BMWは2027年、次世代電気自動車「BMW i3 NA0」の市場投入を予定しています。
従来のコンパクトなi3ハッチバックとは大きく異なり、新しいi3はセダン型の本格EVとして生まれ変わります。
このモデルはBMWが掲げる新世代アーキテクチャ「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」の哲学を反映し、航続距離やデジタル技術、安全性、持続可能性において大幅な進化を遂げています。
本記事では、新型BMW i3 NA0の特徴や発売スケジュール、デザイン、内装、価格予想まで、現時点で判明している最新情報をわかりやすく解説します。
- 航続距離900kmの長距離EV:BMW i3 NA0は、次世代バッテリーで最大900km走行が可能。
- Neue Klasse専用の最新設計:EV専用プラットフォームで走行性能と効率性が大幅向上。
- 630馬力の高性能モデルも登場:i3 M60 xDriveは圧倒的な加速と走りを実現するフラッグシップ。
BMW i3 NA0とは?Neue Klasseとの関係性
BMW i3 NA0は、BMWが2027年に発売を予定している次世代EVセダンです。
「Neue Klasse(ノイエクラッセ)」とは、BMWが1960年代に展開した歴史的モデル群に由来する名称で、現在は次世代EVの開発思想を象徴するブランド名として再活用されています。
i3 NA0はこのNeue Klasseプラットフォームをベースに設計されており、ゼロから電動化に最適化された構造を採用。
従来の「i3」はユニークな小型ハッチバックでしたが、新しいi3は中型セダンとして再構築され、より広い市場と高性能ニーズに対応したモデルへと進化を遂げています。
2027年発売予定:グローバルな生産スケジュール
BMW i3 NA0の量産は、ドイツ・ミュンヘン工場で2026年7月から開始される予定です。
この工場は2027年末までに完全EV専用施設へと転換される計画が進行中で、新型i3はその象徴的なモデルとなります。
北米市場向けの生産は同年11月から、メキシコ・サンルイスポトシ工場でも行われる見込みです。
欧州市場では2026年後半から納車が始まり、2034年まで長期間にわたる生産サイクルが計画されています。
このスケジュールはBMWがi3 NA0に対して中長期的な戦略を持っていることを示しており、主力モデルとしての位置づけが強く意識されています。
モデルラインナップの種類とグレード構成
BMW i3 NA0は、幅広いニーズに応えるため、複数のグレード展開が予定されています。
基本グレードとしては
- 「i3 20」
- 「i3 40」
- 「i3 50」
が用意され、上位モデルには四輪駆動の「xDrive」仕様が加わります。
さらに、高性能志向の「i3 M60 xDrive」もラインナップされ、最大出力630馬力を誇るとされています。
xDriveモデルは前後にモーターを搭載することで全輪駆動を実現し、安定性や加速性能が大幅に向上。
ドライバーの操作に応じて駆動力を前後で最適に配分し、悪天候時やスポーツ走行時でも高い走行性能を発揮します。
これにより、走りの楽しさと安全性を両立した電動セダンが実現されます。
航続距離は最大900km!?
BMW i3 NA0で最も注目されているのが、最大約900kmという驚異的な航続距離です。
これは新開発の「Gen6」バッテリー技術によって実現される可能性があり、欧州のWLTP基準に基づく試験値とされています。
従来のBMW i4で約600km前後だったことを考えると、約50%もの航続距離アップとなり、ロングドライブでも充電の不安が大きく軽減されることが期待されます。
都市部の利用はもちろん、長距離移動が多いユーザーにとっても安心して選べるEVになるでしょう。
また、シングルモーター仕様だけでなく、xDriveモデルでも高効率な航続性能が確保されるとみられています。
新開発バッテリー&モーター技術
i3 NA0には、BMWが新たに開発した第6世代「Gen6」バッテリーとモーターが搭載されます。
バッテリーセルはこれまでの角型やパウチ型から一新され、「円筒型セル」が採用されることで、エネルギー密度は約20%向上。
これにより、より小型で高性能なバッテリー構成が可能となりました。
加えて、充電時間も最大で30%短縮され、高速充電インフラとの親和性も大幅に改善されています。
また、モーターも効率重視で再設計されており、より少ない電力消費で高出力を実現。
熱管理技術の進化によって、長時間の連続走行や高負荷走行でも安定したパフォーマンスを維持できる設計になっています。
i3 M60 xDriveのパフォーマンス
BMW i3 NA0の最上位モデル「i3 M60 xDrive」は、Mブランドの名にふさわしい圧倒的なパフォーマンスを誇ります。
最大出力は630馬力とされており、これは従来のM3に匹敵するレベル。
0-100km/h加速も3秒台前半が予想されており、高性能EVとしてトップクラスの走行性能を持ちます。
また、4モーター構成を採用する可能性もあり、前後左右に最適なトルク配分を実現することで、精密かつ力強いドライビングフィールが期待されます。
スポーツ走行にも対応する一方で、日常の使いやすさも兼ね備えているのが、このモデルの大きな魅力です。
プラットフォームと駆動方式の進化
i3 NA0は、BMWの新世代EVアーキテクチャ「Neue Klasse」を採用した初のセダンとして登場します。
この専用プラットフォームは、EV専用に設計されており、車体全体の軽量化、バッテリーパックの床下配置、最適な重量配分を実現しています。
これにより、乗り心地と走行安定性の両立が図られています。
駆動方式はベースモデルで後輪駆動(RWD)、上位グレードでは前後モーターによる全輪駆動(AWD)が選べます。
ユーザーのライフスタイルや走行シーンに合わせて、走りの特性を選択できるのもNeue Klasseの柔軟性と言えるでしょう。
外観デザイン:コンセプトカーからの継承
BMW i3 NA0の外観は、2023年に発表された「Vision Neue Klasse」コンセプトのデザイン言語を色濃く継承しています。
無駄をそぎ落としたミニマルで直線的なフォルムが特徴で、これまでのBMWの複雑な造形とは一線を画しています。
特にフロントマスクには新型のワイドなキドニーグリルが採用され、スリムなLEDヘッドライトとともに未来感を演出。
また、空力性能を重視したエアロホイールや、フラッシュマウント型のドアハンドルも搭載され、近未来的な印象を強めています。
シンプルで洗練されたスタイルは、EV時代のBMWを象徴する存在となるでしょう。
i3と3シリーズ(ガソリン車) G50との違い

BMW i3 NA0と3シリーズ G50は、外観デザインに共通点が多く見られるものの、根本的な設計思想に大きな違いがあります。
i3はNeue Klasse専用のEVプラットフォームを採用し、バッテリーの床下配置や重心の最適化が図られた完全な電動車設計です。
一方、3シリーズは既存の内燃エンジン用プラットフォームをベースにしており、EVモデルも同じ構造を流用しています。
そのため、i3はEV専用車としてのパッケージ効率や静粛性、走行安定性に優れ、まさに“次世代BMW”の象徴的な存在となっています。
内装とiDrive X:デジタル体験の進化


i3 NA0のインテリアは、従来のBMW車とは一線を画す先進的なデジタル空間に仕上がっています。
最大の特徴は「パノラミック・ビジョン」と呼ばれる全幅型ヘッドアップディスプレイで、情報をフロントガラス下部全体に投影することで、ドライバーの視線移動を最小限に抑えます。
また、ダッシュボード中央には17.9インチの大型タッチスクリーンを装備。
従来のメータークラスターは廃止され、シンプルで開放的な印象を演出します。
ただし完全なボタンレスではなく、“必要な場所に必要な操作系”を残す設計思想に基づき、物理スイッチの最適配置も重視されています。
ステアリングと操作性の刷新
BMW i3 NA0では、ステアリングホイールのデザインにも革新が施されています。
新形状のステアリングは、12時と6時方向にのみスポークがある独特なデザインで、ドライバーの前方視界を妨げることなく、操作性を確保。
シンプルかつ未来感のあるコックピットの中核として、視認性と快適性を両立する形状に仕上がっています。
また、ステアリング操作と連動するデジタルUIも進化し、より直感的なドライビング体験が可能となっています。
環境に配慮した素材と製造
BMW i3 NA0は、環境負荷の低減にも大きく配慮した設計となっています。
車内にはリサイクル素材や再生可能資源が多く使用されており、サステナブルな内装を実現。
製造工程でも再生可能エネルギーの活用が推進されており、特に主力となるミュンヘン工場では、2027年までに完全EV専用ラインへの移行が完了予定です。
このように、製品だけでなく生産体制全体においても環境意識を高く持ち、脱炭素社会の実現に貢献するモデルとして位置付けられています。
価格帯の見込みとグレード別予想
BMW i3 NA0の価格帯は、ベースモデルでおよそ5万ドル台前半(約700万円)からと予想されており、i3 40やxDrive仕様ではさらなる上昇が見込まれます。
最上級グレードとなる「i3 M60 xDrive」は、1000万円を超える価格帯になる可能性もあり、ハイエンドEV市場を狙った構成です。
また、各国のEV普及施策や税制優遇制度により、購入補助金の対象となることも期待されます。
航続距離や性能に加え、補助金の有無が購入検討の重要な判断材料になるでしょう。
価格と装備のバランスを考慮しながら、最適なグレード選びが求められます。
競合車種との比較(テスラ・ヒョンデ・ポルシェ)
BMW i3 NA0の主な競合車種には、テスラ モデル 3、ヒョンデ Ioniq 6、そしてポルシェ マカン EVなどがあります。
モデル 3は手頃な価格と充実した自動運転機能が魅力ですが、航続距離や内装の高級感ではi3に軍配が上がります。
Ioniq 6はコストパフォーマンスに優れ、マカン EVはスポーツ性能で評価されていますが、BMW i3 NA0はそれらをバランスよく融合した存在と言えるでしょう。
航続距離最大900kmという性能に加え、プレミアム感のあるデザインと内装が、大きなアドバンテージとなります。
まとめ:BMW i3 NA0はどんな人におすすめか
BMW i3 NA0は、長距離ドライブでも安心できる航続距離と、最新のデジタル技術を備えた先進的なEVです。
そのため、日常的に車を使う人だけでなく、ロングドライブを楽しむ層にも最適です。
また、高性能モデルを求めるEVファンや、ガソリン車からEVへ乗り換えを検討しているユーザーにも大きな魅力を持っています。
環境への配慮や未来志向のデザインを重視する人にとって、i3 NA0は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
Reference:motor1.com
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW i3 NA0の航続距離はどれくらいですか?
A1. BMW i3 NA0の航続距離は、欧州WLTP基準で最大約900kmとされています。これは従来のEVモデルと比べて非常に長く、ロングドライブや充電インフラが限られるエリアでも安心して利用できる性能です。
Q2. BMW i3 NA0の価格はいくらからスタートしますか?
A2. 現時点での予想価格は、ベースモデルで5万ドル台前半(日本円で約700万円前後)からとなる見込みです。上位グレードやM60モデルでは1000万円を超える可能性もあります。
Q3. BMW i3 NA0はどのようなユーザーにおすすめですか?
A3. i3 NA0は、高性能なEVを求めるユーザーや、長距離運転が多い方、ガソリン車からの乗り換えを考えている方に最適です。先進的なデザインと機能性、環境性能も重視する人に強くおすすめできます。
Q4. Neue Klasseプラットフォームとは何ですか?
A4. Neue Klasse(ノイエクラッセ)はBMWが次世代EVのために開発した専用プラットフォームです。軽量構造と高効率な電動パワートレイン、先進的なデジタル技術を統合しており、EVに最適化された構造が特徴です。
Q5. i3 NA0と従来のi3との違いは何ですか?
A5. 従来のi3はコンパクトなハッチバックでしたが、i3 NA0は中型セダンとして再設計されました。プラットフォームも一新され、より高性能・長距離走行に対応するプレミアムEVとして登場します。
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