BMWが導入した新しいG60モデルの5シリーズセダンは、その大きなサイズとEV(電気自動車)モデルにより、購入する際の選択肢が多様化しています。この記事では、アメリカを含む世界市場で利用可能なグレードに焦点を当て、おすすめのモデルについて考察します。
アメリカで利用可能なモデル
BMW 530i G60(日本未導入)
BMW 530i G60はアメリカの基本モデルで、B48四気筒ターボエンジンを搭載しています。
マイルドハイブリッドテクノロジーにより、255馬力と295ポンドフィートのトルクを発揮します。
効率が重視されるならば、リアホイールドライブの530iがおすすめです。
アメリカではこの530iが一番低価格な5シリーズ G60になります。
欧州や日本で導入されている520i(日本では523i)は、馬力不足ということでアメリカには導入されていません。
BMW 540i G60(日本導入は未定)
BMW 540iはxDriveのみ利用可能で、B58 6気筒エンジンを搭載しています。
375馬力と384ポンドフィートのトルクを誇り、4.4秒で60 mphまで加速します。
高性能を求めるならば、540iが適しています。
私も以前であれば5シリーズ=6気筒=540iが一番欲しいグレードでした。
しかし、現在のガソリン価格の高騰と現在の愛車であるBMW X4 xDrive20d G02で初めて体験したディーゼルエンジンの良さに満足であることを考えると、街乗りがメインであり、かつ装備があまり変わらないのであれば540i以外の選択肢も十分にあると考えています。
BMW 550e G60(アメリカでは春に登場予定)
550e xDriveはプラグインハイブリッドで、B58 6気筒エンジンと電動モーターを組み合わせています。
489馬力と40マイルの電気走行が期待されます。
環境への配慮が重要ならば、550eが適しています。
6気筒ガソリンエンジン+モーターのハイパワーなハイブリッド車は、日本には導入されることはないと思われます。
それだけのパワーと環境を考慮するのであれば、i5系のEVのグレードを選択する方が満足度が高いと思われます。
BMW i5 eDrive40 G60 & BMW i5 M60 G60(日本導入済み)
完全な電気自動車を希望する場合は、i5 eDrive40とi5 M60が選択肢です。
それぞれ335馬力と593馬力を搭載し、異なる走行性能と航続距離を提供します。
5シリーズは旧7シリーズ F01とほぼ同じボディサイズになっています。
そのため価格的にも装備的にも1ランクアップした車格になっています。
日本において日常的長距離走行の距離が100km~200km以下ということを考えると、車格にマッチした静粛性と環境に配慮できる高級EVとしてi5は最適です。
このクラスの車を購入できる顧客の多くは自宅に充電設備を取り付けることは比較的容易であると思われるため、よりEVのデメリットを解消することができると思います。
アメリカでは利用できないモデル
BMW 520d(日本名;523d)日本導入済み
ヨーロッパで利用可能な低出力ディーゼルモデル。
欧州市場で入手可能な場合、経済性とパワーのバランスを求める選択肢となります。
おそらく日本でのBMW 5シリーズ G60の本命のグレードはこの523dになると思われます。
EVはまだまだ不安、価格も高くなったことを考えると比較的低価格で購入できる5シリーズ G60として本命になると思われます。
先代のG30型5シリーズでも販売期間中盤以降は、523iよりも523dの方が人気が高かったことを考えると現行型のG60型5シリーズでは、より存在感が増すグレードになると思われます。
BMW M560e xDrive(発売される可能性は低い)
より強力でスポーティな550e xDriveのバリエーション。
欧州市場向けで550馬力以上の出力が期待されます。
こちらはもうi5 M60 G60にバトンタッチすることになるグレードだと思われます。
または、2025年に日本でもアメリカでも販売予定のBMW M5セダン G90及びM5ツーリング G99を購入する方が幸せだと思います。
BMW 520i(日本名:523i)日本導入済み
アメリカではパワー不足として長年導入されていないグレードですが、日本やその他の地域では販売されているBMW 5シリーズのベーシックグレードです。
しかし、近年では523iよりも523dの方が経済性が高く、トルクが大きいためドライブフィールも楽しめる523dが日本では主役になっています。
私もBMW X4 xDrive20d G02を購入して思いましたが、一昔前にディーゼルエンジンとは全く異なる印象を得ています。
確かにエンジンが高回転まで伸びないところは不満がありますが、逆に低速トルクで走るのでアクセルを踏み込む必要がありません。
また、車内ではディーゼルエンジンの音、振動を気にすることがほぼありませんので、高級セダンである5シリーズでもディーゼルエンジンに不満を持つ方は少ないと思われます。
そのため、今後は日本でも523iはあまり売れないグレードになる可能性が高いと思われます。
BMW 5シリーズセダン G60のおすすめのグレードは?
このように、G60モデルの5シリーズにはさまざまな選択肢があります。
購入の際には、予算や好み、地域の充電施設などを考慮して、最適なグレードを選択することが重要です。
BMWファンや新しいユーザーにとって、G60は様々なニーズに対応する魅力的な車種と言えるでしょう。
これらの全てのグレードが日本で購入できないため単純に比較はできませんが、日本でBMW 5シリーズ G60を購入するのであれば、EVに対して不安、不満がないのであれば、BMW i5 eDrive40 G60が一番良いと思われます。
価格は少し高くなりますが、経済性、静粛性など1ランク上の走りと装備を得ることができます。
私のようにまだEVに対して不満や不安があるのであれば、BMW 523d G60であればデメリットを感じること無く1ランク上の雰囲気を感じることができると思います。
Reference:bmwblog.com