BMWに限らず欧州の自動車メーカーのEV(電気自動車)化は今後どんどん進んでいきますが、その中でBMW M社を代表するBMW M3/M4の今後はどうなるのでしょうか?

BMW M社最後の純粋なエンジンモデルは次期BMW M2 G87

BMW M2 G87は2022年10月発表、2023年4月生産開始予定

BMW M社は2022年に創立50周年を迎えたことをきっかけに次々と新しいモデルを発売、開発しています。

今後発売される見込みのBMW M3ツーリング G81、そしてその後に発売されるBMW M2 G87の2つの車種がBMW M社から発売される最後の純粋なガソリンエンジン車となる予定です。

その後に発売が予定されているBMW XMはBMW M社では初となるSUV車であり、かつ本格的なHV(ハイブリッド)モデルとして、今後のBMW M車から販売されるEV、HVの先陣を切るモデルになります。

よってその後はBMW XMとHVシステムを共有する次期型のM5が販売されることになると思いますが、その後に控えている次期型のBMW M3/M4に関しては恐らく完全なEV車として発売されることになると思われます。

今後EVとして発売されることが見込まれるBMW M3/M4はどんな車になるのでしょうか?

BMW M社のフランク・ヴァン・ミールCEOが語る次期EV化M3/M4

インタビューに答えるBMW M社のフランク・ヴァン・ミールCEOは「M3のストーリーは永遠に続く」と答えています。

「4気筒から6気筒、8気筒から6気筒ターボと、エンジンが変わるたびに、そのストーリーは引き継がれてきたのです」と答えるように実際にM3という車は代を重ねるたびにM3らしさを継承してきました。

E30型M3の4気筒エンジンからスタートし、E46型M3では6気筒エンジンに進化することでM3らしさを継承することが出来ました。

E92型M3では8気筒エンジンを搭載することになり、発売当初こそM3に8気筒エンジンは重すぎるという批判もありましたがM3らしいパフォーマンスをターボではなくNAで発揮するためには必要なアイテムだったと言えます。

そしてF80型M3からは再び6気筒エンジンに戻るもののこれまでのNAエンジンの伝統を捨ててその次代のM3らしさを手に入れるために初めてターボを導入することになりました。

つまり、フランク・ヴァン・ミールCEOはその次代にマッチしたM3を提供し続けることは可能であること、これまでもそれが出来たのだから今後もその時代にマッチしたM3らしいM3を作り出すことは可能だと考えているということになります。

BMW M社の顧客の90%以上はパワートレインにはこだわらない?

BMW M社のフランク・ヴァン・ミールCEOはさらに「BMW M社の顧客の90~95%の方はパワートレインの方向性は気にしていないとのことです。お客様はMモデルに乗りたいだけなのです。」とも述べています。

ここで言う顧客が欧州の顧客なのか世界中の顧客なのかは不明ですが、90%以上の顧客がBMW M社の車のパワートレインがエンジンであろうがモーターであろうが気にしない、というのは少し違和感を覚えます。

BMWという会社は元々はエンジンの開発会社からスタートし、6気筒エンジンに関しては現在でも世界最高のエンジンだと評価されている自動車メーカーです。

そんなBMWの顧客、ましてスポーツモデルを主とするBMW M社の顧客の多くがエンジンでもモーターでもどちらでも構わないとは思わないと思います。

確かにBMW M社のモデルをBMWよりもランクが上の高級車と考える顧客が存在することは確かですし、そのような顧客はパワートレインの種類にはそこまでこだわりはないのかもしれません。

テスラの多くのオーナーのようにモーター=環境にやさしい=ステータスと考えるのと同様な顧客の存在も否定はしませんが、走りに関してこだわりを持つ顧客も数多く存在しているハズですし、それらの顧客はガソリンエンジンへのこだわりが強い人達も多いと思います。

なのでフランク・ヴァン・ミールCEOのこの発言には少し疑問を持ちますが、BMW M社としてはMモデルの顧客が満足できるその次代にマッチしたMモデルを作る自信があるということを言いたいのではないでしょうか?

例え次期BMW M3/M4がEV化されたとしても駆動方式はFR、AWDも用意するとも発言していることから、これまでのエンジンモデルと同じようにオーナーが喜ぶことが出来るEV化されたM3/M4の登場に期待することになりそうです。

【引用・参照元】