新型ミニクーパー F66と新型カントリーマン U25では、従来のパドルシフトが廃止されることが決定されました。この決定の背景には、ミニブランドの戦略的な変更と需要の変化が影響しています。
パドルシフトの重要性とミニの歴史
パドルシフトは、ミニの歴史において重要な役割を果たしてきました。
過去のデータによれば、MINI USAの場合ではJCWモデルのマニュアルトランスミッションの採用率が50%を超え、さらにクーパー Sモデルでも22%の採用率があったことが明らかになっています。
これは、多くの愛好家がマニュアルトランスミッションでの操作を重視していることを示しています。
パドルシフトは、ミニのスポーティなイメージと結びついており、ドライバーと車の結びつきを強化する重要な要素です。
今回発売された新型ミニクーパー F66と新型カントリーマンでは、ATのセレクトレバーもトグルスイッチ式に変更されていることを考えると、新型ミニクーパー F66と新型カントリーマンではドライバーがギアチェンジする楽しみを奪っていることになります。
パドルシフトが廃止された背景と影響
(引用元:mini.jpより)
パドルシフトの廃止は、ミニのグローバルな戦略的決定に基づいています。
MINI USAの場合では、パドルシフトがJCWグレードにのみ装備されることとなり、非JCWモデルでは利用できなくなりました。
これは、MINIが特定のグレードでパドルシフトを提供することで、ブランドの位置付けや市場戦略を調整しようとする試みの一環です。
つまり、JCWグレードはスポーツカーとしての位置づけであり、ミニクーパーの象徴的なモデルとして扱い、非JCWグレードに関しては、タウンカーとしての位置づけを強調していることになります。
しかしこの決定は、愛好家層の一部にとっては大きな影響を及ぼす可能性があります。
過去のデータによれば、クーパー Sモデルではパドルシフトの採用率が22%もありました。
そのため、マニュアルトランスミッションの喪失はミニのコアなファン層にとって重大な変化となる可能性があります。
手動でシフト操作を行う裏技があるらしい
新型ミニクーパー F66と新型カントリーマン U25の非JCWグレードには、パドルシフトが搭載されていません。
しかし、非公式ではありますがパドルシフトと同様の操作を行う裏技が存在するらしいということ。
具体的には、ステアリングホイールのプラスとマイナスのロッカーボタンを使用すると、パドルシフトと同様にシフトチェンジを手動で行えるというもの。
この手法はMINIでは公式にはまだ発表されていないものであり、継続的に使用ができる保証もありません。
しかし、アメリカなどの一部の国で既に納車されたミニクーパー F66でユーザーがパドルシフトと同様の操作をする方法を見つけました。
このことから分かるように少なくてもステアリング付近にはパドルシフトが可能なシステムや配線が存在することを意味します。
よって、この手法が正しければ非JCWグレードにもパドルシフトが装備可能になる可能性があります。
ミニクーパーのユーザーにはパドルシフトが必要なのか?
今回販売された新型ミニクーパー F66と新型カントリーマン U25は恐らくICE(内燃機関車)としての最後のミニクーパーになる可能性が高いです。
少なくても今後のミニクーパーのラインアップはEV(電気自動車)にシフトすることになると思います。
当然ですがEVには基本的にギアチェンジは存在しません。
つまり、新型ミニクーパー F66や新型カントリーマン U25にパドルシフトさえ装備しない理由は、早々にミニクーパーユーザーにEVへシフトして欲しいという想いがあるのかもしれません。
しかし、ミニクーパーがBMWグループの一員となった際の「ゴーカートフィーリング」は走りをイメージさせたものであり、走りを感じる部分の中にはシフトチェンジも含まれると思います。
よって、マニュアルトランスミッションの搭載が難しいのであれば、少なくてもパドルシフトを必要とするミニクーパーが多く存在することをミニやBMWへ訴えることが必要です。
裏技が存在することは分かっていますので、今ミニクーパーユーザーに本当にパドルシフトが必要なのか?をメーカーはじっと見守っているのかもしれません。
Reference:motoringfile.com