EVの普及が進めば、BMWのディーゼルエンジンはいずれ姿を消す。そう考えている人は多いのではないでしょうか。実際、モデルチェンジを機にディーゼル仕様がなくなる車種や市場もあり、BMWも最終的にはEVへ一本化するように見えます。
しかし、現在のBMWの商品展開を見ると、その流れはもっと複雑です。最新世代のX3には3.0L直列6気筒ディーゼルが追加され、新型X5でもディーゼルを含む複数のパワートレインが用意されています。
この記事では、BMWのディーゼルが当面生産終了へ向かわない理由を、B57系直列6気筒ディーゼルの価値を中心に整理します。
- ✅BMWディーゼルは当面全面生産終了しない
- ✅B57は670Nmの大トルクで大型SUVに適する
- ✅EV拡販がCO2平均値を下げディーゼル存続を支える
BMWが今もB57直6ディーゼルを進化させている理由
最新世代のX3にも3.0L直6ディーゼルを投入
B57系はBMWを代表する3.0L直列6気筒ディーゼルエンジンです。BMWがディーゼルを単なる旧世代のパワートレインとして扱っていないことは、最新モデルへの採用状況からも分かります。
2025年5月には第4世代X3(G45)のX3 40d xDriveが追加されました。最新世代の3.0L直列6気筒ディーゼルに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせ、システム最高出力223kW(303hp)、最大トルク670Nmを発生します。0-100km/h加速は5.4秒です。
電動化を進めながら新世代モデルにも直6ディーゼルを投入している事実は、BMWが用途のある限りディーゼルを活用する姿勢を示しています。
B57エンジンにはEVで代替しにくい価値がある
大型SUVと長距離移動で生きるディーゼルの特徴
B57の価値は、単に燃費や燃料代だけではありません。3.0L直列6気筒ディーゼルが生み出す大きなトルクは、車重のあるX5やX7を走らせるうえで大きなメリットになります。
さらにディーゼルは高速道路を長時間走る用途との相性に優れています。X5のディーゼルでは、高速走行を前提に約1,200kmという航続距離が示されています。短時間の給油で再び長距離を走れるため、一度に数百kmを移動する使い方ではBEVとは異なる利便性があります。
大型SUVでは乗員や荷物を積んだ長距離移動に加え、地域によっては牽引も想定されます。こうした用途では、大トルクと長い航続距離を両立する直6ディーゼルに明確な役割があります。
EVが売れることがディーゼル存続を助ける理由
EVとディーゼルは必ずしも対立しない
興味深いのは、BMWにとってEVの販売拡大が必ずしもディーゼルの廃止につながらないことです。市場によって制度は異なりますが、自動車メーカーには販売車両全体のCO2排出量を抑えることが求められています。
BEVの販売比率が高まれば、メーカー全体では平均CO2排出量を下げやすくなります。その結果、ディーゼルSUVや高性能なMモデルなど、内燃機関を必要とする車を一定数ラインアップに残す余地が生まれます。
オーストラリア市場ではBMWのBEV比率を2030年までに約50%へ近づける想定が示され、EV販売が内燃機関車の販売を支えるという考え方も明確になっています。X5やX7のディーゼルについても、2030年代に入っても販売を続ける見通しです。
つまり「EVが増えるほどディーゼルが減る」という一方向の関係ではありません。私は、BMWがEVとディーゼルを競わせるのではなく、それぞれが得意とする用途を分担させる方向へ進んでいると考えています。
X5・X7から考えるB57ディーゼルの今後
新型X5もディーゼルを含む5種類のパワートレインを用意
2026年に発表された第5世代BMW X5は、BMWの戦略を分かりやすく表しています。新型X5にはガソリンとディーゼル、プラグインハイブリッド、BEVのiX5、さらに将来投入される水素燃料電池のiX5 Hydrogenという5種類の駆動方式が設定されます。内燃機関には48Vマイルドハイブリッドも組み合わされます。
全面EV化を急ぐのであれば、新世代X5からディーゼルを外す選択もありました。しかし実際には、BEVを初めてX5に追加しながらディーゼルも残しています。
X5やX7には長距離航続性能や大トルクを重視する用途があります。複数のパワートレインを用意する現在の戦略は、地域や利用目的によって最適な動力源が異なることを前提にしたものです。
B57は「EVまでのつなぎ」ではなく役割を持つエンジン
BMWのディーゼル車が今後再び大幅に増えるとは限りません。BEVへの置き換えが進み、ディーゼルを設定するモデルが絞られる可能性はあります。
それでも現在のBMWを見る限り、「ディーゼルはEVが普及するまでのつなぎなので、近いうちにすべて生産終了する」と考えるのは早そうです。最新世代のX3には直6ディーゼルが追加され、第5世代X5にもディーゼル仕様が設定されています。BMWは生産面でも異なるパワートレインを柔軟に組み合わせる方針を続けています。
B57には、大型SUVを力強く走らせるトルクと、長距離を効率よく移動できる航続性能という、BEVとは異なる価値があります。EVが普及したから価値を失うのではなく、EVとの役割分担が進むことで、B57を必要とする用途がより明確になったと私は考えています。
Reference:goauto.com.au
よくある質問(FAQ)
Q1. BMWのディーゼルエンジンは生産終了するのですか?
BMWはディーゼルエンジン全体の生産終了を決めていません。一部の車種や市場ではディーゼル仕様が廃止されていますが、最新世代のX3やX5などには引き続きディーゼルが設定されています。
Q2. BMWのB57エンジンとはどのようなエンジンですか?
B57はBMWの3.0L直列6気筒ディーゼルエンジンです。最新世代では48Vマイルドハイブリッドと組み合わされ、X3 40d xDriveではシステム最高出力303hp、最大トルク670Nmを発生します。
Q3. B57ディーゼルがEV時代にも残る理由は何ですか?
大きなトルクと長距離航続性能を両立できるためです。特にX5やX7のような大型SUVでは、長距離移動や荷物を積んだ走行などでディーゼルの特性を活かせる用途が残っています。
Q4. EVが増えるとBMWのディーゼルは減るのではないですか?
必ずしもそうではありません。BEVの販売比率が高まればメーカー全体の平均CO2排出量を下げやすくなり、ディーゼル車や高性能な内燃機関車をラインアップに残す余地が生まれます。
Q5. BMWのディーゼルは2030年代も販売されますか?
X5やX7のディーゼルについては2030年代にも販売を続ける見通しが示されています。ただし、すべてのBMWにディーゼルが残るわけではなく、車種や市場、排出ガス規制、需要によって設定は変わります。




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