オープンカーの屋根を開けて走ると、燃費は悪くなるのでしょうか。結論からいえば、一般的には屋根を閉じた状態より燃費が悪化する傾向があります。理由はエンジンそのものではなく、主に空気抵抗です。実際に同じオープンカーで屋根の開閉による燃費を比較したテストでは、10%を超える差が出た例もあります。ただし、どの車でも同じ割合で悪化するわけではありません。実測データをもとに、屋根の開閉と燃費の関係を整理します。
- ✅️オープンカーは屋根を開けると燃費が悪化する
- ✅️SLK350は約14%、MINIは約13%燃費低下
- ✅️高速ほど空気抵抗が増え燃費差が大きくなる
オープンカーは屋根を開けると本当に燃費が悪化するのか
オープンカーは屋根を閉じた状態では、フロントガラスからルーフ、車体後方へ空気を流しやすい形になります。一方で屋根を開けると、走行風がキャビンへ入り込み、シート周辺やフロントガラス後方で乱流が発生します。
この乱流によって空気抵抗が増えるため、同じ速度を維持するにもより多くのエネルギーが必要になります。その結果として、ガソリン車では燃料消費量が増え、燃費が低下する可能性があります。
したがって「屋根を開けると燃費が悪化する」という考え方そのものには、空力上の根拠があります。
屋根の開閉で燃費はどれだけ変わる?実測データを比較
メルセデス・ベンツSLK350では約14%低下
2012年式メルセデス・ベンツSLK350を使った高速道路での比較では、屋根を閉じた状態で31.7mpg、開けた状態では27.3mpgという結果が記録されています。
日本で馴染みのあるkm/Lへ換算すると、約13.5km/Lから約11.6km/Lへの低下です。差は4.4mpgで、燃費は約14%悪化した計算になります。
MINI Cooper S Convertibleでも約13%低下
2016年式MINI Cooper S Convertibleを使った別の実走テストでは、屋根を閉じた状態が37.9mpg、開けた状態が32.8mpgでした。km/L換算では約16.1km/Lから約13.9km/Lとなり、こちらも約13%の低下です。
| 車種 | 屋根を閉じた状態 | 屋根を開けた状態 | 低下率 |
|---|---|---|---|
| Mercedes-Benz SLK350 | 31.7mpg | 27.3mpg | 約14% |
| MINI Cooper S Convertible | 37.9mpg | 32.8mpg | 約13% |
異なる2台で近い結果が出ているのは興味深いところですが、この数字だけを使って「オープンカーは屋根を開けると必ず13〜14%燃費が悪化する」とは言えません。燃費には速度や道路状況、気温、風、タイヤ、運転方法なども影響するためです。
なぜ屋根を開けると燃費が悪化するのか
ルーフがなくなるとキャビンで乱流が発生する
屋根を閉じた車では、ボディ表面に沿って空気を後方へ流すことができます。ところがオープン状態では、フロントガラスを越えた空気の一部がキャビンへ入り込み、車内や車体後方に複雑な流れを作ります。
ウインドディフレクターなどは乗員への風の巻き込みを抑えるだけでなく、こうした乱流を抑える役割もあります。しかし、屋根を閉じた状態とまったく同じ空力特性にすることはできません。
燃費を左右するのは屋根だけではない
実際の燃費は空気抵抗だけで決まるものではありません。加減速の回数、アクセル操作、タイヤの空気圧、積載量、エアコンの使用、気温や風向きなどでも変化します。そのため屋根の開閉による差を比較するには、できるだけ同じ条件で走行する必要があります。
オープン走行の燃費悪化は高速になるほど大きくなる
屋根を開けたことによる燃費への影響は、低速走行より高速走行で表れやすくなります。空気抵抗は速度が上がるほど急激に増えるためです。
市街地では発進や停止、加減速による燃料消費の割合が大きく、屋根を開けたことによる空力の差が燃費全体に埋もれることがあります。一方、高速道路では一定速度で走る時間が長くなり、走行抵抗の中で空気抵抗の影響が大きくなります。
つまり、近距離を低速で走ったときには差を感じなくても、高速道路を長時間オープンで巡航すると燃費差が現れやすいということです。
実測値に差がある理由、燃費悪化を「○%」と断定できない
SLK350とMINI Cooper S Convertibleでは約13〜14%の燃費低下が確認されていますが、これは特定の車両と走行条件で得られた数字です。
ロードスターのような小型2シーターと、4人乗りの大型カブリオレではキャビンの大きさも車体形状も異なります。フロントガラスの角度、シート位置、ウインドディフレクターの有無などによっても、オープン時の空気の流れは変化します。
さらに同じ車でも、街中を40km/h程度で走る場合と高速道路を100km/h前後で巡航する場合では、空気抵抗が燃費に与える影響は同じではありません。実測例は参考になりますが、すべてのオープンカーに同じ低下率を当てはめることはできません。
燃費は悪化しても屋根を開けて走るのがオープンカー
燃費だけを基準に考えれば、特に高速道路では屋根を閉じて走る方が合理的です。空力的に有利になり、燃料消費を抑えやすくなります。
一方で、オープンカーという車が存在する理由は燃費性能だけではありません。屋根を開けることで得られる開放感や、外の空気を直接感じながら走れること自体が、このカテゴリーの大きな価値です。
実測では10%を超える燃費差が出た例があります。それを理解したうえで、燃費を優先する場面では屋根を閉じ、オープン走行を楽しみたい場面では屋根を開ける。私は、その使い分けまで含めてオープンカーの楽しさだと考えます。
Reference:autosgrind.com
よくある質問(FAQ)
Q1. オープンカーは屋根を開けると燃費が悪化しますか?
一般的には、屋根を閉じた状態より燃費が悪化する傾向があります。屋根を開けることでキャビン内に乱流が発生し、空気抵抗が増えることが主な理由です。
Q2. 屋根を開けると燃費はどれくらい悪化しますか?
実走テストでは、メルセデス・ベンツSLK350で約14%、MINI Cooper S Convertibleで約13%燃費が低下した例があります。ただし、すべてのオープンカーで同じ割合になるわけではありません。
Q3. なぜオープンカーは屋根を開けると燃費が悪くなるのですか?
屋根を開けると走行風がキャビンへ入り込み、フロントガラス後方や車内で乱流が発生します。これによって空気抵抗が増え、同じ速度を維持するために必要なエネルギーも増えるためです。
Q4. オープン走行の燃費悪化は高速道路ほど大きくなりますか?
高速になるほど空気抵抗の影響が大きくなるため、低速の市街地走行より高速道路で燃費差が表れやすくなります。一定速度で長時間巡航する場合は、屋根の開閉による空力差の影響も受けやすくなります。
Q5. オープンカーは燃費を考えるなら屋根を閉じて走るべきですか?
燃費だけを優先するなら、特に高速道路では屋根を閉じた方が有利です。ただし、オープンカーは屋根を開けて走れること自体が大きな特徴です。燃費への影響を理解したうえで、走行状況に応じて開閉を使い分ける方法があります。





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