2022年型BMW M4 Competition xDrive(G82)を切断し、ピックアップへ作り替えた「M4 Maloo」。2022年のSEMAで公開された後も改良が続き、2026年にはBring a Trailerで落札されました。新車のM4をベースに、ボディからエンジン、足回りまで手を入れた実走可能なカスタムカーです。ここでは、誕生の理由から製作、最終スペック、売却までを時系列で整理します。
- ✅BMW M4 G82の新車をピックアップ化
- ✅約6週間で製作、S58や足回りもカスタム
- ✅新車価格を上回る9万3,000ドルで落札され販売
BMW M4 G82をピックアップにした「M4 Maloo」とは?
M4 Maloo、またはM4LOOと呼ばれるこの車のベースは、2022年型BMW M4 Competition xDriveです。ロサンゼルスのDinMannが、2ドアクーペのG82 M4をピックアップ、いわゆる「Ute」(乗用車をベースに荷台を備えたオーストラリア独特のピックアップの呼び方)へ作り替えました。
後席とボディ後半を大幅に変更して荷台を新設したG82ベース初のピックアップとして、2022年11月のSEMAで公開。BMWの市販モデルではなく、1台だけのワンオフカーです。
なぜ新車のBMW M4を切った?M4 Malooが誕生した理由
当初は先代F82 M4を使う計画だった
DinMannが最初に考えていたのは、先代F82 M4をベースにする計画でした。しかし、中古のF82を切断すると、事故車やサルベージ車を利用したプロジェクトだと思われる可能性があることを懸念します。
そこで2022年4月に新車のG82 M4を購入。M4 Malooは事故車の再利用ではなく、最初からピックアップへ改造する目的で正常なM4 Competition xDriveを用意したプロジェクトです。
SEMAでカーボンパーツを披露するために製作
製作の目的には、SEMAでDinMannが手掛けるカーボンファイバーパーツを披露することがありました。通常のM4にパーツを装着するだけでなく、車そのものをピックアップへ変えています。
「Maloo」という名称は、オーストラリアの高性能Ute、Holden Special Vehicles Malooに由来します。
わずか6週間でM4 G82をピックアップへカスタム
クーペのキャビンを短縮して荷台を新設
G82 M4の後席スペースとルーフ後部を取り除いてキャビンを短縮し、その後ろに専用のカーゴベッドを製作しています。純正カーボンルーフも加工され、荷台下にはチューブ状のスチールフレームを追加。Cピラー周辺も補強され、カーボンファイバーを使ったテールゲートが組み込まれました。
SEMA出展時はまだ完成途中だった
大掛かりな加工にもかかわらず、SEMA出展までの製作期間は約6週間でした。2022年の展示時点では、一部のバッジやデカールがショー前夜に取り付けられ、Bピラー付近などには未完成の部分も残っていました。
当時はSTEKの「DYNOchrome」と呼ばれるクローム調のブルーPPFでラッピングされ、現在のブルックリン・グレーとは印象が異なります。SEMA仕様は最終完成形ではなく、その後も改良が続きました。
SEMA出展後も進化したM4 Malooの最終スペック
出典:Instagram @dinmanncfより
S58にはPure Turbos Stage 2を装着
2026年の売却時には、3.0リッター直列6気筒ツインターボのS58にPure Turbos Stage 2ターボ、Wagner Tuning製カーボンインテークマニホールド、E85対応bootmod ECUチューニング、GTHaus Meisterschaft製バルブ付きエキゾーストを装着していました。
8速ATとxDriveの4WD、M Sportリミテッドスリップデフは維持。ノーマルより出力が高い仕様ですが、M4 Malooそのものの最高出力や実測値は公開されていません。
ボディと足回りもカーボン中心に変更
外装にはカーボン製フロントリップ、グリル、フェンダー、サイドスカート、リアディフューザーなどを装着。ASTローダウンスプリング、フロント19インチ/リア20インチのM Performance鍛造ホイール、Mコンパウンドブレーキを組み合わせています。
室内にはフィオナレッド/ブラックのMカーボンバケットシートを残し、ステアリングやコンソールにもカーボンパーツを追加。ブルーラッピングは後に剥がされ、本来のブルックリン・グレー・メタリックで販売されました。
14万5,000ドルで販売開始、最終的には9万3,000ドルで落札
2026年3月に14万5,000ドルで売り出される
SEMAから約3年半後の2026年3月、完成形となったM4 Malooは14万5,000ドル、応相談の条件で売りに出されました。通常の中古M4 Competitionを大きく上回る希望価格です。
Bring a Trailerでは9万3,000ドルで落札
その後Bring a Trailerへ出品され、2026年8月3日に63件の入札を経て9万3,000ドルで落札されました。走行距離は約8,000マイル。3月の希望価格との差は5万2,000ドルです。
それでも落札額は、米国での2026年型M4 Competition xDriveの新車価格9万1,700ドルを1,300ドル上回ります。私は、この結果はワンオフカスタムでは製作費や希少性だけで価格が決まるわけではない一方、新車のM4 Competition xDriveを超える金額を支払う買い手がいたことを示す事例だと考えます。
ただし、製作者がなぜM4 Malooを手放したのか、具体的な売却理由は公表されていません。
M4 Malooは「ショーカー」で終わらなかった
M4 Malooは、2022年4月に新車のG82 M4を購入したところから始まり、約6週間でピックアップ化されてSEMAに登場しました。その時点では未完成でしたが、その後もエンジン、ボディ、足回りを改良。約8,000マイルを走行し、2026年には中古車として売買されています。
新車のM4 Competition xDriveを切断するところから、SEMA出展、完成、走行、そしてオークションでの売却まで約4年間続いたカスタムプロジェクトだったことが、M4 Malooの特徴です。
Reference:carbuzz.com / autoblog.com
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW M4 Malooとはどのような車ですか?
M4 Malooは、2022年型BMW M4 Competition xDrive(G82)をベースにDinMannが製作したワンオフのピックアップです。後席やルーフ後部を取り除いて荷台を新設し、2022年のSEMAで公開されました。
Q2. なぜ新車のBMW M4 G82をピックアップにカスタムしたのですか?
当初は先代F82 M4を使う計画でしたが、事故車やサルベージ車を利用したカスタムだと思われることを避けるため、新車のG82 M4が用意されました。SEMAでDinMannのカーボンパーツを披露する目的もありました。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
Q3. M4 Malooの「Ute」とは何ですか?
Ute(ユート)はUtilityを語源とする呼び方で、主にオーストラリアなどで乗用車ベースのピックアップを指します。M4 Malooの名称も、オーストラリアの高性能Ute「HSV Maloo」に由来します。
Q4. M4 Malooのエンジンスペックはどのくらいですか?
S58型3.0L直列6気筒ツインターボにPure Turbos Stage 2ターボ、Wagner Tuning製カーボンインテークマニホールド、E85対応ECUチューニング、GTHaus製エキゾーストなどを装着しています。ただし、M4 Malooの最高出力や実測値は公表されていません。
Q5. M4 Malooはいくらで売却されたのですか?
2026年3月に14万5,000ドルで売りに出され、その後Bring a Trailerのオークションで同年8月3日に9万3,000ドルで落札されました。製作者が売却を決めた具体的な理由は公表されていません。



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