東海地方の某BMWディーラーのDM
先日FacebookのBMWグループに面白い写真の投稿がありました。
決算大商談会というタイトルで特定の車種の値引き額を書いたDMの写真です。
Facebookの非公開グループに投稿されている写真なので、ここでお見せすることが出来ませんが、そのDMに書かれた値引きの額をここでご紹介させていただきます。
- BMW M2 コンペティション:50万円
- BMW X2 M35i:30万円
- BMW X3M コンペティション:100万円
限定15台の特別価格だそうです。
もちろんこの値引きが適用されるには条件がありまして、2021年3月末までに登録完了出来る車両にのみ適用されるとのこと。
なので、日本に在庫されている車両から選べば値引きの対象になりますが、ドイツの工場に発注しなければいけない車両(日本に在庫がない車両)に関しては、この値引きの対象にはなりません。
過去にいろいろな値引きのDMを見たことがありますが、M2とかX3MなどのMモデルをこのような値引き対象にしているDMは初めて見ましたので、ちょっと驚いたという感じです。
BMW M2 コンペティション F87の値引き50万円は安いのか?
BMW M2 コンペティション F87は今でも人気のあるBMW Mモデルです。
Mモデルの中で唯一1000万円以下で購入出来る車であること、またシャシー、エンジンなどは上位モデルのF82型M4と共有している車であることが人気の原因です。
もうモデルチェンジしてしまいましたが、F82型M4の価格が1300万円程度だったと思いますので、エンジン、シャシーを共有するM2がそれよりも300万円以上安く購入する事ができるのですから、人気が出るのも当たり前ですね。
そんなM2 コンペティション F87が値引きを50万円もしてくれるのなら、これは安いから「買い」ですね、と思う人もいると思いますが、本当に50万円引きは安いのでしょうか?
ネットでM2 コンペティションの値引き情報を探してみましたが、明確に金額が記載されていた値引き額は60万円というのが見つかりました。
またこの写真が投稿されたFacebookグループのコメントだと200万円引きも可と記載があります。
私の過去の経験だと車両価格900万円台の車で値引きを200万円っていうのは余程の理由がないと難しいと思います。
しかし、感覚的には条件が重なれば100万円程度は値引きされる可能性はあると思います。
なので今回のように決算だとか、ディーラーのノルマ達成などの複数の条件が重なった場合には50万円以上の値引きも可能性は十分あると思いますので、50万円引きだけで購入するのは決してめちゃくちゃお得という訳ではないと思います。
どうしてMモデルの値引き額をDMに書いたのか?
そもそもディーラーの決算で売上の積み増しを狙ったDMで、車両価格が1000万円以上するような車の値引き額を書いたDMで効果があるのでしょうか?
900万円のM2 コンペティションが50万円引きでも850万円ですから、安いから買うということにはなりませんよね、850万円も十分高いですから。
しかし、今回東海地方の某ディーラーさんがDMで高額の車の値引き額を表示したのはなぜか?
それはDMに記載した車を売りたいのではなく、大きな値引き額を書いたDMを送りたかったので、必然的に車両価格の高いMモデルが掲載された、ということです。
一般の方はM2 コンペティションの価格を知っていることはないので、値引き額だけがクローズアップされます。
この車が50万円も値引かれるのであれば、自分が欲しいと思っている車はいくら値引きしてもらえるのか?と考えさせることが今回のDMの目的です。
顧客は値引き額を知りたければディーラーで見積もりを買いてもらい、試乗も行って購入の気分を盛り上げてくれるのですから、購入につながる可能性が高くなります。
なので、今回の東海地方の某ディーラーが発送したDMはMモデルを安売りしたい訳ではなく、ディラーへ顧客が来店するきっかけを作るためのDMだと言うことですね。
ディーラーでは1000万円の車が1台売れるよりは500万円の車が3台売れる方が嬉しいですからね。