先日M4からエラーメッセージが出た際の代車がなぜかBMW 750iL G12だったので、簡単ですがレビューします。

BMW 750iL G12とは?

BMW 750iL G12とはBMWセダンのフラッグシップモデルである7シリーズのグレードの1つです。

特徴はエンジンがV型8気筒4.4Lターボエンジンを搭載しているハイパワーモデルであること、ネーミングの最後に付く「L」の文字が示すようにロングホイールベースになっていることが特徴。

要するに自分で運転する車というよりは、後部座席でゆったり座って、運転は運転手さんにお任せするするための車、ということになります。

今回は急なトラブルでの入庫であること、そして数日間貸し出す可能性があること、などの理由で当面使用する予定がないクルマということで、今回はこんな購入な車が代車として貸していただけたのだと思います。

ご覧の通り現行型のビックキドニーグリルではない、LCI前のモデルですから当面は試乗車としての役目もなさそう。

同クラスの車を所有する方の代車が本来は今のこの車の役目だと思いますが、そんな人はそんなに多くないので一番稼働確率が少ない車が割り当てられた、ということですね。

ともあれ、全長5,250mm、全幅1,900mm、全高1485mmの大型セダンを運転できる機会はそうそうありませんから、少しの間でしたが運転した感想などをお伝えします。

2t超えのボディを450馬力V8ターボエンジンで加速する?

750iLは重量2tを超える巨漢ですのでエンジンも強力なV型8気筒ターボエンジン(4.4L)を搭載しています。

おそらくこのLCI前モデルですから馬力は私のM4と同じ450馬力だと思います。

写真のように広々した運転席からは想像できないスペックのエンジンですが、ぶっちゃけスポーツモード以外で走行すると拍子抜けするほど加速しない車です。

私の感覚が若干麻痺していることもありますが、スポーツモード以外での走行ではまったくV型8気筒ターボエンジン車という感覚は味わえません。

イヤ、逆に大排気量車特有の低速からの分厚いトルクのおかげでアクセルを踏まずともスーッと進んでいくというのがこの車の特徴なんですね。

大排気量=高出力=速い!っという感覚が間違っている。

その代わり、スポーツモードでアクセルを踏み込むとこの車は豹変します。

一気に2tのボディを法定速度以上の速さに持っていこうとします。

ステアリングは決してシャープではありませんが、BMWらしく思った方向に車が曲がっていく感触は同じです。

おそらく後輪操舵機能も付いていると思いますから、思った以上に車が曲がっていく感覚は決して5m超の車を運転している感じはしません。

その代わり、サスペンションはかなり柔らかめのセッティングなので一般道での走行では横揺れが多めなセッティングです。

今回高速道路は阪神高速しか走れていませんが、なぜか速度が増すにつれて車の安定感も増す。

これがラグジュアリーなBMWの足だということをすっかり忘れていました。

Mモデルでもなく、クーペでもなく、ラグジュアリーセダンとしてはクルージングもスポーティな走りも両立できるまさにBMWを代表するフラッグシップモデルですね。

運転手付きの社用車としては最高の1台

本来のこの750iLの正しい使い方は後部座席でくつろいで乗ることだと思います。

運転席以上に余裕のある後部座席の空間には2台のモニターが前席に背面に装備されています。

後部座席のモニターには前席同様にiDriveのモニター画面がそのまま映し出されます。

恐らくはメディアをつなげれば映像や音楽の視聴、操作が後部座席からも行うことができるでしょうね。

肘掛け部分にもモニターがあります。

シートの調整などはこの肘掛けのモニターで行うことができる模様。

そうですよね、この750iLでは後部座席もリクライニングさせることができるんですね。

これだと本当に運転席に座るよりも後部座席に座りたいと思ってしまいますが、当日は一人でしたので後部座席での乗り心地を試すことが出来なかったのが残念。

もし大会社の経営者で運転手付きの社用車を自由に選ぶことができるのであれば、750iLは最強の1台だと思いますが、個人で所有するのは、ちょっともったいないなあというのが正直な感想です。