BMWは2027年にiX4 NA7を早期投入すると言われています。
iX3のクーペSUV版として開発されているこのモデルは、電気自動車の主戦場であるSUV市場を狙い撃ちにした一台です。
一方で私の頭から離れないのが、「それならi3セダンのクーペ版となるi4クーペ NA2も、同じように早く出してほしい」という思いです。
BMWは現在、内燃機関モデルとEVを併売しながら、車種の整理とモデル数の最適化を進めています。
その現実は理解しつつも、私はSUVクーペだけでなくセダンクーペの未来も並行して描いてほしいと感じています。
本記事では、なぜiX4 NA7が先に登場しようとしているのかを整理しながら、その裏側で私が抱えている期待と違和感を共有します。
iX4 NA7が先に出る理由

SUV市場の拡大がBMWの優先順位を決めている
iX4 NA7が優先される理由のひとつは、世界的にSUVの人気が高まっていることです。
北米や中国では、セダンよりもSUVやクロスオーバーのほうが売れ行きが良く、BMWにとってもX3やX5は販売の柱です。
そのクーペ版であるX4やX6は販売台数こそ多くありませんが、ブランドイメージを引き上げてきた重要な存在です。
この成功パターンを電動化にそのまま持ち込んだのが、iX3 NA5とiX4 NA7という関係だと私は考えています。
Neue Klasseがもたらした「作りやすさ」という強み
技術面でも、iX4 NA7の先行投入には理由があります。
Neue Klasseプラットフォームではバッテリー、モーター、制御系を統一化できるため、まずベースとなるiX3 NA5を作り、その派生としてiX4 NA7を設定することで開発効率が大幅に高まります。
ボディバリエーションの自由度も高く、SUVクーペは比較的コストを抑えて追加できるカテゴリーです。
見た目のインパクトも大きいため、ディーラー側が提案しやすい“売りやすいEV”になり得ます。
iX4だけが先行することへの私自身の違和感
ノイエクラッセがEV専用のプラットフォームであり、制御系の統一化ができることで車種の横展開が従来のICEよりも容易にできるということがわかりました。
なのであれば、2026年にも発売されるであろう3シリーズセダン G20の後継モデルであるi3セダン NA0においてもクーペ版であるi4 NA2の横展開は容易であると想像できます。
確かに市場では世界的にSUVブームであり、クーペや2ドアモデルは一部の高級車を除き苦戦しています。
しかしBMWはトヨタ同様に「全方位政策」を進めていると思いますので、一部のコアなファンが購買の中心であるクーペモデルの発売は、ブランドイメージやコアなファンの獲得、繋ぎ止めに必要な車種だと思います。
要するに、私はクーペが好きだからi4クーペ NA2も早く発売してほしいということです。
BMWの“2種類のクーペ文化”
セダンクーペとSUVクーペ、BMWが築いてきた二本の柱
BMWには長い歴史の中で、明確に異なる二つのクーペ文化が存在しています。
一つは3シリーズをベースとしたセダンクーペであり、後に4シリーズへと独立した系統です。
もう一つはSUVのクーペラインで、X3の派生モデルであるX4が代表的な存在です。
私はこの「セダンクーペ」と「SUVクーペ」の二本立てこそがBMWらしさを保つ軸だと考えています。
どちらも“クーペ”という共通点を持ちながら、走りの味わいも見せ方もまったく異なるという個性があり、この多様性がBMWブランドを支えてきました。
EV時代でセダンクーペが後回しになることへの不安
ところが電動化の急加速により、この二本柱のバランスが崩れつつあるように感じます。
iX3に対するiX4が早期投入される一方で、i3セダン NA0のクーペ版となるi4クーペ NA2については具体的なアナウンスがありません。
EV専用のNeue Klasseは横展開が容易であるにもかかわらず、SUVクーペだけが先に計画されている現状には、やや偏りを感じざるを得ません。
BMWはICEとEVの併売戦略を掲げていますが、それでも車種整理の流れの中で、販売台数の少ないクーペモデルが後回しになるのではないかという不安もあります。
BMWがクーペ文化を守るべき理由
私は、BMWの根底にある「走りのブランド」という哲学を考えれば、セダンクーペもSUVクーペも両立させることが重要だと思っています。
SUVブームの中でもクーペ好きは確実に存在し、その多くはブランドの核となるコアユーザーです。
トヨタが続ける「全方位政策」のように、BMWも広い市場に応えつつ、熱心なファンを繋ぎ止めるモデルを残すはずです。
だからこそi4クーペ NA2のようなセダンクーペは、販売台数だけでは語れない“ブランドの象徴”になると感じています。
SUVだけがEV化する未来は、BMWらしさが少し薄れてしまうのではないかという思いが私の中にはあります。
i4クーペ NA2は本当に出るのか?
レンダリングに見える“BMWが作りたいクーペ像”
i4クーペ NA2の存在を予感させる材料として、海外メディアが公開したレンダリング画像があります。
私が特に印象的だったのは、ロングノーズと短いリアデッキを強調したシルエットで、まさに伝統的なBMWクーペのプロポーションを電動化世代で再現しようとしている点です。
フロントマスクにはNeue Klasse特有の水平基調のデザインが採用され、ヘッドライトは薄く鋭い形状に仕上げられています。
一方でリアはワイド感を強調し、EVでありながら運動性能を強く意識した造形になっているように感じました。
私はこれらのデザイン要素を見るたびに、「BMWはクーペを捨てていない」と確信を深めています。
Neue Klasseだからこそ可能なセダンクーペの横展開
技術的に見ても、i4クーペ NA2が実現しやすい理由があります。
Neue Klasseは電動化専用プラットフォームとして構築されており、モーター、バッテリー、制御系をユニット化し、モデル間で共通化する思想で作られています。
これにより、ボディタイプの変更が従来よりも簡単になります。
例えば、i3セダン NA0を基盤としてクーペ版を作る場合でも、プラットフォーム変更を伴わず、外板やルーフライン、補強部分のアレンジだけで対応できる可能性があります。
私はこの「作りやすさ」が、i4クーペ NA2の早期投入を現実的なものにしていると考えています。
市場環境とBMWの方針の交差点にある“NA2の可能性”
もちろん、市場ではセダンやクーペが苦戦しているという事実は無視できません。
しかし、BMWはICEとEVの併売を続けながら、ブランド価値を守るモデルを選別して残していく方針を取りつつあります。
そうした中で、クーペは台数よりも象徴性が重視されるカテゴリーです。
さらに、EVのデザインが各メーカーで似通ってきている中で、BMWらしい“流れるようなクーペライン”は他社との差別化にもつながるはずです。
私は、i4クーペ NA2は単に「出してほしいモデル」ではなく、BMWブランドを未来へ繋ぐために必要なモデルだと感じています。
レンダリングを見たときに湧いたワクワク感は、BMWが再びクーペを電動化時代の主役に引き戻す可能性を示しているのではないでしょうか。
iX4+i4クーペこそEV時代の“クーペ体系”
BMWが守るべき「SUVクーペ」と「セダンクーペ」の二つの軸
BMWのクーペ文化は、X3を基盤とするSUVクーペと、3シリーズを基盤とするセダンクーペの二つの軸で成り立ってきました。
iX4 NA7は明確に「SUVクーペ」の役割を担う一方、i3セダン NA0のクーペ版となるi4クーペ NA2は「セダンクーペ」の系譜に位置づけられる存在です。
この二本立てこそがBMWらしさを形作り、ユーザーに幅広い選択肢を提供してきました。
私は、EV時代になってもこの体系は維持されるべきだと強く考えています。
EV化で“作れるのに作らない”という違和感
電動化によってプラットフォームの自由度が高まり、ボディタイプの横展開が容易になるにもかかわらず、SUVクーペだけが先に登場する現状には違和感があります。
iX4がiX3の派生として成立するのであれば、i4クーペ NA2もi3セダン NA0から同じように展開できるはずです。
SUVブームでセダンクーペが売れにくい状況は理解していますが、それでもBMWの象徴としてクーペが持つ価値は無視できないと感じています。
私にとってクーペは単なるボディ形状ではなく、“BMWがBMWである理由”のひとつです。
EV時代にこそ必要なBMWのクーペ像
私は、SUVクーペのiX4だけが先行する未来はどこか片手落ちで、BMWのラインナップとしてバランスを欠いてしまうのではないかと考えています。
EVのデザインが各メーカーで均質化しつつある今こそ、BMWはクーペの魅力を前面に押し出すべきです。
流れるようなサイドライン、低い着座位置、ドライバーを包み込むようなコクピット。
これらはセダンクーペにしか表現できない価値であり、i4クーペ NA2はまさにその象徴となる存在です。
SUVクーペとセダンクーペという二つの軸がそろってこそ、BMWの“クーペ体系”はEV時代にも引き継がれていくと私は信じています。
まとめ:i4クーペ NA2の早期投入こそBMWらしさを守る道
iX4 NA7が早期に投入されることは、市場の流れや技術面を考えても自然な判断だと思います。
しかし、私は同時にi4クーペ NA2も早く登場してほしいと強く感じています。
BMWは長い歴史の中でセダンクーペとSUVクーペの二つの系統を築き上げ、それがブランドの魅力を形作ってきました。
電動化によってボディ展開が容易になった今こそ、この“クーペ体系”をEV時代に引き継ぐチャンスです。
SUVクーペだけが先行する未来ではなく、iX4とi4クーペが並び立つラインナップこそがBMWらしい姿だと私は思っています。
Reference:carscoops.com / Instagram
よくある質問(FAQ)
Q1.iX4NA7はどんなモデルですか?
iX4 NA7はiX3 NA5をベースにしたクーペスタイルのSUV EVと考えられます。X3とX4の関係をそのままEV世代に持ち込んだような位置づけで、SUVの実用性とクーペらしいスタイルを両立したモデルになると予想しています。
Q2.i4クーペ NA2はi3セダンとどう違うのですか?
i4クーペ NA2はi3セダン NA0をベースにしたクーペ版というイメージです。基本的なプラットフォームや電動パワートレインは共通しつつ、ルーフラインやサイドビューをクーペらしく低く流れる形に変更し、よりスポーティなデザインとドライビングポジションを持つモデルになると考えています。
Q3.なぜBMWはSUVクーペを優先してEV化しているのですか?
世界的にSUV需要が高く、特に北米と中国ではSUVやクロスオーバーが販売の中心になっていることが背景にあります。X3やX5はBMWの主力車種であり、そのクーペ版であるX4やX6もブランドイメージ向上に貢献してきました。その延長線上で、まずiX3とiX4のセットをEVの主力として位置づけていると私は考えています。
Q4.セダンクーペは今後も生き残れると思いますか?
台数だけを見るとセダンクーペは厳しい立場にありますが、ブランドの象徴という意味ではまだ重要な役割があると感じています。クーペはコアなファンが支えるカテゴリーであり、BMWのような走りを重視するメーカーにとっては、イメージリーダーとして残す価値が高いモデルです。私はEV時代でもセダンクーペは細く長く生き残ると期待しています。
Q5.筆者はi4クーペ NA2にどんなことを期待していますか?
私は、伝統的なBMWクーペのプロポーションをそのままEV世代で再現してほしいと考えています。低いボンネット、高いリヤフェンダーの張り出し、運転席にしっかりと沈み込むような着座位置。それらを最新の電動パワートレインと組み合わせた一台がi4クーペ NA2であってほしいというのが、BMWファンとしての正直な期待です。









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