世界的に絶滅危惧種になりつつあるマニュアルトランスミッションですが、BMWはいつまでマニュアルトランスミッションを作り続けるのでしょうか?

マニュアルトランスミッション販売比率は10%

BMW M社の製品管理責任者であるハーゲン・フランケによるとBMW M社の世界販売の中でマニュアルトランスミッションが占める割合は約10%とのこと。

しかし、その多くは北米での販売に偏っていることから、北米以外の地域ではマニュアルトランスミッションの販売比率は10%を下回っている模様。

なので新型M3 G80/M4 G82でも設定されているマニュアルトランスミッション車も北米などの主要な地域では販売されているが、その他の地域においてはマニュアルトランスミッションは設定されていない地域も多数存在するらしい。

つまり、世界販売台数のマニュアルトランスミッションの比率が10%というのが如何に北米に依存した数字であるということは誰の目にも明らかである。

やはりマニュアルトランスミッションは世界的に見ても絶滅危惧種的な存在であると言えそうです。

BMWはマニュアルトランスミッションをいつまで作り続けるのか?

同じくBMW M社のハーゲン・フランケはマニュアルトランスミッションに関しては、それを希望するユーザーがいる限り作り続けることになると伝えています。

かつてAT車に比べて速く走らせることが出来るのがマニュアルトランスミッションという認識がありましたが、現在は技術的な進歩でマニュアルトランスミッションよりもATの方が車を速く走らせることが出来ることを知っています。

なのでマニュアルトランスミッションの存在価値は速く車を走らせるものではなく、車を楽しく走らせるものへと変化しました。

BMW M社としては車を楽しく走らせることが出来るマニュアルトランスミッションの存在価値を認識しているため、それを求めるユーザーがいる限りはマニュアルトランスミッションを作り続けたいと考えている模様。

しかし、それにも限界があるためマニュアルトランスミッションを存続させたいのであれば、多くのユーザーがマニュアルトランスミッション車を購入する必要があると思います。

北米ではなぜマニュアルトランスミッションが好まれるのか?

日本で販売される車の80%はAT車と言われている中でアメリカでは底堅くマニュアルトランスミッションが売れ続けています。

しかし、アメリカでマニュアルトランスミッションが売れているのはBMW Mモデルなどのハイパフォーマンスカーに限定される現象で多くの乗用車のAT比率は日本と同様に高い比率を維持しています。

それとは逆にBMW Mモデルのにおいてマニュアルトランスミッションが多く販売されているのはなぜか?

それはBMW Mモデルのようなスポーツカーを乗るユーザーが車の運転を楽しむためにマニュアルトランスミッションを選んでいるからと思われます。

現在のマニュアルトランスミッションは車を楽しく走らせるツールであり、その楽しさを体現できるパフォーマンスのある車(BMW M社やポルシェなども含まれると思われる)のオーナーがそれを望む傾向が強いからではないでしょうか?

ポルシェもユーザーからリクエストが多いマニュアルトランスミッション車を商品化していますが、その売れ行きはリクエスト数ほど多くないことを認めています。

結局はマニュアルトランスミッションは車好きなユーザーにとって憧れの存在であり、現実とのギャップが存在しているのだと思います。

マニュアルトランスミッション車に乗りたいけど、実際に購入する時には無難なAT車を選択するということでしょう。

【引用・参照元】