BMWの新マニュアル特許とトヨタiMTを比較:同じMTでも考え方は真逆だった

BMWの新マニュアル特許とトヨタiMTを比較|同じMTでも考え方は真逆だった BMW
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マニュアルミッション(MT)は「自分でクルマを操る感覚」が魅力です。

一方で、設定車種の減少や高性能化に伴い、運転の難しさや修理リスクが話題になることも増えました。

そんな中、BMWは“危険なシフト操作を物理的に成立させない”方向で新しい特許を出願し、トヨタはiMT(インテリジェント・マニュアルトランスミッション)で“回転合わせを賢く手助けして乗りやすくする”方向へ進めています。

同じMTでも、狙いとアプローチは真逆です。

ここでは公開情報をもとに、BMWの新マニュアル特許とトヨタiMTの違いを整理し、両社がMTをどう残そうとしているのかを読み解きます。

❗️記事3行まとめ

BMW新マニュアル特許は危険シフトを防ぐ

トヨタiMTは回転合わせ支援でMTを乗りやすく

思想は真逆でも狙いはMT存続という結論

BMWが出願した「新マニュアル特許」とは何か

「マネーシフト」を狙い撃ちする発想

BMWが出願した特許の主眼は、いわゆるmoney shift(マネーシフト)と呼ばれる致命的な誤操作の回避です。

マネーシフトは、加速中に本来は上の段へ入れるべきところで、誤って下の段へ入れてしまい、エンジンが過回転になって大きな損傷につながるケースを指します。

結果としてエンジンやギアボックスにダメージが及び、高額修理に直結しやすいのが厄介な点です。

シフターを「物理的に入れさせない」ロック機構

特許の説明では、各ギアのゲートにまたがるロック機構(ロッキングユニット)を設け、条件が危険なときはシフターがそのギアに入らないよう物理的にブロックする考え方が示されています。

バックギアに誤って入るのを防ぐ「リバースロックアウト」の考え方を、全ギアに拡張するイメージです。

加えて、選択ギアとクランクシャフト回転数を検知するセンサーを用い、車速などの条件からダウンシフトが安全かどうかを判断し、危険な組み合わせのときはシフト操作そのものを成立させない仕組みが想定されています。

BMWのマニュアル車が直面する馬力の壁:技術的限界と特例の理由
MWがマニュアル車に搭載できる最大馬力を473馬力と制限した背景を解説。技術的な制約と例外的に許された3.0 CSLの事例、今後登場するM3 EVにマニュアルが搭載されない理由などを紹介。マニュアル派にとっての希望と今後の動向も詳しく解説します。

現在のBMWのマニュアルミッションは500馬力程度上限とされていますが、新規のトランスミッションの開発はコスト面から難しいと言われています。

よって、今回の特許は現在のトランスミッションの安全マージンを削ることで、500馬力以上のエンジンにも対応を可能にするものではないかと私は考えます。

トヨタiMTとは何をする技術なのか

回転数を自動調整して“MTの難しいところ”を支える

トヨタのiMTは、クラッチ操作やシフトチェンジに合わせて車載コンピューターがエンジン回転数を自動調整する技術です。

シフトアップ時は回転数を滑らかに落とし、ダウンシフト時は自動でブリッピング(空吹かし)を行うことで、変速ショックを抑えると説明されています。

さらに発進時にはクラッチペダルの動きを検知してエンジン出力とトルクを最適化し、アクセルをあおらなくても半クラッチだけで発進しやすくすることで、エンストのリスクを大きく低減します。

オン/オフで「楽さ」と「操る楽しさ」を切り替えられる

iMTは、ドライバーがMTとしてのクラッチ操作とギア選択を行う点は変わりません。

そのうえで、作動は「iMT」ボタンでスタンバイさせ、必要に応じてオフにして通常のMTモードへ戻す運用が紹介されています(車種により挙動は異なるとされています)。

私はこの“切り替えられる設計”が、MTの魅力を残しつつ、街乗りや渋滞で起きがちなギクシャクや疲れを減らす現実解になっている点で好印象です。

MTに慣れていない層には安心材料になり、慣れている層には「便利に使う」という選択肢が増えるのがiMTの価値だと受け止めています。

BMWとトヨタ、同じMTでも思想は真逆だった

BMWは「危険な操作を成立させない」設計思想

BMWの新しいマニュアル特許から読み取れるのは、ドライバーの操作を信頼しつつも、機械として許容できないミスは構造的に排除するという考え方です。

マネーシフトのように、一度の操作でエンジンやトランスミッションを損傷しかねない事象を、ドライバーの注意力や経験値に委ねず、物理的に発生しないようにする点が特徴です。

私はこのアプローチに、スポーツモデルを数多く手がけてきたBMWらしい合理性を感じます。

高性能化が進むほど許容範囲は狭くなり、ヒューマンエラーの影響は大きくなります。

その前提に立てば、「入れられないギアは入らない」という割り切りは、MTを守るための現実的な選択だと受け止められます。

トヨタは「操作を助けて裾野を広げる」思想

一方、トヨタのiMTは、ドライバーが行う操作そのものを前提に、その難しさを電子制御で和らげる方向にあります。

ギア選択を制限するのではなく、回転合わせや発進時の制御を最適化することで、MTに不慣れな人でも扱いやすくする発想です。

私はこの違いを、MTを「尖らせて守るBMW」と「広く残そうとするトヨタ」の対比として捉えています。

どちらが正しいという話ではなく、狙っているユーザー層とMTに求める価値が異なる結果として、思想の差が明確に表れているように思います。

まとめ:両社とも「MTを終わらせない」ための選択だった

BMWの新マニュアル特許とトヨタiMTを並べて見ると、思想や技術の方向性は真逆に見えます。

しかし結論として、両社が目指しているのは同じです。

それは、時代の流れの中でマニュアルミッションを終わらせないことです。

高性能化によるリスクを設計で封じるBMWも、操作の敷居を下げて乗り手を増やそうとするトヨタも、MTを「残すための進化」を選んでいます。

私はこの点に、マニュアルが単なる古い機構ではなく、今なお価値ある運転体験として認識されている証拠を感じます。

方法は違っても、MTを未来につなげようとする姿勢そのものが、現在の自動車業界における重要なメッセージだと言えるでしょう。

Reference:carbuzz.com / car-me.jp

よくある質問(FAQ)

Q1. BMWの新マニュアル特許は何を防ぐ技術ですか?

主にマネーシフトのような危険なシフト操作による、エンジン過回転や損傷リスクを減らす狙いです。条件が危険な場合に、ギア選択を物理的に成立させない方向性が示されています。

Q2. BMWの特許はオートマ化ではなく、MTのままですか?

特許の主題はマニュアル操作を前提にしつつ、危険なギア選択を防ぐ仕組みです。クラッチ操作やシフトする行為そのものを置き換える技術ではなく、MTを成立させるための安全側の工夫として説明されています。

Q3. トヨタのiMTはどんな機能で、何が便利ですか?

シフトチェンジに合わせてエンジン回転数を自動調整し、変速ショックやエンストを起こしにくくする技術です。特にダウンシフト時の回転合わせや発進時の扱いやすさを支援します。

Q4. iMTとレブマッチ(自動回転合わせ)は同じですか?

近い役割を持ちますが、iMTはMT操作のしづらさを減らすために回転数調整などを行う支援機能として紹介されています。車種や制御内容の違いはあるため、搭載車の仕様確認が確実です。

Q5. BMWの特許とトヨタiMTの決定的な違いは何ですか?

BMWは危険な操作をできないようにする方向、トヨタは操作を助けて滑らかにする方向です。どちらもMTを残すための工夫ですが、介入の仕方が真逆だと整理できます。

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