BMW M5 G90をダイナモでテスト~実際は何馬力なのか?BMWの高性能セダン「M5 G90」が世界中の自動車ファンや評論家の間で大きな話題となっています。

この新型M5は、4.4リッターV型8気筒ツインターボエンジンと電動モーターを組み合わせたハイブリッド仕様。

メーカー公表のスペックは、合計出力717馬力(PS)と738lb-ft(1,000Nm)のトルク。

さらに0-100km/h加速は3.4秒と発表されています。

しかし、最近行われたダイナモ(シャシーダイナモ)テストにより、これらの数値が控えめに見える結果が出たことで議論を呼んでいます。

この記事のポイント
  1. ダイナモテストで実力判明:BMW M5 G90はダイナモテストで696馬力、729lb-ft(988Nm)をホイール出力で記録。推定エンジン出力は820馬力、859lb-ft(1,194Nm)に達する可能性
  2. BMWの控えめな公表値戦略:BMWは公式発表で717馬力、738lb-ft(1,000Nm)と控えめに発表。実際の性能はそれを超える可能性が高い
  3. ライバル車と互角以上の性能:メルセデス-AMG GT 63 Sと比較してトルクでは劣るものの、加速性能やドライビングフィールで互角の戦いを見せる

公表値とダイナモテスト結果の比較

BMW M5 G90はサーキットで速いのか?

公表値によれば、M5 G90のエンジンとモーターの出力は717馬力、トルクは738lb-ft(1,000Nm)です。

これは、ライバル車であるメルセデス-AMG GT 63 S Eパフォーマンスの831馬力にはやや届かないものの、十分に高性能な数値です。

しかし、アメリカのパフォーマンスショップ「IND Distribution」が、M5 G90をイリノイ州エルクグローブビレッジにある「Performance Eurowerks」のダイナモでテストしたところ、696馬力、729lb-ft(988Nm)がホイール出力として計測されました。

ホイール出力とは、タイヤを介して地面に伝わる実際のパワーを示すもので、エンジン出力とは異なります。

一般的に、ホイール出力はエンジン出力から約15%程度の損失を考慮するため、この結果を逆算すると、M5 G90のエンジン出力は約820馬力、トルクは859lb-ft(1,194Nm)に達する可能性があります。

これはBMWの公表値を大きく上回る結果であり、特にハイブリッドシステムの優れた設計が影響していると考えられます。

BMWが馬力を控えめに公表する理由

BMWがエンジン出力を控えめに発表するのは初めてではありません。

同社は過去にも実際の性能を上回る車を市場に送り出してきました。

この背景には、いくつかの理由があります。

第一に、市場戦略です。

メーカーが公式に発表する出力が控えめだと、実際の試乗やテストで「予想以上に速い」というポジティブな驚きを与えることができます。

第二に、規制への配慮です。

一部の市場ではエンジン出力に関する規制が厳しいため、これをクリアするために控えめな数値を発表することがあります。

例えば、以前のMモデル(M3、M4など)でも、実際の性能が公表値を超えるケースが多く見られました。

この「伝統」は、BMWが持つブランド戦略の一部と言えるでしょう。

ライバル車との比較:M5 G90 vs メルセデス-AMG GT 63 S Eパフォーマンス

M5 G90が対抗するのは、メルセデス-AMG GT 63 S Eパフォーマンスという強力なライバルです。

この車は、公表スペックで831馬力、トルク1,033lb-ft(1,400Nm)を誇り、0-100km/h加速は約3.2秒とされています。

数値上では、AMG GT 63 Sの方が明らかにトルクで優位ですが、実際の加速性能はほぼ同等です。

これは、M5 G90のハイブリッドシステムによるモーターの即応性が大きく影響しています。

低速域でのトルク不足を感じさせず、高速域までスムーズに加速することで、運転中の感覚ではAMG GTと同等、あるいはそれ以上の印象を与える可能性があります。

M5 G90の潜在能力と今後の可能性

今回のダイナモテストは、M5 G90の潜在能力を大きく示しています。

過去のM5(F90型)では、多くのチューニングショップが1,000馬力を超える改造に成功しており、新型G90も同様の可能性を秘めていると考えられます。

特にハイブリッドシステムの進化により、電動モーターが加速性能や効率性を向上させるだけでなく、改造の幅を広げる余地もある点が注目されています。

M5 G90は電動化が進む自動車市場においても、内燃機関とのバランスを保った「最後のピュアパフォーマンスセダン」の一つと言えるでしょう。

M5 G90のダイナモテストが示した真の姿

ダイナモテストの結果から明らかになったのは、BMW M5 G90が公表スペックを超える性能を持つということです。

この車は、ライバルのメルセデス-AMG GT 63 Sと互角以上に渡り合える性能を秘めています。

BMWの「控えめな公表値」は、ファンにとっては驚きと期待をもたらす戦略の一環であり、実際にM5 G90が市場で成功する大きな要因になるでしょう。

さらに、チューニング業界でもこのモデルが注目され、さらなる高性能化が進む可能性があります。

M5 G90は、単なる高性能セダンではなく、BMWが次世代のスポーツカーの可能性を示す象徴的な一台と言えるでしょう。

【ダイナモテストの動画】

BMW M5 G90をダイナモでテスト~実際は何馬力なのか?Worlds First G90 M5 On A Dyno – ???AWHP

Reference:carscoops.com