やっと日本でもJapan Mobility Show 2025で「BMW M2 CS G87」の発売が発表されました。
日本ではわずか87台の限定販売。
その発表の場でBMW M社のフランク・ファン・ミールCEOが「すでに全台完売した」との発言。
個人的には発表、即完売という言葉に違和感を感じますが。。。
最高出力530ps、最大トルク650Nm、0-100km/h加速3.8秒という数字は、スペック以上の存在感を放っていました。
なぜこのモデルがこれほど注目を集め、短期間で完売に至ったのか。
私なりの視点で、M2 CS G87の魅力と背景を整理してみたいと思います。
BMW M2 CS G87とは?限定87台で登場

BMW M2 CS G87は、現行M2をベースにサーキット志向を徹底的に高めた特別モデルです。
名前のCSは“Competition Sport”の略で、Mモデルの中でも最上位グレードに位置づけられます。
今回日本に導入されたのは右ハンドルの87台限定。
メーカー希望小売価格は1,488万円(税込)と発表されましたが、内容を見ればその価値は十分に納得できます。
搭載されるのは、M3やM4にも採用されているS58型3.0リッター直列6気筒ツインターボ。
最高出力は530ps、最大トルク650Nmを発生し、0-100km/h加速は3.8秒(欧州公称値)。
標準M2よりも出力・トルクともに50上がり、まさに“最強のM2”と呼ぶにふさわしい仕上がりです。
軽量化は約30kgで、CFRPルーフやトランク、カーボンセラミックブレーキなどが標準装備。
コンパクトなボディにハイパワーを詰め込む、このBMWらしい哲学に私は2002ターボやE30M3を思い出します。
530psを誇るM2最強モデルのスペック詳細
直列6気筒S58エンジンの圧倒的存在感
まず注目したのは、やはりエンジンです。
M2 CS G87に搭載されるS58型3.0リッター直列6気筒ツインターボは、M3やM4にも使われている名機。
その出力は530ps(390kW)、最大トルク650Nmを発生します。
数字だけを見るとM4 CSに迫る水準で、まさに“小さなモンスター”という表現がぴったりです。
トランスミッションは8速MステップトロニックATのみで、後輪駆動を維持。
0-100km/h加速は3.8秒と公称。
私も機会があればぜひ運転したい、そんなエンジンです。
軽量化で走りの質を高めたCFRP構成
M2 CSでは、ルーフやトランクリッド、ドアミラーキャップ、ディフューザーなどにCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用し、標準M2比で約30kgの軽量化を実現しています。
加えて、カーボンセラミックブレーキやMカーボンバケットシート、CFRP製センターコンソールも標準装備。
これらの素材使いが、単なるパワーアップモデルではないことを証明しています。
走行性能だけでなく、ステアリングレスポンスやブレーキフィールの向上にも大きく寄与しているはずです。
シャシーと制御系の専用チューニング
シャシーは専用セッティングが施され、エンジンマウントやサスペンション、DSC/MDMの制御が最適化されています。
ローダウンサスペンションにより重心が下がり、コーナリング中の安定性がさらに向上。
電子制御式アクティブMディファレンシャルの反応も繊細になり、限界域での挙動がより自然になっています。
ここで採用されているBMW純正ローダウンサスペンション。
パーツとして購入できるのであれば、純正ローダウンができますね。
内外装デザインと限定カラー
機能と美しさを両立したエクステリア
私がM2 CS G87を見てまず感じたのは、機能とデザインのバランスが絶妙だということです。
ルーフやトランク、ディフューザーにはCFRPが惜しみなく使われ、見る角度によって光の反射が変化します。
カーボンの繊維模様がそのまま残されたルーフは、軽量化と空力性能を両立する象徴のような存在でした。
トランク形状は大型化されたダックテール風リアスポイラーが、Mモデルらしい迫力を感じます。
レッドキャリパーのカーボンセラミックブレーキやブラック×レッドのCSロゴバッジなど、細部に宿る演出が「限定車」であることを強く印象づけていました。
特別感を演出する内装とカラーラインナップ
インテリアもまた、レーシングスピリットが随所に感じられます。
アルカンターラ仕上げのステアリングには赤いセンターマークが入り、シフト操作のたびに気持ちを高めてくれます。
CSロゴが光るCFRP製センターコンソール、Mカーボンバケットシートの包み込むような形状も印象的でした。
ボディカラーは
- ベルベットブルー
- Mポルティマオブルー
- サファイアブラック
- ブルックリングレー
の4色展開。
アルピンホワイトの設定がないのが不思議ですが、個人的には赤いボディカラーの設定が欲しい。
BMWは最近カタログモデルでも赤の設定が少ないので、限定車には赤系のボディカラーを設定してくれるとうれしいのですが。
BMW社長が語った「すでに完売」発言の背景
Japan Mobility Show 2025でのサプライズ発言


Japan Mobility Show 2025の会場で、BMW M社CEOのフランク・ファン・ミール氏が「日本向けの87台はすでに完売した」と発言。
正式な発売が発表された直後にもかかわらず完売していたという話を知り、先代のM2 CS F87と同じであることを思い出しました。
しかし報道によれば、世界での生産台数は2,000台未満、日本には87台が割り当てられたとのこと。
87/2,000=4.4%
世界での割当はアメリカ、欧州、中国が多いと聞いていますので、BMWとしては日本に4.4%も割り当ててくれたことに感謝するしかありません。
先代のM2 CS F87は60台しか割当がなかったですから。
ディーラー主導販売がもたらした影響
今回の販売方式には少し複雑な印象を持ちました。
確か先代のM2 CS F87も同じディーラーへの直接申し込み制でしたが、その時のクレームが大きかったためにその後は限定車の購入はインターネットの抽選方式に改められたはずです。
つまり、販売店とのつながりが強い顧客や、情報を早く入手できた人ほど有利な状況になりがちです。
もちろん、限定モデルをすぐに売り切る戦略はブランド価値を高める狙いがあるのかもしれません。
しかし、長年BMWを愛してきたファンの中には、「公平にチャンスが欲しかった」と感じた人も少なくないはずです。
完売の裏にある販売構造こそ、今後のBMWが見直すべきポイントだと私は思います。
まとめ:BMW M2 CS G87は“究極のM2”として伝説に
BMW M2 CS G87は、530psという圧倒的なパワーと軽量化技術を融合させた、まさに“究極のM2”だと感じます。
走行性能・デザイン・質感のどれを取っても完成度が高く、M2シリーズの到達点と言っていいでしょう。
一方で、今回の販売方式には課題も見えました。
ディーラーへの直接申し込み制となったことで、情報を早く得た一部のユーザーが優先された印象があります。
限定車の希少性を守る狙いは理解できますが、オンライン抽選のように公平性を担保する仕組みがあってもよかったのではないでしょうか。
完売というニュースの裏には、ファンの熱意と同時に、今後のBMW販売戦略に対する問いが残ったように思います。
Reference:bmwblog.com / press.bmwgroup.com
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW M2 CS G87の日本導入台数と価格は?
日本導入は右ハンドルの87台限定で、メーカー希望小売価格は1,488万円(税込)です。限定車らしい装備が標準化されています。
Q2. スペック(出力・トルク・加速性能)はどのくらい?
最高出力530ps、最大トルク650Nm、0-100km/hは3.8秒(欧州公称値)です。M2の中で最上位の性能を実現しています。
Q3. トランスミッションや駆動方式、軽量化の特徴は?
8速MステップトロニックATのみ、後輪駆動(FR)です。CFRPを多用して約30kgの軽量化を達成し、剛性と応答性を高めています。
Q4. ボディカラーは何色が選べますか?
ベルベットブルー<Velvet Blue metallic(Individual)>、サファイアブラック<Sapphire Black>、ブルックリングレー<Brooklyn Grey>、Mポルティマオブルー<M Portimao Blue>の4色展開です。
Q5. 「すでに完売」の出所と販売方式は?
Japan Mobility Show 2025でBMW M CEOフランク・ファン・ミール氏が日本向け87台の完売を明言。今回はディーラー申込制で、オンライン抽選は実施されませんでした。









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