BMWが2025年11月に発売を予定している新型EV「iX3 NA5」は、テスラ・モデルYを真っ向から意識した1台です。
新たな「ノイエクラッセ」プラットフォームを採用し、航続距離や充電性能、環境性能すべてにおいて大幅な進化を遂げたBMWの最新戦略車。
この記事では、その詳細と背景をわかりやすく解説します。
- 航続距離800km超:第6世代バッテリーにより、最大約800kmの走行が可能になりました。
- 急速充電は400kW:10分で約300km分を充電可能な超高速充電に対応しています。
- 環境に優しいEV:リサイクル素材の活用やCO₂排出削減を重視した製造が行われています。
BMW iX3 NA5とは?

BMW iX3 NA5は、BMWが新たに展開する「ノイエクラッセ(Neue Klasse)」プラットフォームを採用した最初のSUVタイプの電気自動車です。
コードナンバーの「NA5」はこのモデル専用のコードネームであり、従来のiX3(G08型)の後継にあたります。
今回の新型では、見た目のデザインだけでなく、プラットフォームからモーター、バッテリー、ソフトウェアに至るまで全面刷新されており、BMWの今後のEV戦略を象徴するモデルといえるでしょう。
また、サイズ感は従来のG08型とほぼ同等とされ、ミッドサイズSUVとして日常使いにも適した車格に仕上がっています。
BMWはこのiX3 NA5を起点に、今後数年で40車種以上のノイエクラッセ車を展開する計画を掲げています。
発売はいつ?価格帯は?

BMW iX3 NA5の市場投入は2025年11月に予定されています。
まずはハンガリーの新工場「デブレツェン工場」での生産が開始され、欧州市場を皮切りに段階的にグローバル展開される見込みです。
なお、日本市場での正式発表や価格はまだ明らかにされていません。
ただし、競合となるテスラ モデルYやメルセデス・ベンツEQC、アウディQ4 e-tronといったミッドサイズEV SUVの価格帯から推察すると、欧州価格でおおよそ5万〜6万ユーロ(日本円で約850万〜1000万円前後)になると予想されます。
また、BMWはグローバル戦略の一環として、iX3 NA5を北米・中国・メキシコなどでも生産する予定で、コスト面での競争力も意識したモデル展開を進めています。
航続距離と充電性能でテスラ超え

最大約800kmの航続距離で日常も長距離もカバー
新型iX3 NA5の最大の特徴の一つが、最大約497マイル(約800km)という航続距離です(欧州WLTPモード)。
この数値は、テスラ・モデルYの最長グレードである「ロングレンジ(約533km)」を大きく上回る性能であり、BMWがEVの中でも航続性能に本気で取り組んでいる証拠です。
この長距離性能は、第6世代(Gen6)高電圧バッテリーの採用によって実現されています。
バッテリーセルには再生資源を50%使用しながらも、従来の第5世代バッテリーに比べて電力密度が向上し、軽量化にも成功しています。
最大400kWの急速充電に対応
新型iX3は最大400kWの超急速充電に対応しており、条件が整えば約10分で約300kmの充電が可能とされています。
これは長距離移動が多いドライバーにとって大きな利点であり、テスラのSuperchargerネットワークと比較しても遜色ありません。
充電ポートはCCS2規格で統一されており、ヨーロッパ・アジア・北米のインフラとも高い互換性があります。
急速充電だけでなく、通常のAC充電も対応しているため、日常使用にも適した設計となっています。
Neue Klasseがもたらす革新技術とは
「スーパーブレイン」で車両全体を制御
BMWが新開発した「ノイエクラッセ」プラットフォームでは、従来とは比較にならない計算能力を持つ「スーパーブレイン」と呼ばれる車載コンピュータが採用されています。
これにより、モーター制御、運転支援、インフォテインメント、エアコン制御などを一元管理することが可能になりました。
この新アーキテクチャはOTA(Over-the-Air)アップデートにも完全対応しており、購入後もソフトウェアの進化によって新しい機能や改善が追加されていくことが期待されています。
ノイエクラッセは「EV専用」で終わらない
ノイエクラッセはEV専用ではなく、ハイブリッド車にも対応できる柔軟性を備えています。
このため、今後の法規制や市場ニーズの変化にもスムーズに対応可能です。
さらに、サステナブル素材の活用も進められており、リサイクルPETや海洋プラスチックを内装部品に使用。
製品全体としての環境負荷の低減が図られています。
サステナビリティと環境性能の強化
BMW iX3 NA5は、環境配慮の観点でも大きな進化を遂げています。
開発段階から使用・廃棄までの全ライフサイクルで二酸化炭素排出量の削減を目指し、「ホリスティック・サステナビリティ(全体最適の環境配慮)」を掲げています。
まず製造段階では、ハンガリー・デブレツェン工場での生産が化石燃料を使用しない初のBMW車両として注目されています。
工場は再生可能エネルギーで稼働し、そのうち25%は敷地内の太陽光発電によってまかなわれています。
また、内装にはリサイクルPETや海洋プラスチックを使用したEconeerシートを採用。
使用済みの漁網やロープなどを再利用した素材により、環境負荷を軽減しています。
さらに、アルミホイールやサスペンション部品にもリサイクル素材が使われており、製品全体で高い再資源化率を実現しています。
BMWはiX3 NA5を通じて、2030年までにCO₂排出を4000万トン削減するというグループ全体の目標達成に向けた第一歩を踏み出しています。
モデルYとiX3、どちらを選ぶべきか

価格と性能の比較
テスラ・モデルYは価格の安さとOTAによる機能向上、充実した充電ネットワークが魅力です。
一方でBMW iX3 NA5は、航続距離・急速充電性能・プレミアムな質感で勝負しており、単純な価格比較では測れない付加価値があります。
走行性能とブランドの差
BMWは「駆け抜ける歓び」を掲げるブランドらしく、走行性能へのこだわりが随所に見られます。
ステアリングフィールや足回りのチューニングは欧州車ならではの安定感があり、運転そのものを楽しみたい層にマッチします。
環境意識のあるユーザーにも適した選択肢
環境性能においても、iX3 NA5は再生素材の活用やCO₂排出量削減目標に基づいた製造背景があり、「持続可能性」を重視する層にとって選ぶ理由になります。
価格重視ならモデルY、品質と環境配慮の両立を求めるならiX3 NA5が有力です。
まとめ:BMW iX3 NA5はテスラ超えを目指す本命EV
2025年11月に登場するBMW iX3 NA5は、テスラ・モデルYに真っ向から挑む戦略的EVです。
最大800kmの航続距離と400kWの急速充電性能、そして新プラットフォーム「ノイエクラッセ」による先進性は、他の競合車を一歩リードする要素です。
さらに、再生素材の活用や脱炭素製造など環境配慮にも注力しており、持続可能性を重視するユーザーにも最適な選択肢といえるでしょう。
プレミアムEV市場でのBMWの巻き返しに注目が集まります。
Reference:cbtnews.com
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW iX3 NA5の発売時期はいつですか?
BMW iX3 NA5の欧州での発売は2025年11月が予定されています。日本導入時期は未定です。
Q2. 航続距離はどのくらい走れますか?
欧州WLTPモードで最大約497マイル(約800km)走行可能とされています。
Q3. 充電時間はどれくらいかかりますか?
400kW対応の急速充電を使用すれば、約10分で約300km分の充電が可能です。
Q4. テスラ・モデルYとの違いは何ですか?
iX3は航続距離・内装品質・環境性能に優れており、プレミアム志向のEVです。
Q5. 価格はどのくらいになると予想されますか?
欧州では5万〜6万ユーロ、日本円で約850〜1000万円前後になる見込みです。
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