BMW Digital Key Plusは、iPhoneをポケットやバッグに入れたままBMWに近づくだけでドアを解錠し、車両から離れると自動で施錠できる便利な機能です。一方で、利用環境によっては、この自動ロック・自動解除がかえって使いにくく感じることがあります。
たとえば、夫婦それぞれのiPhoneにDigital Key Plusを登録している場合や、自宅の駐車スペースの近くをiPhoneを持って行き来する場合です。普段は物理キーを使い、iPhoneのデジタルキーは緊急用として残しておきたい人にとっても、自動反応は必ずしも必要ではありません。
そこで利用できるのが、iPhoneのApple Walletにある「パッシブエントリー」の設定です。パッシブエントリーをOFFにすれば、Digital Keyを削除することなく、iPhoneを持って車へ近づいたり離れたりした際の自動的なロック・アンロックを止められます。
この記事では、BMWとMINIのDigital Key Plusで実際に確認された動作をもとに、設定方法とOFFにした後の使い方を整理します。車種、装備、iPhone、OSや車両ソフトウェアの状態によって表示や利用できる機能が異なる場合があります。
- ✅Digital Key PlusはiPhone単位で自動反応を停止可能
- ✅パッシブエントリーOFFでもDigital Keyは残る
- ✅全キーの自動ロック停止はBMW車両設定で行う
Digital Key Plusで勝手にロック・アンロックされる問題
Digital Key Plusの大きな特徴は、対応するiPhoneを携帯した状態で車両に近づくと、端末を取り出さなくても車両がデジタルキーを認識できることです。ドアの解錠だけでなく、車内ではiPhoneをポケットに入れたまま始動でき、車両から離れれば自動で施錠できます。
夫婦それぞれがiPhoneを登録している場合
Digital Keyは家族など複数のユーザーで共有できます。そのため、夫婦それぞれのiPhoneを車両キーとして使うこともできます。
ただし、複数のデジタルキーが同時に車両の近くにある使い方では、一方のユーザーがiPhoneを持って車両から離れるなど、意図しないタイミングで施錠動作が起きることがあります。複数人で利用するほど、「誰のiPhoneを近接キーとして反応させるか」が使い勝手に影響してきます。
自宅駐車場の近くをiPhoneを持って歩く場合
自宅の庭や玄関のすぐ近くにBMWを駐車している場合も同様です。iPhoneを持ったまま車両へ近づいたり離れたりすると、乗車するつもりがなくてもDigital Key Plusが反応する場合があります。
洗車や庭仕事、荷物の出し入れなどで車の周囲を移動するたびに解錠・施錠が行われるのであれば、便利な自動認識が逆にわずらわしくなります。
物理キーをメインに使いたい場合
もう一つ考えられるのが、普段はBMWの物理キーを使い、iPhoneは予備キーとして持っておきたいケースです。
Digital Key Plusを登録している限り、iPhoneも近接キーとして機能します。物理キーを優先して使いたくても、iPhone側のDigital Key Plusが有効なら、車両の近くではiPhoneもキーとして認識されます。
このような使い方では、Digital Keyそのものを削除するのではなく、iPhoneの近接動作だけを止める方法が便利です。
iPhoneの「パッシブエントリー」をOFFにする
Digital Key Plusによる自動ロック・自動解除を止めたい場合は、車両側のコンフォートアクセス設定ではなく、iPhone側のApple WalletでパッシブエントリーをOFFにします。
Apple Walletから設定する手順
- iPhoneでApple Walletを開きます。
- 登録しているBMWまたはMINIのデジタルキーを選択します。
- 右上「i」をタップし、デジタルキーの詳細画面を開きます。
- 「パッシブエントリー」の項目をOFFにします。
設定後もApple WalletからDigital Keyが消えるわけではありません。変わるのは、iPhoneを携帯しているだけで車両が自動的に反応する近接機能です。
車両側で「接近時にロック解除」「離れるとロック」といった設定を利用していても、パッシブエントリーをOFFにしたiPhoneは、近づいたり離れたりするだけではDigital Key Plusとして自動反応しなくなります。
パッシブエントリーをOFFにするとどう変わるのか
パッシブエントリーをOFFにした後は、Digital Key Plusの利便性の中心となる「iPhoneを持っているだけで操作できる」という部分が停止します。
近づいても自動解錠しなくなる
パッシブエントリーが有効な状態では、対応車両へiPhoneを持って近づくと自動的に解錠できます。OFFにした状態では、iPhoneをポケットに入れたまま近づいても自動解錠しません。
車両の近くを通っただけでドアが開くことを避けたい場合には、この違いが大きなメリットになります。
離れてもiPhoneによる自動施錠が行われない
同様に、パッシブエントリーをOFFにしたiPhoneを持って車両から離れても、その端末の近接検知による自動施錠は行われなくなります。
家族が別々のiPhoneをデジタルキーとして使っている場合や、駐車中の車の周囲を頻繁に移動する場合に、自動ロックを避ける使い方ができます。
Digital Key自体は残る
パッシブエントリーをOFFにしてもDigital Keyそのものを削除しているわけではありません。必要になったときには、iPhoneを車両のリーダーへ近づけて解錠や始動に利用できます。
つまり、「iPhoneを車のキーとして使えなくする」のではなく、「iPhoneを持っているだけで自動的に反応する機能を止める」という設定です。
Digital Key Plusが通常のDigital Keyに近い動作になる
パッシブエントリーをOFFにすると、使い方は通常のBMW Digital Keyに近くなります。Digital Key PlusではUWBなどを利用して車両が端末との距離を認識しますが、近接機能を使わない状態では、iPhoneを車両の所定位置へ近づけて操作します。
iPhoneをドア部分にかざして解錠する
ドアを開けるときは、iPhoneを車両のドアハンドル付近にあるリーダーへ近づけます。パッシブエントリーをOFFにした状態では、ドアハンドルに触れるだけではなく、iPhoneをリーダーへかざす操作が必要になります。
iPhoneの設定によってはFace IDなどによる認証が求められる場合があります。画面に表示される案内に従って認証し、再度リーダーへ近づければ解錠できます。
始動時はiPhoneを車内のリーダーへ置く
エンジンまたは車両を始動するときも、Digital Key PlusのようにiPhoneをポケットへ入れたままという使い方ではなく、iPhoneを車内のスマートフォントレーなど、デジタルキーを読み取る位置へ置きます。
認証が必要な設定ではFace IDなどで認証したうえで、車両のスタート操作を行います。
物理キーとDigital Keyを併用したい人に便利
この設定が特に使いやすいのは、物理キーをメインにしながらDigital Keyも残しておきたい人です。
普段は物理キーによるコンフォートアクセスを利用し、iPhone側だけパッシブエントリーをOFFにしておけば、日常の解錠・施錠は物理キーに任せられます。一方で、物理キーを持たずに外出してしまった場合や、手元にキーがない場合には、iPhoneをDigital Keyとして利用できます。
私なら、普段から物理キーを使うのであれば、iPhoneのDigital Keyを削除するより、この使い分けの方が合理的だと考えます。Digital Keyを予備として残しながら、自動ロック・自動解除だけを止められるからです。
すべてのキーで自動ロック・自動解除を止めるなら車両側で設定する
iPhoneのApple WalletでパッシブエントリーをOFFにする方法は、そのiPhoneだけを自動ロック・自動解除の対象から外したい場合に便利です。
一方、Digital Key Plusを登録したすべてのiPhoneだけでなく、物理キーを持っている場合も含めて、車両へ近づいたときの自動解錠や離れたときの自動施錠を使わないのであれば、BMWの車両側で設定を変更できます。
車両の「ドア/車両アクセス」などの設定から、「接近時にロック解除」「離れるとロック」といった機能をOFFにすれば、車両側の自動ロック・自動解除そのものを停止できます。設定項目の名称や場所はBMWの車種やiDriveによって異なります。
1台のiPhoneだけ止めるか、車両全体で止めるかが違う
つまり、今回紹介したApple WalletのパッシブエントリーOFFと、BMWの車両設定には役割の違いがあります。
- 特定のiPhoneだけ自動反応させたくない場合:Apple WalletでパッシブエントリーをOFF
- 物理キーやDigital Key Plusを含めて自動ロック・自動解除を使わない場合:BMWの車両設定でOFF
家族で複数のDigital Key Plusを使っていて、特定のiPhoneだけ自動反応を止めたいのであれば、車両側の設定を変更するよりもApple Walletのパッシブエントリーを個別にOFFにする方法が適しています。
まとめ:特定のiPhoneだけ自動ロックを無効にできる
BMW Digital Key Plusの自動ロック・自動解除が使い方に合わない場合は、iPhoneのApple Walletで「パッシブエントリー」をOFFにすることで対応できます。
パッシブエントリーをOFFにすると、車両へ近づいただけで自動解錠したり、離れただけで自動施錠したりする近接機能は使わなくなります。一方で、Digital Key自体はiPhoneに残るため、ドアハンドル付近へiPhoneをかざして解錠し、車内のリーダーへ置いて始動する使い方ができます。
物理キーを普段使いしながらiPhoneを予備キーとして残したい場合や、家族で複数のiPhoneへDigital Keyを登録している場合には、使い勝手を改善できる設定です。
Reference:BMW・MINI デジタルキープラスをデジタルキーにする方法
よくある質問(FAQ)
Q1. パッシブエントリーをOFFにするとDigital Keyは使えなくなりますか?
いいえ。パッシブエントリーをOFFにしても、iPhoneに登録したDigital Key自体は削除されません。iPhoneを持って車両に近づいたときの自動解錠や、離れたときの自動ロックが停止するだけです。必要なときはiPhoneを車両のリーダーにかざして解錠し、車内の所定位置に置いて始動できます。
Q2. 特定のiPhoneだけパッシブエントリーをOFFにできますか?
はい。Apple Walletのパッシブエントリー設定はiPhoneごとに変更できます。たとえば、自分のiPhoneではDigital Key Plusの自動解錠・自動ロックを使い、家族のiPhoneだけパッシブエントリーをOFFにするといった使い分けができます。
Q3. すべてのiPhoneと物理キーで自動ロック・自動解錠を止めるにはどうすればよいですか?
すべてのキーで自動ロック・自動解錠を使わない場合は、BMWの車両側で「接近時にロック解除」「離れるとロック」などの設定をOFFにします。車種やBMW Operating Systemによって設定項目の名称や場所は異なる場合があります。
Q4. パッシブエントリーをOFFにしたiPhoneではどうやって解錠・始動しますか?
ドアを解錠するときは、iPhoneをドアハンドル付近のリーダーにかざします。始動時はiPhoneを車内のNFCリーダーやスマートフォントレーなど所定の位置に置いて操作します。iPhoneの設定によってはFace IDなどによる認証が必要になる場合があります。
Q5. MINIのDigital Key Plusでも同じ方法を使えますか?
BMWだけでなく、Digital Key Plusに対応するMINIでもApple WalletのパッシブエントリーをOFFにする方法が確認されています。ただし、対応機能や画面表示は車種、装備、iPhone、OS、車両ソフトウェアによって異なる場合があります。


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