MINIクーパーのパフォーマンスモデル「JCW(ジョン・クーパー・ワークス)」シリーズに、待望の新型「F66 MINIクーパー JCW」と「F67 MINIクーパー JCW カブリオレ」が登場しました。
これらの新モデルは、ガソリン車としての最後のJCWとして位置づけられており、パフォーマンスの向上や最新技術の搭載、デザインの刷新など、多くの改良が施されています。
JCW F66とJCW F67の主要なパフォーマンス改善点
新型F66とF67は、過去モデルと比較して大幅なトルクの向上を実現しています。
231馬力という出力は変わりませんが、トルクは280 lb-ft(約380Nm)に増加し、これは従来のF56 JCWよりも約16%増加しています。
このトルクの向上により、0-100 km/hの加速時間は6.1秒(0-60 mphでは5.9秒)となり、よりダイナミックな走行が可能です。
B48エンジンによるパワーとトルク
JCW F66とF67には、BMWグループのB48エンジン(B48A20O2)が搭載されています。
このエンジンは、従来の231馬力を維持しながら、低速域から高トルクを発生させる特徴があり、特に街乗りや高速道路での加速性能が向上しています。
1,500 rpmで280 lb-ft(約380Nm)のトルクが発生し、滑らかな加速感が魅力です。
燃料車として最後のMINI JCW
新型JCWは、MINIのガソリン車としての最後の世代とされており、ブランドの将来の電動化方針に沿った形での位置づけです。
今後は、MINI全体が電動モデルへ移行する計画が進んでおり、燃料エンジンを搭載したパフォーマンスモデルのJCWはこれが最終形になる可能性があります。
トランスミッションと操作性の向上
新型JCWは、7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)を採用しており、従来の6速マニュアルに比べてシフトチェンジが高速化しました。
これにより、ドライバーはパドルシフトで迅速なギア変更が可能になり、スポーツ走行時にも高い応答性を発揮します。
電動化JCWとガソリン車JCWの比較
F66 JCWと同時に発表された電動版J01 JCWとの比較では、エンジン出力でJ01 JCWが252馬力と上回りますが、F66 JCWの方が軽量で、バッテリー重量がないために加速性や旋回性能に優れています。
また、燃料エンジンならではの運転感覚もF66の強みです。
車体デザインと外観の変化
新しいJCWモデルでは、シングルエグゾーストが初採用され、デザインがシンプルかつ軽量化されています。
また、フロントの赤いアクセントやブレーキキャリパーがJCWならではのスポーティな印象を強調しています。
JCW専用のカラーバリエーションとデザイン要素
F66とF67には、新色「Copper Grey」など、11種類のカラーバリエーションが用意されています。
また、ルーフやミラーキャップはChili RedとJet Blackのオプションも選べます。
かつてJCW専用だったRebel Greenは今回のラインナップには含まれていません。
新型MINIクーパー JCW F66およびMINIクーパー JCW カブリオレ F67の外装色オプション
外装色(英語) | 外装色(日本語) | 備考 |
---|---|---|
Chili Red | チリ・レッド | ルーフとミラーキャップにも選択可能 |
Jet Black | ジェット・ブラック | ルーフとミラーキャップにも選択可能 |
Copper Grey | カッパー・グレー | 新色、クールなグレートーンにサンバースト効果 |
Nanuq White | ナヌーク・ホワイト | 鮮やかなホワイト |
Enigmatic Black | エニグマティック・ブラック | 高級感のあるブラック |
Island Blue | アイランド・ブルー | 爽やかなブルートーン |
British Racing Green IV | ブリティッシュ・レーシング・グリーン IV | 伝統的なグリーン |
Melting Silver | メルティング・シルバー | シルバーメタリック |
Rooftop Grey | ルーフトップ・グレー | 都会的なグレートーン |
Zesty Yellow | ゼスティ・イエロー | ビビッドなイエロー |
Volcanic Orange | ボルカニック・オレンジ | 個性的なオレンジ |
Midnight Blue | ミッドナイト・ブルー | 深みのあるブルー |
インテリアとテクノロジーのアップグレード
新型MINIのインテリアには、Vescin合成レザーのスポーツシートや赤のステッチ、JCW専用のスポーツステアリングホイールが装備されています。
さらに、240 mmのOLEDディスプレイやMINI OS9システムにより、先進的な操作感と利便性が提供されています。
JCW F66とF67のサイズと重量の詳細
新型JCWは、F66で3,097 lbs(1,405 kg)、F67で3,307 lbs(1,500 kg)と、前世代よりも若干重量が増加しています。
全長は約3,879 mmと若干長くなり、トレッド幅も広がり安定感が向上しました。
F66とF67のトラックサイズと安定性
F66およびF67は前世代に比べてトレッド幅が広がっており、コーナリング時の安定性とグリップ力が向上しています。
この改良により、ニュルブルクリンクでのタイムも従来モデルより大幅に短縮されています。
運転支援システムと安全性の強化
最新の運転支援技術も搭載されており、12個の超音波センサーや4つのカメラによる360度の車両周囲の監視が可能です。
アダプティブクルーズコントロールやレーンキーピングアシストなども装備し、より安全なドライブが可能です。
生産と販売スケジュール
F66およびF67の生産は英国オックスフォード工場で行われ、販売は英国およびEUで年内、北米で来年初頭に開始される予定です。
価格については近日中に発表が見込まれています。
JCWの新しいシングルエグゾーストの利点
新型JCWでは、従来のデュアルエグゾーストからシングルエグゾーストへとデザインが変更されました。
これにより、軽量化とともに効率が向上し、レースカーに近い構造が実現されています。
新型MINIクーパー JCW F66 / F67のまとめ
MINIクーパー JCW F66およびF67は、ガソリン車としての最後のJCWモデルであり、強化されたパフォーマンスや最新のテクノロジーが魅力です。
これらのモデルはMINIファンにとって必見の一台であり、今後のMINIブランドの方向性を示す重要な位置づけでもあります。
ぜひ、ガソリン車を搭載した最後のJCWを体験してみてください。
新型MINIクーパー JCW F66およびMINIクーパー JCW カブリオレ F67の主な仕様
項目 | MINIクーパー JCW F66 (ハードトップ) | MINIクーパー JCW カブリオレ F67 (コンバーチブル) |
---|---|---|
エンジン | B48 2.0L 4気筒ターボ (B48A20O2) | B48 2.0L 4気筒ターボ (B48A20O2) |
最高出力 | 231 hp | 231 hp |
最大トルク | 280 lb-ft @ 1,500 rpm | 280 lb-ft @ 1,500 rpm |
トランスミッション | 7速デュアルクラッチトランスミッション (DCT) | 7速デュアルクラッチトランスミッション (DCT) |
0-100 km/h 加速 | 6.1秒 | 6.4秒 |
最高速度 | 155 mph (約250 km/h) | 152 mph (約244 km/h) |
全長 | 3,879 mm | 3,879 mm |
全幅(トラック) | 1,499 mm | 1,499 mm |
全高 | 1,431 mm | 1,431 mm |
ホイールベース | 2,495 mm | 2,495 mm |
車両重量 | 1,405 kg(3,097 lbs) | 1,500 kg(3,307 lbs) |
タイヤサイズ | 215/45 R17 91 Y XL(標準) | 215/45 R17 91 Y XL(標準) |
ホイールサイズ | 7Jx17 LM(標準) | 7Jx17 LM(標準) |
エグゾースト | シングルエグゾースト | シングルエグゾースト |
外装色オプション | 11色(Chili Red, Jet Blackオプション含む) | 12色(Copper Grey新色を含む) |
シート素材 | Vescin合成レザー、赤ステッチ | Vescin合成レザー、赤ステッチ |
オーディオ | Harman Kardonサウンドシステム | Harman Kardonサウンドシステム |
ディスプレイ | 240 mm OLED、MINI OS9システム | 240 mm OLED、MINI OS9システム |
生産地 | イギリス・オックスフォード工場 | イギリス・オックスフォード工場 |
販売開始予定 | UK/EUで2024年11月、北米は2025年初頭 | UK/EUで2024年11月、北米は2025年初頭 |
MINIクーパー JCW F66 写真一覧
★写真をクリックで拡大表示できます。★
MINIクーパー JCW カブリオレ F67 写真一覧
★写真をクリックで拡大表示できます。★