BMW M部門が2029年までに約30車種のMおよびM Performanceモデルを展開していくという計画が、インタビュー記事で明らかになりました。
しかし、この「30車種」という数字だけが一人歩きし、すべてがフルMモデルとして登場するかのように受け取られているケースも少なくありません。
そこで本記事では、現時点で整理できる情報をベースに、30車種計画の意味とモデル構成の考え方を分かりやすく解説していきます。
BMW Mの今後を理解するうえで重要なポイントを、まずは基本から整理していきましょう。
❗️記事3行まとめ
✓2029年までに発売されるBMW M/M Performance30車種はEV比率が大幅増加
✓BMW M30車種予想の中心はフルMよりM Performance拡大
✓BMW M30車種計画はSUVとノイエクラッセ EVが中核構成
BMW M部門「30車種計画」とは
BMW Mが掲げる「30車種計画」は、BMW Mを統括するフランク・ファン・ミール氏の発言によって明確になったものです。
ここでいう30車種とは、フルMモデルだけを指すのではなく、M Performanceモデルを含めたラインナップ全体を意味しています。
つまり、従来のような限られた高性能モデルの展開ではなく、Mブランド全体を拡張していく方向性が示されたと言えます。
背景には、近年のMブランド販売拡大や電動化への対応がありますが、重要なのは「モデル数の増加」そのものではなく、Mブランドの役割が広がりつつある点です。
今後のBMW Mを理解するうえでは、フルMとM Performanceという二つの軸で整理していく必要があります。
フルMとM Performanceの違い
フルMモデルとは
フルMモデルは、BMW M社が開発段階から深く関与する高性能モデルです。
エンジン、シャシー、ブレーキ、冷却系などを専用設計し、サーキット走行も視野に入れた仕様となります。
M3やM4、M5といった車種が代表例であり、走行性能そのものを追求することが最大の特徴です。
価格帯も高く、BMWブランドの中でも象徴的な存在といえます。
M Performanceモデルとは
一方のM Performanceモデルは、標準モデルをベースにしながら、出力や足回りを強化しスポーティさを高めた仕様です。
フルMほど過激ではなく、日常使いと高性能を両立する点が大きな魅力です。
近年はM340iやX5 M60iのように、多くの車種で設定されており、電動化モデルでも同様のポジションが拡大しています。
なぜ30車種という数字になるのか
30車種という規模が成立する理由は、まさにM Performanceモデルの存在にあります。
フルMだけでこの数字を実現するのは現実的ではなく、実際にはM Performanceの拡充が計画全体を支える構造です。
つまり今回の30車種計画は、Mブランドを一部のハイエンド層だけでなく、より広いユーザーに届ける方向へシフトしていることを示していると言えるでしょう。
30車種の有力候補をカテゴリ別に整理
フルMモデルの中心となる車種
30車種計画の中核を担うのは、やはりフルMモデルです。
現在のラインナップを軸に考えると、M3やM5といったセダン系は今後もブランドの中心に位置づけられると考えられます。
特に次世代モデルでは、内燃機関を継続する仕様と電動化モデルが並行して展開される流れが見えており、同じモデル名でも複数のパワートレインが存在する可能性があります。
さらにSUVカテゴリーでも、高性能仕様のフルMモデルは継続される見込みで、BMW Mの象徴的な存在としての役割は変わらないでしょう。
予想される主なフルMモデル(5車種)
| 車名 | 開発コード | 区分(ICE・EV) | 補足 |
|---|---|---|---|
| M3 EV | ZA0 | EV | |
| M3 Touring EV | ZA1 | EV | |
| M3 | G84 | ICE | |
| M5 セダン | G90 | ICE | LCI |
| M5 ツーリング | G99 | ICE | LCI |
M Performanceモデルの拡大
一方で、30車種という数字を成立させるうえで重要なのがM Performanceモデルです。
近年はセダンやSUVだけでなく、電動化モデルにもM Performanceグレードが設定される傾向が強まっています。
特にEV世代では、上位グレードとしてM Performanceが設定されるケースが増えており、ラインナップ拡大の中心はこちらになる可能性が高いと考えられます。
性能は十分に高い一方で日常性も確保されているため、実用性を重視するユーザー層に向けた展開が今後も続くでしょう。
予想される主なM Performanceモデル(5車種)
| 車名 | 開発コード | 区分(ICE・EV) | 補足 |
|---|---|---|---|
| i3 セダン M60 | NA0 | EV | |
| i3 ツーリング M60 | NA1 | EV | |
| M350 セダン | G50 | ICE | |
| M350 ツーリング | G51 | ICE | |
| i7 M70 | ND0 | EV |
SUVと電動化モデルが主戦場になる理由
カテゴリ全体を見渡すと、今後の主戦場はSUVと電動化モデルになると考えられます。
BMW全体の販売構成を見るとSUV比率は高く、そこにM PerformanceやフルMを設定することでブランド価値と収益性を同時に高める戦略が見えてきます。
結果として30車種という規模は、単なる車種増加ではなく、市場の中心であるカテゴリーを強化する流れの中で生まれていると整理できます。
予想される主なSUVモデル(5車種)
| 車名 | 開発コード | 区分(ICE・EV) | 補足 |
|---|---|---|---|
| iX4 M60 xDrive | NA7 | EV | |
| X5 M70 | G65 | ICE | |
| iX5 M70 xDrive | G65 | EV | |
| iXM | G79 | EV | |
| X5M | G95 | ICE |
なぜBMW Mは30車種も必要なのか
高性能ブランドの市場環境の変化
BMW Mが30車種という規模の拡大を目指す背景には、高性能車市場そのものの変化があります。
従来は少数精鋭のフルMモデルがブランドを支えていましたが、現在は電動化やSUV需要の拡大によってユーザー層が大きく広がっています。
そのため、幅広い価格帯や用途に対応できるラインナップを用意することが、ブランド維持のために重要になっています。
M Performance拡大が担う役割
フルMモデルだけで30車種を構成するのは現実的ではありません。
そこで鍵となるのがM Performanceモデルの存在です。
高性能でありながら日常使用とのバランスを重視したモデルを増やすことで、Mブランドの裾野を広げることができます。
これにより、ブランドの魅力を維持しながら販売台数を伸ばすという構造が成立します。
電動化時代のブランド戦略
電動化が進む中で、Mブランドは従来の内燃機関中心のイメージから変化しつつあります。
EVでもMの価値を維持するには、多様なモデルを展開しながら存在感を高めていく必要があります。
30車種計画は、そうした環境変化に対応するための戦略的な選択であり、BMW Mが次の時代に向けてブランドを再定義している流れの一部と考えることができます。
EV時代のMブランドはどう変わるのか

EVでも「Mらしさ」をどう維持するか
電動化が進む中で、BMW Mブランドはこれまでの内燃機関中心の考え方から大きな転換点を迎えています。
EVは高出力を実現しやすい一方で、従来のエンジンフィールやサウンドに頼らない新しい価値づくりが求められます。
そのため今後のMモデルは、単純なパワー競争ではなく、シャシー制御やトルク配分、ソフトウェアによる走行体験の作り込みがより重要になっていくと考えられます。
フルMとM Performanceの役割分担
EV時代では、フルMモデルがブランドの象徴として性能面を追求し、M Performanceモデルが日常性と高性能を両立する立ち位置を担うという構図がより明確になっていくでしょう。
今回の30車種計画でもEVベースのM Performanceモデルが多く含まれている点は、その方向性を示していると言えます。
Mブランドは「一部の特別なモデル」から「幅広いラインナップを持つ高性能ブランド」へと変化しつつあります。
まとめ:30車種計画でBMW Mはどう変わるのか

BMW Mの30車種計画は、単なるモデル数の拡大ではなく、ブランド戦略そのものの変化を示しています。
フルMモデルを核にしながら、M Performanceモデルを拡大し、EV時代にもMブランドの存在感を維持することが狙いだと整理できます。
今後は内燃機関とEVが共存する移行期が続きますが、その中でBMW Mがどのように走りの価値を再定義していくのかが注目ポイントになるでしょう。
Reference:carsales.com.au
よくある質問(FAQ)
Q1. 「30車種計画」とはフルMが30台増えるという意味ですか
いいえ。30車種はフルMモデルだけでなく、M Performanceモデルを含めたMブランド全体のラインナップ拡張を指します。フルM増産ではなく、M Performanceを含めた総数として理解するのが前提です。
Q2. フルMとM Performanceは何が違いますか
フルMはBMW Mが走りを最優先に作り込む高性能モデルで、シャシーや冷却、ブレーキなども専用設計が中心です。M Performanceは標準モデルをベースに高出力化や足回り強化を行い、日常性と性能の両立を重視する位置づけです。
Q3. 2026年以降に出てくる「EVのM系」は何が中心になりますか
次世代EV世代(Neue Klasse系)を軸に、i3(NA0/NA1)やEV M3(ZA0/ZA1)などの高性能系が中心になります。EV時代はハードだけでなく、制御ソフトやトルク配分の作り込みが価値の核になります。
Q4. 30車種の中でSUVはどんな役割ですか
SUVは販売の主戦場になりやすく、フルM(例:X5M/X6M)とM Performance(例:iX系の上位グレード)を両輪で展開しやすいカテゴリーです。Mブランド拡張を支える収益面の柱として整理できます。
Q5. この計画でMブランドは「何が変わる」のですか
Mは「一部の象徴的フルM」だけで成立する形から、M Performanceを含めた幅広い高性能ブランドへ役割が広がります。電動化の進行に合わせ、内燃機関とEVを併走させながら価値定義を再構築する流れになります。






コメント