BMWが公式にi3 ツーリング NA1の発売を明言しました。2025年から始まるBMWの新戦略「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」において、このモデルは重要な役割を担うと見られています。伝統的な“ツーリング”というボディ形状を現代のEVで復活させるという決断は、単なる製品発表にとどまらず、ブランド戦略全体にも大きな影響を与えるものです。
この記事では、BMW幹部による公式インタビューの内容をもとに、新型i3ツーリングの全貌を詳しく解説いたします。
- BMW幹部が「i3ツーリング NA1」の発売を明言:BMW幹部が公式にi3ツーリングの市販化を明言しました。
- Neue Klasseアーキテクチャ採用で性能大幅向上:次世代EV基盤「Neue Klasse」で走行性能や航続距離が向上します。
- 実用性×走行性能を両立した電動ツーリングワゴン:300馬力のRWDや広い荷室で、実用性と走りを両立したEVです。
BMW幹部が明言!i3ツーリング発売確定の根拠とは

BMW i3 ツーリング NA1の発売が確定した背景には、BMW幹部の明確な発言があります。BMWグループのチーフデザイナーであるアドリアン・ファン・ホーイドンク氏は、英『Autocar』誌のインタビューにおいて・・・
「ツーリングモデルは復活しつつあり、我々はその流れを推進していく」
と述べています。
特にM3ツーリングやM5ツーリングが欧州を中心に好調な販売を記録していることから、i3にもツーリング仕様が展開されることが既定路線であると明言しました。
さらに、BMWのプロダクト責任者であるベルント・ケルバー氏は、i3という名称を再び使用する方針を語りました。彼は
「“i”のバッジは今後もEVモデルを示すものとして維持する」
と述べ、EVモデルと内燃機関モデルとの区別をつけながらもデザインや装備の差別化を避けるという哲学を示しています。この発言は、i3という名称が一時的に姿を消していたグローバル市場において、改めて統一されたモデル名として復活することを意味しています。
これらのインタビューは、いずれも公的かつ信頼性の高いメディアで報じられており、単なる観測ではなく事実に基づいた公式見解と捉えるべきです。すなわち、新型BMW i3ツーリングは構想段階を超え、すでに市販化を見据えたプロジェクトとして動いていることが明らかになったのです。
Neue Klasseとは何か?i3ツーリングの新たな基盤

BMW i3 ツーリング NA1は、BMWの次世代EV戦略の中核を成す「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」と呼ばれる新アーキテクチャの上に構築されます。このNeue Klasseは、EV専用設計としてゼロから開発されており、従来の内燃機関車ベースのプラットフォームとは一線を画します。
具体的には、車体下部にフラットに配置されたバッテリーパックによる低重心設計、軽量素材の積極的な採用、そして空力性能に優れたボディ形状が特徴です。これにより、走行安定性や航続距離の向上、さらには効率的なパワー伝達が可能となります。
さらに、Neue Klasseでは先進運転支援システム(ADAS)の統合も前提とされています。複数のセンサーやカメラ、LiDAR技術を自然に搭載できる設計となっており、自動運転に向けたプラットフォームとしても極めて高い将来性を持っています。
加えて、BMWが提唱する「Vision Dee」で示された次世代インターフェース、つまり音声認識やARヘッドアップディスプレイなども採用される見込みです。これにより、i3ツーリングは単なる移動手段にとどまらず、高度なデジタル体験を提供するEVとして新たな価値を生み出します。
なぜ「ツーリング」ボディなのか?復活の理由と市場の変化

BMWが新型i3にツーリングボディを導入する決定は、単なるバリエーション追加ではなく、過去数年の市場動向を反映した戦略的な選択です。その背景には、M3 TouringやM5 Touringといった高性能ワゴンモデルが成功を収めている事実があります。これらのモデルは、従来セダンが主流とされていたスポーツカー市場において、ワゴンボディでも走行性能と実用性が両立できることを証明しました。
特に欧州市場では、ワゴン(エステート)車はファミリーユースや長距離移動における快適性と荷室容量の大きさから根強い人気を持っています。ドイツ、スウェーデン、フランスなどでは、セダンよりもワゴンの販売比率が高いことも珍しくありません。BMW自身も過去に3シリーズや5シリーズのツーリングモデルを多く展開しており、ブランドの中核を成す存在として定着しています。
しかし近年はSUV人気が高まり、ワゴン車の存在感がやや薄れていたのも事実です。そこでBMWは、ツーリングのスポーティなデザインと実用性をEVという新たな技術領域で再定義しようとしているのです。これは、単に過去のモデルをEV化するのではなく、EV時代にふさわしい新たな「走れるワゴン」を創出する取り組みといえます。
技術スペックと走行性能:300馬力RWDから次世代AWDまで
新型BMW i3 ツーリング NA1の心臓部には、約300馬力を発揮するリア駆動(RWD)モーターが搭載されると予想されています。BMWが長年培ってきた後輪駆動の走行特性は、EVとなっても継承される方針で、滑らかで力強い加速性能と正確なステアリングフィールが特徴となります。これにより、EVでありながら“駆けぬける歓び”というBMWのコアバリューが保たれる設計となっています。
さらに、将来的には全輪駆動(AWD)仕様の追加も計画されており、雪道や雨天時の走行安定性を求めるユーザー層にも対応が図られます。AWDモデルでは、前後に独立したモーターを搭載することで、トルク配分を電子制御で最適化することが可能となり、より高い走行性能が期待されます。
バッテリーに関しては、Neue Klasse世代のBMW EVに採用される新開発のバッテリーセルが搭載される見込みです。これによりエネルギー密度が向上し、1回の充電での航続距離が大幅に伸びることが期待されます。現行のi4やi5の数値を超える可能性もあり、テスラ・モデル3との真っ向勝負が視野に入ってきます。
また、BMWは高性能EVの開発にも力を入れており、Vision Neue Klasse Mというコンセプトカーを通じて、将来的な電動Mモデルの方向性を示しています。これが市販化されれば、i3ツーリングのMパフォーマンスバージョンとして、4モーター構成や高度な熱管理システムを搭載したハイパフォーマンスEVが誕生する可能性もあります。
i3ツーリングのデザイン・内装と最新デジタル体験
新型BMW i3 ツーリング NA1は、従来のBMWらしいエレガンスとEV時代にふさわしい先進性を融合させたデザインで登場する見込みです。そのビジュアルの方向性は、「Vision Neue Klasse」や「Vision Dee」といった近年のコンセプトモデルに強く影響を受けています。特に、簡素かつ未来的なフロントフェイス、滑らかなボディライン、エアロダイナミクスを重視した形状は、電動化の象徴とも言えるものです。
内装面では、デジタル体験の飛躍的な向上が期待されています。BMWは「Vision Dee」で披露したように、音声による車両操作、ジェスチャー認識、そしてAR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ(AR HUD)の採用を進めており、これらがi3ツーリングにも搭載される可能性が高いです。これにより、運転者は道路情報やナビゲーションを視線を逸らすことなく確認でき、安全性と利便性の両立が実現します。
また、ツーリングというボディ形状ならではの利点として、大容量の荷室スペースとシートアレンジ性が挙げられます。ファミリー層やアウトドアユーザーにとって重要な積載性と多用途性を提供しつつ、高品質な素材と静粛性に優れた室内空間を持ち合わせることで、上質なドライビング体験を提供します。単なるEVワゴンではなく、プレミアムセグメントにふさわしいラグジュアリーな室内設計が追求されています。
まとめ:i3ツーリングが体現するBMWの未来戦略
BMW i3 ツーリング NA1の登場は、同社がEV市場でどのようなポジションを目指すのかを明確に示しています。単に電動化するだけではなく、BMWが長年培ってきた走行性能と運転の楽しさ、そしてツーリングモデルの実用性を融合させることで、EVでも“駆けぬける歓び”を提供するという強い意志が感じられます。
BMWはNeue Klasseを通じて、次世代の車両アーキテクチャ、デジタル技術、持続可能な生産体制を包括的に刷新しようとしています。その中でi3ツーリングは、プレミアムEVワゴンという新たな市場カテゴリを確立するフラッグシップモデルとなる可能性を秘めています。300馬力超のパワートレイン、長距離航続を実現するバッテリー、そしてAR HUDや音声UIなどの革新技術が、未来のBMW像を具現化するのです。
また、日本市場においてもこのモデルの登場は高い関心を集めるでしょう。従来のi3も都市部を中心に一定の支持を集めてきましたが、新型i3ツーリングはより広いユーザー層、特にファミリー層や長距離ユーザーにも訴求できる設計となっているため、導入が実現すれば注目のEVとして話題になることは間違いありません。
今回のBMW幹部の発言によるi3 セダン ZA0にプラスしてi3 ツーリング ZA1の発売及び期待の高さが予想される背景には、SUV人気、セダン離れの現状を変えることを期待しているのだと思います。
BMWの屋台骨を支える3シリーズのセダンの販売台数は徐々に減少することが予想されます。よって、セダンの代わりにツーリングの販売台数を伸ばすことができれば既存のSUVとともに販売台数を伸ばすことが可能です。
欧州では元々ツーリングは人気の高い車種であることから、その流れを欧州以外の地域へも広げることで生産効率も向上するのではないでしょうか?
Reference:autocar.co.uk
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW i3 ツーリング NA1の発売時期はいつですか?
BMW i3 ツーリング NA1は、2025年以降に発売される見込みです。BMWはNeue Klasse(ノイエ・クラッセ)という次世代EVプラットフォームの展開を2025年から本格化させる計画であり、その第二弾モデルとしてi3 ツーリングが位置づけられています。
Q2. 新型BMW i3と以前のi3との違いは何ですか?
従来のBMW i3はコンパクトな都市型EVハッチバックでしたが、新型i3 ツーリング NA1は、3シリーズクラスのサイズを持つプレミアム電動ワゴンとして開発されています。プラットフォームも一新され、Neue Klasse専用設計によって性能、航続距離、デジタル機能が大幅に進化しています。
Q3. BMW i3 ツーリング NA1の航続距離はどれくらいになりますか?
正確な航続距離はまだ公開されていませんが、Neue Klasseで採用される新型バッテリーセル技術により、従来モデルよりも高いエネルギー密度が実現されると予想されています。参考までに、現行のi4やi5では500km以上の航続が可能であり、i3ツーリングも同等以上が期待されています。
Q4. BMW i3 ツーリングには四輪駆動(AWD)モデルもありますか?
現時点ではベースモデルが後輪駆動(RWD)で登場すると見られていますが、BMWは将来的にAWD仕様の展開も計画しています。これにより、悪天候時の走行安定性や高性能走行を求めるユーザーにも対応できるようになります。
Q5. 日本市場でのBMW i3 ツーリング NA1の発売はありますか?
公式な発表はまだありませんが、日本でも初代i3は一定の販売実績があり、新型i3 ツーリングもファミリー層やプレミアムEV志向のユーザーに支持される可能性が高いです。今後の動向に注目が集まっています。
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