BMWの高級SUV「X5」が、2027年に次世代モデルとして登場します。
開発コードはG65となり、外観から内装、そしてパワートレインに至るまで大幅な進化を遂げる見込みです。
特に注目されるのは、BMWの次世代デザイン思想「ノイエクラッセ(Neue Klasse)」を取り入れたエクステリアと、従来の概念を覆すインテリア設計です。
本記事では、2027年に登場予定の新型X5 G65の最新情報を、デザイン、内装、エンジンの各側面から詳しく解説します。
現行モデルとの違いや、導入予定のEV版「iX5」、PHEVモデルなどにも触れながら、X5がどのような進化を遂げようとしているのかを見ていきましょう。
- ノイエクラッセデザインを採用:次世代X5は未来志向のデザインと空力性能を融合した新しい外観が特徴。
- 新インテリア「Panoramic Vision」:メーター廃止と大画面ディスプレイで、革新的かつ直感的な操作性を実現。
- 多様なパワートレイン構成:ガソリン、PHEV、EVと幅広い選択肢を用意し、電動化に対応した最新モデル。
新型X5 G65とは?BMWの中核を担う次世代SUV

BMW X5は、1999年に初代モデルが登場して以来、同社のSUVラインナップの中核を担ってきた存在です。
現行モデルはG05型として2018年に登場し、2023年にはマイナーチェンジを受けましたが、今回のG65型はフルモデルチェンジにあたります。
G65は第5世代のX5となり、BMWが掲げる9年サイクルの製品計画に基づいて、2026年8月の量産開始、2027年3月のV8モデル発売を予定しています。
G65型では、従来の内燃機関モデルに加えて、プラグインハイブリッドや完全電動モデルも用意され、多様なパワートレイン戦略が採られる見込みです。
X5はラグジュアリーSUVとしての快適性と、BMWらしい運動性能を両立してきたモデルです。
新型でもその哲学は維持されつつ、より未来志向のデザインやテクノロジーが融合されることになります。
ノイエクラッセの影響を受けたエクステリアデザイン

G65型X5の最大の特徴のひとつが、次世代コンセプト「ノイエクラッセ(Neue Klasse)」のデザイン要素を取り入れている点です。
プロトタイプのスパイショットからも、いくつかの重要な変更点が明らかになっています。
まず、従来のような物理的なドアハンドルは見当たらず、かわりにベルトライン上に小さなウイングレット(空力デバイス)が確認されています。
これは2023年に発表された「Vision Neue Klasse X」にも採用されていた要素で、空力性能と未来感を両立する設計です。
また、全体のフォルムはX5らしい力強いSUVのシルエットを維持していますが、フロントマスクやサイドの造形はよりシンプルかつ洗練されたものになっています。
キドニーグリルも今後のトレンドに合わせて大型化する可能性があり、デザイン面でも大きな変革が予想されます。
新型インテリアとPanoramic Vision

G65型X5では、インテリアの設計思想が大きく変わります。
最大の特徴は「Panoramic Vision(パノラミック・ビジョン)」と呼ばれる次世代表示システムの採用です。
これは従来のメータークラスターや中央ディスプレイに代わり、フロントガラス下部に情報を投影する方式で、ドライバーの視線移動を最小限に抑えることを目的としています。
Panoramic Visionは、運転席前方に3枚の固定タイルを投影し、その右側に6枚までのカスタマイズ可能な情報パネルを表示することができます。
これにより、運転に必要な情報とエンターテインメント要素を同時に視認可能にしつつ、ダッシュボード全体のデザインをシンプルに保っています。
さらに、センターには17.9インチの大型ディスプレイが搭載され、ナビゲーション、メディア、空調制御などあらゆる機能を統合しています。
長年親しまれてきたiDriveのロータリーコントローラーは廃止され、今後はタッチ操作と音声コマンドがメインインターフェースとなります。
これにより、より直感的かつ没入感のあるインフォテインメント体験が提供されることになります。
多様化するパワートレイン:内燃機関からEVまで
新型X5 G65では、パワートレイン構成がさらに多様化します。
まず、内燃機関モデルとしては、直列6気筒や4.4リッターV8ツインターボエンジンが継続採用される予定です。
V8搭載のM60モデルは、2027年3月の発売が計画されています。
加えて、プラグインハイブリッド(PHEV)として「M60e xDrive」もラインナップに加わります。
このモデルは、電動アシスト付き直6エンジンに4本出しマフラーを備えた高性能仕様となる見込みで、Mパフォーマンスモデルとしての位置づけです。
そして大きな注目点は、完全電動の「iX5」の登場です。
これは現行X5と同様にCLARプラットフォームをベースとしながらも、Neue Klasseの第6世代(Gen6)バッテリーセルと最新のeDriveコンポーネントを採用します。
これにより、電費性能や充電速度、パフォーマンス面で大幅な進化が期待されています。
iX5は「M Lite」的な性能領域に設定される見込みで、iX M70に近いポジショニングになると予想されています。
将来的にフルMモデルのEV化が行われるかは未定ですが、BMWは段階的な電動化を進めており、まずは既存モデルとの共存が図られる方針です。
中国専用ロングホイールベースモデル「G78」の存在

新型X5には、中国市場向けに開発されるロングホイールベース仕様の「G78型」も用意されます。
これはBMWが中国市場における高級SUVの需要に応えるために導入する専用モデルで、後席の居住性や快適性を重視した設計が特徴です。
G78型は2027年初頭から生産が開始される予定で、2035年末までの長期生産スケジュールが計画されています。
BMWはすでに7シリーズや5シリーズでロングホイールベース仕様を中国専用で展開しており、X5でも同様の戦略を取ることで、現地の需要に的確に応える体制を整えています。
中国市場では、自家用よりもショーファードリブン(運転手付き)の利用が多いため、後席空間の拡張は大きな訴求力になります。
高級SUV市場における競争が激化する中、X5 G78型はBMWのプレゼンスを維持・強化する鍵となるでしょう。
発売スケジュールと段階的な展開計画
新型X5 G65の量産は、2026年8月に開始される予定です。
まず登場するのは、4.4リッターV8エンジンを搭載したM60モデルで、2027年3月に市場投入される見込みです。
その後、他の内燃機関モデル、プラグインハイブリッド、そして完全電動のiX5などが順次登場していきます。
BMWはすべてのグレードを一斉に発表するのではなく、段階的にモデルを追加していく方針を取っています。
これは製品ライフサイクルを長期的に維持するための戦略であり、各モデルが市場で常に注目を集められるよう配慮された展開です。
このスケジュールにより、ユーザーは自分のニーズに合ったパワートレインや装備のモデルを選びやすくなる一方で、購入タイミングの見極めも重要となります。
特にPHEVやEVを検討しているユーザーにとっては、登場時期や装備内容の最新情報を逐一チェックすることが求められます。
まとめ:BMW X5は電動化と未来志向の融合へ
2027年に登場する新型BMW X5 G65は、デザイン、内装、パワートレインすべてにおいて大幅な進化を遂げるモデルです。
ノイエクラッセの影響を受けた洗練された外観や、Panoramic Visionによる次世代インターフェースの採用は、従来のX5にはなかった革新と言えるでしょう。
また、ガソリン、PHEV、EVと多様なパワートレインを揃えることで、幅広いユーザーのニーズに対応。
さらに、中国専用のロングホイールベースモデル「G78」など、地域特性を考慮した展開も計画されています。
BMWがこのX5を通じて、今後のSUV市場でも主導的な立場を維持する意志が明確に示されています。
次期X5に関心がある方は、今後の正式発表や予約情報などを継続してチェックすることをおすすめします。
Reference:instagram.com
よくある質問(FAQ)
Q1. 新型BMW X5 G65はいつ発売されますか?
量産開始は2026年8月、最初に登場するM60モデルは2027年3月に発売予定です。
Q2. ノイエクラッセデザインとは何ですか?
BMWが次世代モデルに展開する新しいデザイン思想で、シンプルかつ未来感のあるフォルムと空力性能の向上を両立させたデザインです。
Q3. 新型X5には電気自動車(EV)モデルもありますか?
はい、iX5として完全電動モデルが用意され、Neue Klasseの第6世代バッテリーとeDrive技術を採用する予定です。
Q4. iDriveコントローラーは継続されますか?
いいえ、新型X5ではiDriveのロータリーコントローラーは廃止され、タッチ操作と音声操作が主になります。
Q5. G78型のロングホイールベースモデルは日本でも販売されますか?
いいえ、G78型は中国市場専用モデルとして開発されており、日本での販売予定は現在のところありません。
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