2026年、BMWは新型およびLCI(ライフサイクルインパクト)モデルを⼀気に投入し、ブランドの再構築を図ります。
電動化、デジタル化、デザイン刷新という三軸を掲げた同社の戦略は、単なるモデルチェンジにとどまらず、“次世代BMW”への移行を意味しています。
そんな中、「2026年BMWが発売・発表予定の新型/LCIモデル6選」をご紹介する前に、まずBMWが描く方針とその背景を整理しておきます。
車種を越えてブランド全体が向かう“これからのBMW像”を理解することで、各モデルの意味合いもより明確になるはずです。
❗️記事3行まとめ
✓BMWの2026年は大刷新の重要局面
✓Neue Klasse導入で電動化とUIが進化
✓3シリーズからX5まで主力全モデル更新
BMWが描く“次世代戦略”とは?変革期のブランド方針

40モデル以上の刷新を進める理由
BMWは2027年までに40を超える新型・LCIモデルを投入すると発表しており、これはブランド全体を“次世代仕様”に切り替えるための大規模プロジェクトです。
電動化だけに偏らず、「デザイン刷新」「デジタル化」「多様なパワートレーン」の3つを並行して進める点が特徴です。
特に競争が激しいプレミアム市場で存在感を維持するため、モデルラインナップ全体の価値向上が不可欠になっています。
新プラットフォーム「ノイエクラッセ」の導入
BMWは次世代の基盤として「Neue Klasse(ノイエクラッセ)」を導入します。
これはEV専用プラットフォームであり、新しいデザイン言語、次世代バッテリー、ソフトウェア中心の車両制御をまとめて再構築するプロジェクトです。
ノイエクラッセは“BMWの再定義”と位置づけられており、今後発表される多くのモデルがこの思想を反映して登場します。
多様なパワートレーンを維持する戦略
BMWはEVシフトを進める一方で、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、水素といった複数の選択肢を維持する方針です。
これは“地域ごとのインフラ事情に合わせる”という実務的な考え方に基づいており、一律で電動化を進めない柔軟さがBMWの特徴となっています。
BMWが2026年発売・発表予定の新型/LCIモデル
1.BMW 3シリーズ G50/i3 NA0
BMW 3シリーズは、ブランドを代表するプレミアムスポーツセダンとして長年確固たる地位を築いてきました。
走行性能と実用性のバランスが良く、BMWらしい後輪駆動の楽しさをもっとも分かりやすく体現してきたモデルです。
2026年の世代交代では、内燃モデルの「G50」とEV専用モデルの「i3 NA0」を同時展開することで、幅広いユーザー層に対応するラインアップへと進化します。
i3 NA0:ノイエクラッセ採用のEV専用セダン

i3 NA0は、次世代EVアーキテクチャ「Neue Klasse(ノイエクラッセ)」を採用する初期モデルのひとつです。
バッテリー効率向上、低重心化、広い室内空間など、EVならではのメリットを最大化した設計が特徴です。
従来のエンジン車を基準にした「EV化」ではなく、ゼロからEVとして最適化されているため、静粛性や加速特性、デジタル装備の面で大幅な進化が期待できます。
外観は3シリーズらしいプロポーションを維持しながら、空力性能を重視したクリーンなデザインが採用される見込みです。
3シリーズ G50:伝統の走りを受け継ぐ新世代内燃モデル

一方、G50は直列4気筒・6気筒エンジンや48Vマイルドハイブリッドを継続採用し、BMWの“走る歓び”を重視したモデルとして進化します。
現行CLARプラットフォームを発展させつつ、シャシー制御やドライバー支援機能、インテリアのデジタル化が強化される見込みです。
電動化が進む中でも、G50は内燃モデルを求めるユーザーに向けた重要な選択肢として位置づけられています。
2.BMW iX3 M ZA5
BMWの高性能部門「M」が、EV時代へ本格シフトする象徴的モデルがこのiX3 M ZA5です。
試作車が公道で目撃されるなど アナウンスに先立つ動きが注目されています。
EV専用設計で走りの質を刷新

iX3 M ZA5は、次世代プラットフォーム「Neue Klasse」の採用が予想されており、従来の内燃Mモデルとは異なる設計思想を持ちます。
0-100 km/h加速が4秒台前半との噂もあり、「M=速さ・歓び」のDNAを電動化時代に再定義する一本となりそうです。
SUVというフォーマットでM性能を拡張
BMWが高性能SUVを求める市場において、iX3 M ZA5は長身・高重心のSUVでありながら、ワイドフェンダーや高性能ブレーキ、大径ホイール予想など“スポーツモード”を明確に打ち出しています。
電動化という変革期において、Mモデルとしての存在感を強めるモデルになるでしょう。
3.BMW 5シリーズ/i5 G60 LCI
BMW 5シリーズ G60および電動版i5は、登場から間もなくLCI(マイナーチェンジ)を受ける見込みです。
今回のLCIでは「ノイエ・クラスへの橋渡し」がテーマとなり、デザイン・デジタル・電動化の3要素が重点的に進化します。
エクステリアの変更点

LCIではライト形状の変更やキドニーグリルのリファインが予想され、現行G60の端正なデザインを活かしながら、よりシャープで未来的な表情にアップデートされます。
内装・デジタル領域の進化
インテリアでは最新UI、広視野ディスプレイ、操作性の向上が中心。
ノイエ・クラスで採用されるUI思想を一部先行して取り入れるとみられ、使い勝手と没入感がさらに高まります。
パワートレーンと電動化
ガソリン、ディーゼル、PHEV、そしてi5のEVまで幅広い構成は継続。特にi5は航続距離の伸長や効率改善が期待され、5シリーズ全体が電動化時代の基準へ近づくLCIとなります。
4.BMW 7シリーズ/i7 G70 LCI
BMW 7シリーズ/i7 G70は、ブランドの最高峰モデルとしてデザイン・テクノロジー・快適性を象徴する存在です。
次期LCIでは外観のリファインに加え、内燃版・EV版ともに完成度を高める“熟成型”の改良が中心となります。
エクステリアのアップデート

フロントのライトグラフィック変更、グリルの微調整などが予想され、現行G70の存在感を維持しながら、細部の質感向上が図られます。
アルピナ版G72も販売継続の可能性が高く、LCI後も個性あるラインが存続する見込みです。
改良版B58エンジンの搭載
ガソリンモデルでは改良版B58エンジンが搭載されるという情報があり、静粛性・効率・トルク特性が改善されるとされています。
7シリーズのキャラクターに合わせたスムーズで上質な走りが期待できます。
5.BMW iX4 NA7
iX4 NA7は、BMWの次世代EV基盤「Neue Klasse」を採用するクーペSUV。
iX3 NA5と兄弟関係にありつつ、よりデザイン性と走行性能を重視した位置づけです。
iX3との違いは“スタイル優先”

iX4は滑らかなルーフラインを持つクーペフォルムが特徴で、実用性を重視するiX3に対して、スポーティさと存在感を追求したモデルになります。
空力性能の向上や低重心化にもつながり、電動SUVとして効率面にもメリットがあります。
電動化・デジタル化の先行モデル
Neue Klasse世代のEVらしく、効率的なバッテリー構造や次世代UIの採用が見込まれます。
スクリーンによる操作体系やソフトウェア更新の強化など、BMWが目指す“デジタル・プレミアム”の体験を提供するモデルとなりそうです。
6.BMW X5/iX5 G65
BMW X5はブランドのコアSUVとして高い人気を持つモデルですが、2026年に次世代型「G65」へ切り替わる見込みです。
外観はiX3 NA5のデザイン言語を取り入れた“ワイド&フラット”な顔つきへ進化し、よりモダンで力強い雰囲気になると予想されます。
エクステリアの特徴

フロントのライト形状は薄型化し、キドニーグリルも横方向の広がりを強調した新デザインに。
X5らしい堂々としたシルエットは維持しつつ、次世代BMWらしい未来的な表情が加わります。
パワートレーンと電動モデル iX5
G65ではガソリン、ディーゼル、PHEVに加え、EV版「iX5」が追加される見込みです。
iX5はNeue Klasse世代ほどではないものの、効率向上やバッテリー強化が期待されています。
高出力化や航続距離の改善など、電動SUVとしての商品力も高まります。
インテリアとデジタル化
内装では、最新UI・大型ディスプレイ・操作系の刷新が中心となり、現行X5よりさらにプレミアム感が向上。
ソフトウェア領域の進化も進み、日常的な操作性や快適性が強化されます。
まとめ:2026年のBMWは“大刷新”の時代へ
2026年BMWは、3シリーズ(G50/i3 NA0)を皮切りに、iX3 M ZA5、5シリーズ/i5 G60 LCI、7シリーズ/i7 G70 LCI、iX4 NA7、X5/iX5 G65と、主力モデルを一斉にアップデートします。
共通するテーマは「電動化・デジタル化・デザイン刷新」。
Neue Klasseによる新アーキテクチャ導入と、既存モデルの熟成を並行して進めることで、“選べるBMW”という価値をさらに強化しています。
内燃・PHEV・EVを併存させる戦略により、多様なユーザーのニーズに応える新世代ラインアップが完成しつつあります。











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