オープンカーには必須のウインドストップ(ウインドディフレクター)をアバルトのオープンカーである595Cに取り付けて効果を確認しました。
ウインドストップとは?
オープンカーの欠点のひとつにオープン走行時に発生する車内への風の巻き込みがあります。
オープンカーをオープン状態で一定の速度以上で走行すると室内に風を巻き込むことで髪型が崩れたり、帽子が飛んでいったり、室内のものが風に飛ばされたりすることがあります。
これを防ぐ装置がウインドストップ(ウインドディフレクター)と呼ばれる以前の記事でも紹介した衝立みたいな物になります。
これを2シートオープンカーであれば運転席、助手席の後方にあるロールバーの間に取り付けるのが一般的です。
またアバルト 595C ツーリズモのような場合は運転席、助手席の後方に取り付けるタイプ(この場合は後部座席には人は座れません)と後部座席の後方に取り付けるタイプに別れます。
アバルト595やフィアット500に純正で用意されているウインドストップは後部座席の後方に取り付けるタイプになります。
アバルト 595C ツーリズモにウインドストップを取り付けてみた
いきなり取付後の画像で恐縮ですが、取り付け方法は至って簡単です。
- 後部座席を倒す
- 後部座席後方にあるピラーにウインドストップを差し込む
- 後部座席を元に戻す
たったこれだけで取り付けることができます。
要するに工具などを使用せずに後部座席の後方にあるピラーと後部座席の背もたれで挟み込むだけのシンプルな構造です。
一応取付け説明書もありましたので、少しピラーに差し込む際の差し込む場所が分かりづらいですが、差し込んでみると自然に収まるところに収まりますので大丈夫です。
取付けた感想としては、ウインドストップがメッシュ状になっているのに後方視界が若干見づらくなった程度です。
個人的には特に運転に支障はないと感じています。
実際にアバルト 595C ツーリズモにウインドストップを取付けて走ってみた
実際にオープンカー状態で一般道を時速40キロ前後で走行しましたが、運転席、助手席ともに風の巻き込みに関する改善はみられませんでした。
と、言うかもともとフルオープンカーではないキャンバストップ仕様のアバルト595やフィアット500では運転席、助手席への風の巻き込みは少ないと感じています。
当然運転席、助手席の窓を開けて走れば一気に風が巻き込みますが、それを防ぐにはウインドストップでは効果は感じられませんでした。
後部座席に関しては多少髪の乱れが抑えられる程度、大きな効果は感じられない様子です(後席に座っていた娘の感想)
私もルームミラーでちら見していましたが、やっぱり髪の毛はぐちゃぐちゃでした(笑)
それもそのはずでフルオープン状態で幌を畳んだ状態でウインドストップは写真のように幌の上部にひょっこり顔を出している程度です。
畳まれた幌がこれだけボリュームがあることで一種のウインドストップの効果をもともと生み出しているのでは?と思えるほど。
そこに申し訳ない程度にウインドストップが顔を出している状態ですから、効果を実感するのは難しいのもうなずけます。
なので、結論としてはアバルト595Cやフィアット500Cにはウインドストップは特に必要がないという結論になります(笑)
私の場合は効果というよりファッション性という意味でこのまま取付けた状態にしておこうと思います。
なぜ、ウインドストップ(ウインドディフレクター)を取り付けると風の巻き込みを防げるのか?
オープンカーの魅力は、開放感と風を感じながらドライブできることですが、その一方で高速走行時に室内へ風が巻き込まれ、快適性が損なわれることがあります。
この「風の巻き込み」は、物理的な空気の流れに関連しており、ウインドストップ(ウインドディフレクター)を取り付けることで効果的に軽減できます。
風の巻き込み現象とは?
(引用元:webcartop.jpより)
オープンカーを走行させると、車両の前方から強い風が当たり、その一部が車内に流れ込みます。
また、車の後方では低気圧状態が生じ、これが原因で空気が車内に逆流し、後ろから前へと風が巻き込まれるのです。
この現象により、乗車中に髪が乱れたり、快適な会話が困難になることがあります。
特に、後部座席に座る人は風の影響を強く受けやすいです。
ウインドストップ(ウインドディフレクター)の役割
ウインドストップは、シンプルな装置でありながら、空気の流れを制御する上で非常に効果的です。
通常、運転席と助手席の後ろに取り付けられ、後方からの風の侵入を防ぎます。
具体的には、ディフレクターが後方から流れ込む風を遮り、車内での乱流を防ぐことで、風が乗員に直接当たるのを大幅に減少させます。
空気力学の視点からの解説
風の巻き込みを理解するためには、空気力学の基本的な原理が役立ちます。
走行中の車は、周囲の空気に対して進むことで、空気を前方から後方へと押し出します。
この際、車の上部やサイドを流れる空気の速度が速くなる一方、車内や後部の空気は比較的動かず、低圧の状態になります。この低圧領域に外部の空気が引き込まれることで風の巻き込みが発生します。
ウインドディフレクターの役割は、この低圧領域と車内の間に障壁を設けることで、後方からの空気の侵入を妨げ、車内の空気を安定させることです。
これにより、空気の流れが滑らかになり、風の巻き込みが劇的に減少します。
ウインドストップの利点
- 快適なドライブ体験: ウインドストップを装着することで、髪が乱れることや耳元で風切り音が鳴ることが少なくなり、より静かで快適なドライブが楽しめます。
- 会話のしやすさ: 車内での乱流が少なくなるため、オープンカーでも乗員同士の会話がスムーズに行えます。
- 後部座席の保護: 特に後部座席の乗員は風の影響を強く受けやすいですが、ウインドストップによってその影響が大幅に軽減されます。
ウインドストップ(ウインドディフレクター)は、オープンカーにおける風の巻き込みを効果的に防ぐ装置です。
空気力学の原理に基づき、車内に侵入する風の流れを制御することで、快適性を向上させます。
オープンカーの楽しさを最大限に引き出すためには、ウインドディフレクターの装着は非常に有効です。
ただし、アバルト595Cの場合は、風の巻き込みを防ぐほどの高さを確保できていないので、ウインドストップが飾りになってしまっているということでしょうね。