BMW Individual(インディビジュアル)は、BMWが提供するオーダーメイドプログラムであり、世界中の顧客が自分だけの特別な1台を作り上げることを可能にしています。
特徴的なのは、標準ラインナップでは選べない300色以上のボディカラーや、多彩なインテリアオプションです。
さらにBMWは、ドイツ・ディンゴルフィング工場に新しい塗装施設を建設し、総額3,000万ユーロを投資することを発表しました。
これにより、Individualカラーの選択肢はさらに拡大し、納期短縮や品質向上も期待されています。
本記事では、BMW Individualの特徴とカラー展開、そして新塗装工場がもたらす戦略的な意味を詳しく解説します。
- 世界300色・国内150色超:世界約300色、国内150色超の選択肢を整理。モデル別対応も解説。
- 仕上げとケアの要点:メタリック、マット、ツートンの特徴と日常メンテの注意点を説明。
- 新塗装工場投資の狙い:3,000万ユーロ投資で塗装時間短縮と供給力強化。納期改善に期待。
BMW Individualとは何か
BMW Individualとは、既存のモデルに顧客一人ひとりの個性を反映させるための特別プログラムです。
標準仕様の車両でも十分に魅力的ですが、Individualを選ぶことで外装や内装、素材や仕上げまでを自由にオーダーできます。
たとえば、専用のボディカラーやレザー、ウッドトリムを組み合わせることで、唯一無二のBMWを作り上げることができます。
さらに、加工や仕上げには熟練した職人の手作業が取り入れられており、量産車でありながら高級オーダーメイド車のような品質を実現している点が特徴です。
顧客にとっては、自分の個性を反映した世界に一台だけのBMWを手にすることで、所有する喜びが一層深まるのです。
BMW Individualのボディカラーは何色選べる?

世界では300色、日本では150色以上
BMW Individualの最大の特徴は、圧倒的に豊富なボディカラーの選択肢です。
海外では約300色が設定されており、標準ラインナップでは選べない色合いを自由に選択することができます。
一方、日本市場ではすべてのカラーが導入されているわけではなく、選べるのは150色以上に限定されています。
つまり国内でも十分なバリエーションがありますが、本国と比べるとやや絞られているのが現状です。
これは輸入体制や市場ごとの需要を考慮した結果であり、グローバルと国内でラインナップに差があるのです。
メタリック、マット、ツートンの多彩な仕上げ
BMW Individualでは、ただ色数が多いだけでなく、塗装の種類も多彩です。
光の反射で輝きが変化するメタリック塗装、独特の質感を放つマット塗装、そして上下で異なる色を組み合わせるツートン塗装などが用意されています。
たとえば「フローズン・ブラック」のような深みのあるマット仕上げや、「マカオ・ブルー」の鮮烈な発色は、標準仕様では得られない特別な存在感を演出します。
また、7シリーズやX7には専用のツートン塗装も設定され、プレミアムセダンや大型SUVに相応しい気品を与えています。
日本での選択肢と納期
日本でIndividualカラーをオーダーする場合、正規ディーラーを通じて選択可能ですが、納期は標準色に比べて長くなる傾向があります。
これは特殊な塗装工程が必要なためで、数か月単位で追加されるケースもあります。
ただしBMWは、ドイツ・ディンゴルフィング工場に新しい塗装施設を建設し、今後は生産効率が向上すると発表しています。
この工場が稼働することで、Individualカラーの納期は従来より短縮され、日本市場でもよりスムーズに選べるようになると期待されています。
つまり、現在でも150色以上から十分に個性的な選択が可能ですが、今後はさらに多様なカラーが身近になる可能性が高いのです。
BMWが3,000万ユーロを投資する新塗装工場
ディンゴルフィング工場に新たな設備を建設
BMWはドイツ南部のディンゴルフィング工場に、総額3,000万ユーロ(約48億円)を投じて新しい塗装施設を建設すると発表しました。
着工は2025年9月、稼働開始は2027年春を予定しています。
新施設は二層構造で延べ2,000平方メートル以上の広さを持ち、従来以上に複雑で高度な塗装工程に対応することができます。
ここでは標準のカラーリングに加え、ツートンや特注カラーといった特別な仕上げが施される計画です。
量産工程と手作業を融合させた仕上げ

新工場では基本的な下地塗装やクリア仕上げは量産ラインで行い、特殊な塗り分けやストライプ、ツートンカラーなどは職人の手作業で仕上げられる方式が採用されます。
これにより、高品質と効率を両立させつつ、顧客の多様な要望に応えられる体制が整います。
過去にはM4 CS VR46 Editionや3.0 CSLのような限定車が高い技術を要する塗装で仕上げられましたが、今後はこのような特殊仕様をより効率的に生産できる環境が整うことになります。
納期短縮とコスト削減の効果
BMWによれば、新しい塗装工場の稼働により、Individualカラーの塗装時間は従来比で約25%短縮される見込みです。
これにより顧客の納車待ち期間が改善され、結果として日本市場のユーザーにもメリットが波及する可能性があります。
さらに、1台あたりの塗装コストも削減されるとされており、今後は高付加価値な特別塗装をより多くのモデルに展開できる基盤が整うことになります。
もっとも、価格が下がるとは限らず、プレミアム感を維持するためにむしろ高額なオプションとして位置づけられる可能性もあります。
新塗装工場の整備は、単なる設備投資にとどまらず、BMWが高級車市場における差別化をさらに強化するための戦略的な一手と言えるでしょう。
BMWの戦略とIndividualの未来
個性を求める顧客層への対応
自動車市場では近年、単なる移動手段としての価値よりも「自分だけの一台」を求める傾向が強まっています。
特に高級車分野では、他人と違う仕様を選ぶことがブランド価値を高める重要な要素となっています。
BMW Individualの拡充は、まさにこうした顧客の要望に応える取り組みです。
多彩なボディカラーや特注仕上げは、BMWを単なる高性能車ではなく、所有する喜びを提供する存在へと引き上げています。
新塗装工場がもたらす経営的メリット
新たに建設されるディンゴルフィング工場の塗装施設は、単なる設備拡張ではなく、BMWの長期戦略に直結しています。
塗装時間の25%短縮やコスト削減は、生産効率の向上だけでなく、より幅広いモデルにIndividualカラーを展開できる基盤を整えることを意味します。
さらに、高価格帯のオプションとして設定することで収益性を確保しつつ、ブランドのプレミアム性を高める狙いもあると考えられます。
これは単なる顧客満足度向上策ではなく、収益拡大を見据えた投資なのです。
ALPINA統合と今後の展望

2026年にはBMWに統合されるALPINAブランドも、この新工場の恩恵を受けるとみられています。
ALPINA専用モデルへの特注カラーや、7シリーズやX7の特別仕様への展開が想定されており、今後はより多彩な選択肢が生まれるでしょう。
日本市場でも、従来は選択できなかったカラーや仕上げが導入される可能性が高く、Individualはさらに魅力的なプログラムへと進化すると期待されます。
まとめ:BMW Individualカラーの魅力と投資戦略
BMW Individualは、世界で300色、日本でも150色以上の豊富なカラーを選べるプログラムとして、多くの顧客に特別な一台を提供しています。
新塗装工場への3,000万ユーロ投資により、納期短縮や品質向上が実現すれば、より多くのモデルで個性を表現できる環境が整うでしょう。
BMWは単に車を販売するだけでなく、顧客に「唯一無二の体験」を提供することを重視しており、その戦略がブランド価値と収益性の両立につながっています。
今後、BMW Individualは高級車市場での競争力をさらに強める重要な柱となるはずです。
私は以前新車を購入する際に「イモラ・レッド」のIndividual(インディビジュアル)をオーダーできるのか?を確認してもらったことがあります。
残念ながら当時は「イモラ・レッド」は発注できないと言われてBMW Individualを諦めたことがありました。
今後はいろんな車種でいろいろなボディカラーや内装が日本でも選択できるようになればと思います。
Reference:bimmertoday.de
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW Individualのカラーは何色まで選べますか?
世界全体では約300色の設定があり、日本市場ではそのうち150色以上が選択可能です。国やモデル、時期により取り扱い可否が異なるため、最新の対応状況は正規ディーラーで確認してください。
Q2. 日本での注文方法は?在庫車にも適用できますか?
基本は正規ディーラー経由での新車オーダー時に指定します。在庫・展示車への後付けは不可が一般的で、工場生産段階での塗装指定が前提です。希望色が国内未導入の場合は代替提案が行われます。
Q3. どのモデルでもIndividualカラーを選べますか?
多くの現行モデルで選択できますが、車種専用色や非対応色があります。7シリーズのツートンやXモデル専用色など、モデル固有の設定もあるため、対象可否は車種ごとに確認が必要です。
Q4. 納期はどのくらいかかりますか?
標準色より長くなるのが一般的で、数か月単位で延びることがあります。ドイツ・ディンゴルフィングの新塗装施設稼働(計画)により、将来的には塗装時間の短縮と納期改善が見込まれます。
Q5. マット塗装やツートンの手入れで注意する点は?
マットはワックスや研磨系コーティングが使えない場合が多く、専用ケア用品と手洗いが推奨です。ツートンやストライプは境界部の扱いに注意し、洗車機よりも丁寧な手洗いが望ましいです。
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