BYDをはじめとする中国車の販売が増える一方、一部の国では自動車保険への加入を断られる事例が発生しています。背景にあるのは、補修部品の供給、修理拠点、事故データの不足など、販売後の体制に関する問題です。日本でもBYD車の保険加入を断られた例はありますが、専用の自動車保険も用意されています。欧州における引受制限の実態と理由、日本で中国車を購入する際の確認点を紹介します。
- ✅️BYDは日本で自動車保険に加入できる
- ✅️欧州では中国車の引受停止と保険料上昇
- ✅️車両保険と修理体制は購入前に確認
BYDは日本で自動車保険に加入できる
日本で販売されているBYD車は自動車保険に加入できます。国内のすべての保険会社が一律に契約を拒否している事実はありません。
ただし、加入できることと、希望する補償を付けられることは別です。対人・対物賠償保険は引き受けても、自分の車を補償する車両保険は付帯できない場合があります。同じBYDでも車種、型式、車両価格、運転者の年齢や等級によって審査結果や保険料は変わります。
BYDには正規ディーラーで申し込める専用保険もあります。ネットで見積もりができなくても、保険に加入できないとは限りません。
中国車の保険加入を制限する動きが欧州で始まっている
オランダでは一部ブランドの新規契約を停止
オランダの保険会社Univéは、Hongqi、Changan、Voyah、Leapmotor、VinFast、Jaecoo、Omodaなど、一部ブランドの車を所有する新規顧客の受け入れを停止しました。Dongfeng、NIO、Zeekrなどについても、提供する補償を第三者への賠償に限定しています。
一方、BYDやMGは対象外です。生産国だけで一括りにせず、各メーカーの部品供給やアフターサービス体制を基準に判断しています。
英国では見積もり拒否と保険料上昇が発生
英国では、Jaecoo 7、XPeng G6、BYD Seal U、Skywell BE11を対象に保険会社へ見積もりを依頼した調査で、回答の約半数が引受け不可となりました。中国車4台の平均年間保険料は901ポンドで、比較対象となったガソリン車の646ポンドより255ポンド高い結果です。
ただし、BYD Seal Uは比較対象車より安い見積もりも出ています。保険料が必ず高くなるのではなく、ブランドや車種によって差があります。
保険会社が中国車の引受けを制限する4つの理由
補修部品と修理ネットワークの不足
第一の理由は、補修部品を迅速に調達できるか分からないことです。欧州に十分な在庫がなければ中国からの到着を待つため、修理期間が長期化します。その間の代車費用も保険会社の負担になります。
第二の理由は、修理拠点と技術情報の不足です。事故車を修理できる工場や技術者の育成には時間がかかります。修理場所が限られれば、搬送費用や作業待ちも増加します。
EV特有の高額修理と事故データの少なさ
第三の理由は、EVの修理費です。駆動用バッテリーや車体下部が損傷すると、安全確認や高額な部品交換が必要になります。軽い損傷でも修理費が車両価値を上回り、経済的全損となる場合があります。
第四の理由は、長期的な事故・修理データが不足していることです。保険会社は事故率、部品価格、修理日数、全損率などをもとにリスクと保険料を算定します。発売から日が浅く販売台数も少ない車種では予測の幅が大きくなり、保険料を高くする、車両保険を制限する、引受けを見送るという判断につながります。
日本でもBYDの保険加入を断られることはあるのか
一部の保険会社では引受制限の事例がある
日本でも、BYD車について任意保険の引受けを断られたり、任意保険には加入できても車両保険を付けられなかったりした事例があります。特定のダイレクト型保険でBYDは引受けできないと回答された例も確認されています。
しかし、契約者、車種、保険会社ごとの個別事例です。オランダのUnivéのように、複数ブランドを名指しした引受停止は日本で公表されていません。「日本ではBYDの任意保険に入れない」と一律には判断できません。
ネットで見積もれなくても引受け拒否とは限らない
導入直後のメーカーや新型車は、一括見積もりサイトにメーカー名、車名、型式が登録されていない場合があります。オンライン手続きを進められなくても、正式な引受け拒否とは限りません。
電話窓口や代理店では見積もれる場合があります。対人・対物だけでなく、車両保険の可否と保険金額まで確認が必要です。
BYD専用自動車保険の補償内容と引受会社
正規ディーラーでBYD e自動車保険に加入できる
日本では、BYD正規ディーラーが「BYD e自動車保険」を取り扱っています。引受保険会社は東京海上日動、損保ジャパン、SBI損保です。対人・対物賠償、人身傷害、車両保険などの契約に、BYD独自の補償「BYD eプレミアムセレクト」が無償で付帯されます。
独自補償は、タイヤ、フロントガラス、ドアミラー、バンパーなどの修理費用を一定額まで補償します。対象部位、限度額、自己負担額には条件があります。
一般の保険と補償条件を比較する
専用保険が最も安いとは限りません。保険料は等級、年齢条件、使用目的、年間走行距離、免責金額でも変わります。
一般の自動車保険と比較する際は、年間保険料だけでなく、車両保険の補償範囲と保険金額、免責金額、事故時の修理先、代車費用、ロードサービスまで同じ条件で比べる必要があります。
BYD ラッコ(型式:CK66EBS)自動車保険の見積をしてみた
私は長年自動車保険は三井ダイレクトに加入しています。よって今回のサンプルも三井ダイレクトでの見積金額になります。主な条件は・・・
- 50代男性
- レジャー使用
- 走行距離は年間3000km未満
- 車両保険は一般タイプ
にて見積してみました。まず、型式で車両を登録する際にはすぐに車種を選択することができましたので、BYDだから任意保険に加入できないということは感じませんでした。
詳細は割愛しますが同様にソニー損保でも見積してみましたが、ほぼ同様な条件での見積価格は約5万円と三井ダイレクトとほぼ同額の見積金額になりました。
「BYD e自動車保険」はネットでの見積には対応していないと思いますので、今回の見積との価格差は不明です。補償内容も違いますので単純な金額で比較することなく、重視にする内容が保証されているのか?その金額に納得できるのか?が自動車保険の選ぶポイントになると思います。
中国車は購入前に保険と修理体制の確認が必要
BYDなどの中国車は日本で自動車保険に加入できます。ただし、車両保険を付けられない、オンラインで見積もれない場合があります。
欧州の事例が示しているのは、車両本体の価格や装備だけでは判断できない所有コストです。私は中国車の購入を検討するなら、契約前に希望する補償内容で見積もりを取り、事故時の部品供給、認定修理拠点、代車対応をディーラーに確認することが重要だと考えます。
BYDはまだまだ日本車と比較すれば、ディーラーのサービス体制も整っていないと思います。よって、保険と同様に懸念点の事前確認が大切になると思います。
Reference:automobile-magazine.fr
よくある質問(FAQ)
Q1. BYDなどの中国車は日本で自動車保険に入れますか?
日本で販売されているBYDなどの中国車は、自動車保険に加入できます。ただし、保険会社や車種、型式、契約条件によっては、引受けを断られたり車両保険を付帯できなかったりする場合があります。
Q2. 中国車の自動車保険が制限される理由は何ですか?
補修部品の供給に時間がかかること、修理拠点や技術情報が少ないこと、EVの修理費が高くなりやすいこと、事故・修理データが不足していることが主な理由です。
Q3. 欧州では中国車の保険加入が拒否されていますか?
オランダでは、一部の中国系ブランドを対象に新規契約の受付を停止した保険会社があります。英国でも一部車種で見積もり拒否や保険料の上昇が確認されていますが、すべての中国車が一律に拒否されているわけではありません。
Q4. BYDの車両保険を付けられない場合はどうすればよいですか?
オンラインで見積もれない場合は、保険会社の電話窓口や代理店へ問い合わせます。BYD正規ディーラーが取り扱う「BYD e自動車保険」も選択肢になります。
Q5. 中国車を購入する前に保険について何を確認すべきですか?
任意保険に加入できるかだけでなく、車両保険の可否と保険金額、免責金額、修理先、代車費用、ロードサービスを確認します。部品供給や認定修理拠点についても契約前の確認が必要です。




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