるとGRヤリスの方が若干取り回しに苦労するようにも思いますが、最小回転半径は圧倒的にアバルトの方が大きいので、結局はGRヤリスの方が小回りは効くのだと思います。

アバルト595馬力&トルク:180馬力&250Nm
GRヤリス  馬力&トルク:272馬力&370Nm

動力性能においては、圧倒的にGRヤリスの方がパフォーマンスが高いですね。

車両重量はGRヤリスが約1.3tでアバルト595が1.1tですから約200kgの差がありますので、コーナリングでは良い勝負が出来るのかもしれません。

しかし、WRCや国内ラリーのベース車両として開発されているGRヤリスの方が、コーナリング性能も車重に関係なくきれいに曲がれる車に仕上がっている可能性も高いです。

アバルト595コンペティツィオーネからGRヤリスへ乗り換えるのは「有り」なのか?

GRヤリスのハイパフォーマンスは車両価格が450万円超とアバルト595コンペティツィオーネよりも約50万超高くなりますが、装備があまり変わらないRZならほぼ同価格帯になります。

動力性能的には圧倒的にGRヤリスの方が性能が高いので小型のハイパフォーマンスモデルという点では、アバルト595よりもGRヤリスの方が楽しめるモデルだと思います。

ただし、アバルト595コンペティツィオーネの魅力は、数字では表せない楽しさがある車であることは間違いがないので、動力性能などの数値だけで考えるのは難しいと思います。

よって、走りに特化するドライバーであれば恐らくGRヤリスに乗り換えるのは非常に有り(数字上のスペックが圧倒的なため)だと思います。

しかし、アバルト595の操作感、雰囲気(あの車として未完成を感じる部分)を重視する方は最新のGRヤリスではマシン感が強すぎるので乗り換えには向かないかもしれません。

それにしても、各紙面のレビューを見る限りではトヨタが本気で作ったスポーツカーとして高い評価がされているGRヤリスには一度乗ってみる価値がある車であることは間違いが無さそうです。