アバルト595のベースグレードはMT仕様のみの販売だった
アバルト595には3つのグレードが存在します。
エントリーモデルであるベースグレード、アバルト595唯一のオープンモデルを含むツーリズモ、そして最強のパフォーマンスを誇るコンペティツィオーネです。
コンペティツィオーネの価格が400万円を超える設定になっていることから比較して、ベースグレードは300万円ちょっとの価格で販売されているため、正にアバルト595への入門者的な位置づけになっています。
そのベースグレードの販売が上記の記事のようにMT車のみの販売になったのはつい先日のような気がしますが、これはある意味思い切った施策です。
日本の車のほとんどがAT車であることを考えると、本来MTとATの2つのうちのどちらかを継続販売するのであれば迷うこと無くAT車を継続販売することになる筈です。
しかしアバルト595の場合は、通常でもMTの販売比率が50%近くになることから継続販売されるのがATではなくMTになった、という特殊な車ということになります。
なので走りを求めるユーザーが多いアバルト595のベースグレードのMT仕様が担う役割はコンペティツィオーネは購入出来ないけどアバルト595が欲しいというユーザーにとっては非常に重要な立ち位置にあるグレードだと思います。
アバルト595 ベースグレードは国内在庫の販売のみで終了予定らしい
先日アバルト系のFacebookグループの投稿の中に、2021年12月からアバルト595 ベースグレードの輸入は中止され国内在庫のみとなったという話題がありました。
ディーラーから聞いたという話なので信憑性は高い話だと思いますが非常に残念だなと思います。
私も以前アバルト500のベースグレードに乗っていたことがあるので分かりますが、アバルト595の一番人気であるコンペティツィオーネは価格が高い。
なかなか購入するには勇気がいる車だと思いましたので、私はコンペティツィオーネよりも約100万円安いベースグレードを選びました。
そのおかげでアバルトマジックに侵されてしまってアバルト500、アバルト595Cとアバルトを2台も購入することになったのですから。
アバルト595の入門編的な位置づけになるベースグレードの販売が無くなるということは、アバルト595の拡販という意味で残念な出来事だと思うと共にアバルト595のMT仕様を購入したいとなった場合はもうコンペティツィオーネしか選択肢が無くなったということにもなりますね。
アバルト595ベースグレードの国内在庫はすぐに無くなる？
先日生産中止が発表されたホンダ S660はあっという間に1年分の生産枠が売り切れてしまい、あまりの人気ぶりに追加生産が決定されました。
このように人気が低迷した訳ではないのに販売や生産が中止される車は、駆け込み需要が発生する可能性が高くなります。
また同じアバルトブランドの124スパイダーの販売が中止された際には、数少ない中古車の価格が一気に上昇する現象が起きました。
今回のアバルト595 ベースグレードの販売が中止されることによって同じような現象が起こる可能性が高いです。
ただしアバルト595ベースグレードの場合は他のグレードは継続販売されますので中古車価格が高騰することはないと思いますが、国内在庫が一気に無くなる可能性は高いと思います。
これからアバルト595を新車で購入しようと思えばツーリズモが最安になりますが、それでも価格は385万円となりベースグレードよりも約60万円も高くなってしまいます。
であれば価格が実質的に値上げされる前にアバルト595を手に入れたいと思う人はいると思いますからベースグレードの国内在庫が一気に完売することが考えられます。
もしアバルト595の新車を購入しようと考えている方は早めにディーラーに問い合わせた方が良いかもしれませんよ。
アバルト595ベースグレード販売中止の背景
アバルト595のベースグレードが日本国内で販売終了となった理由には、いくつかの要因が考えられます。
1. 市場の需要とトランスミッションの傾向
日本市場ではオートマチック（AT）車の需要が高まっています。
アバルト595ベースグレードはマニュアルトランスミッション（MT）仕様のみの設定だったが、元々アバルトのマニュアルトランスミッション車んの販売比率は50%程度とかなり高い数値を示していました。
これが逆に仇になった可能性はあります。
世界的に需要が減少しているマニュアルトランスミッション車を日本向けだけに生産販売することは、生産コストという観点で考えても自動車メーカーとしてはあまり儲かる状態ではありません。
MT車の需要が縮小する中、逆にMT自体の供給が減少し価格が高騰するといった現象もあるのかもしれません。
2. 価格競争力とコスト
円安や物価の上昇が影響し、アバルト595のベースグレードは手ごろな価格帯を維持しづらくなっています。
コスト効率の低下も影響し、販売中止の判断が下された可能性が高いでしょう。
また、競合モデルが増加する中で、アバルトのベースグレードが競争力を維持することが難しくなったとも考えられます。
3. ブランド戦略の見直し
アバルトは特定のファン層に向けた高性能モデルに注力する傾向があります。
ベースグレードの販売終了は、よりプレミアムなモデルへと注力し、ブランドイメージの向上を図るための戦略的な転換の一環であると考えられます。
このように、アバルト595ベースグレードの販売中止には複数の市場やコストの要因が関わっていることが推測されます。
