2027年に登場予定の新型BMW M3は、電動版とガソリン版が併売されることが確実視されています。
コードネームはそれぞれ「ZA0(電動)」と「G84(ガソリン)」。
近年リークされたスパイショットやレンダリング画像からは、BMWが次期M3に大きなデザイン刷新を施す方針であることが読み取れます。
本記事では両者のデザインに焦点を当て、現行モデルとの違いや共通点、そしてNeue Klasseとの関係性をわかりやすく解説します。
- 電動と内燃のM3:新型M3はEV版ZA0とガソリン版G84が併売される次世代モデルです。
- Neue Klasseの影響:両モデルとも新デザイン哲学「Neue Klasse」が取り入れられています。
- デザインはM3らしい?:未来的なZA0と伝統を残すG84、どちらがM3らしいかが論点です。
現行BMW M3(G80)のデザインと評価
G80型BMW M3とはどんな車か
現行型BMW M3であるG80は、2020年に登場した6代目のM3にあたります。
このモデルは、BMWがMモデルの個性を強調するために大きくデザインを刷新したことでも話題になりました。
特にフロントには縦長で大型のキドニーグリルを採用し、従来の水平基調とは一線を画すデザインとなっています。
この大胆なフロントフェイスには賛否が分かれましたが、視覚的なインパクトは強く、Mモデルとしての存在感を確立したといえるでしょう。
また、ボンネットのプレスラインやフェンダーの張り出しにより、力強く筋肉質なスタイリングが演出されています。
内装面では、LCI後に大型のカーブドディスプレイやデジタルメーターを備えつつも、伝統的なドライバー志向のレイアウトが継承されています。
ドライブモードの切り替えやM専用ボタンも用意されており、サーキットユースにも対応できる設計です。
次期BMW M3 電動版 ZA0の外観デザイン
Neue Klasseデザインで刷新されたフロントフェイス
BMW M3としては初の完全電動モデルとなるZA0は、BMWが掲げる次世代車両群「Neue Klasse」のデザイン言語を強く反映しています。
スパイショットやレンダリングからは、水平に伸びたキドニーグリルと一体化したスリムなLEDヘッドライトが確認できます。
このデザインは従来の縦長グリルとは一線を画し、よりモダンでミニマルな印象を与えます。
さらに、前方のオーバーハングが長くなったことや、前輪とドアの間隔が短くなった点から、電動化によりシャシー設計も根本的に見直されていることがわかります。
これは前輪駆動のような外観ですが、実際は四輪駆動ベースのM専用アーキテクチャが採用されると見られています。
サイドとリアの特徴:滑らかな面構成と未来的テール
サイドビューはよりシンプルになり、ボディのプレスラインも控えめです。
ドアハンドルは車体とフラットになる収納型で、空力性能と先進感を両立しています。
リアビューでは、「Vision Neue Klasse」コンセプトカーを思わせる幅広で薄型のLEDテールランプが採用される可能性が高く、現代的で洗練された後ろ姿が予想されます。
BMW M3 G84(次期ガソリン版)のデザイン予測
伝統と刷新のバランスを取るデザインへ
G84は、現行G80の後継として登場予定の次期ガソリン版M3です。
プラットフォームは引き続きCLAR(Cluster Architecture)を採用する見込みですが、外観デザインはZA0とほぼ共有される可能性があります。
例えば、ヘッドライトやテールランプの意匠、フラッシュ式ドアハンドルなどは共通化されることが予想されています。
一方で、G84にはM3としての伝統を継承する要素も残される見込みです。
具体的には実際に機能する4本出しのエキゾースト、アグレッシブなリアディフューザーといった、従来の内燃機関M3らしさが意識された造形が施されるでしょう。
また、ZA0と共有する車幅やホイールアーチの造形はG80からさらに進化し、ワイド&ローなプロポーションが強調されると見られます。
これにより、EV版よりもスポーツカー的な印象を与える可能性があります。
ZA0とG84に共通する特徴と異なるポイント
Neue Klasseデザインがもたらす共通性

電動版ZA0とガソリン版G84は、外観上の共通点が多く見られます。
とくに、フロントマスクのデザインにはNeue Klasseの影響が強く、どちらも従来のM3とは異なる未来的な印象を持っています。
スリムなライトユニットや水平基調のキドニーグリル、クリーンな面構成などが共通しています。
また、空力性能を高めるフラッシュドアハンドルやシンプルなサイドビューなども両モデルで採用が見込まれており、BMWが次世代M3全体でデザイン言語を統一しようとしている意図が感じられます。
さらに、インテリアに関しても大画面ディスプレイやシンプルなレイアウトが共通し、操作性と先進性を両立させる方向性が見えます。
決定的な違いはフロント構造とリアビュー
とはいえ、決定的な違いも存在します。
最大の違いはフロントオーバーハングの長さとボンネットのプロポーションです。
ZA0は電動パワートレインの特性により、フロントに多くのコンポーネントを搭載する必要があり、前方に伸びたデザインになっています。
一方でG84は、従来のM3らしい短めのフロントオーバーハングとバランスの良いノーズを維持しています。
さらに、ZA0はエキゾーストのないリアビューでスムーズに仕上げられると予想されますが、G84は4本出しマフラーやリアディフューザーといった、いかにも「走り」を連想させるディテールが与えられると見られています。
BMWがデザインを刷新する理由とその狙い
Neue Klasse導入の背景とは
BMWがNeue Klasseという全く新しいデザイン言語と車両アーキテクチャを導入する背景には、世界的なEVシフトと、それに伴うブランド刷新の必要性があります。
とくにMシリーズのようなハイパフォーマンスモデルにおいては、「速さ」や「音」といった従来の価値だけでなく、「先進性」「洗練さ」「持続可能性」といった新たな価値が求められるようになっています。
そのため、BMWはNeue Klasseを通じて、単なるEV化ではなく、ブランドの再定義を試みています。
デザイン刷新はその象徴であり、特にM3のような象徴的なモデルにおいては、ユーザーの視線が最も集まるポイントでもあります。
ガソリン版を残す戦略的意義

注目すべきは、BMWが完全電動化に踏み切らず、G84というガソリンエンジン搭載モデルを併売する方針を採っている点です。
これは、従来のM3ファンや、サーキット走行を重視するユーザーへの配慮と考えられます。
また、内燃機関を残すことにより、異なる嗜好を持つユーザー層を取り込むことができ、ブランドとしての柔軟性を維持する狙いもあるでしょう。
このようにBMWは、EV時代においても「選べるM3」を通じて、全方位的な戦略をとっているのです。
まとめ:このデザインはBMW M3にふさわしいのか?
新型BMW M3の電動版ZA0とガソリン版G84は、それぞれ異なるパワートレインを持ちながらも、Neue Klasseの影響を受けた先進的なデザインで統一されつつあります。
このデザイン刷新により、BMWは「次世代のM3像」を打ち出そうとしています。
しかし、その一方でM3という車が歴代モデルで培ってきた「ピュアスポーツ」「硬派な走り」「ドライバーとの一体感」といった価値観は、新しいデザインにおいても継承されるのかという疑問が残ります。
特に電動版ZA0に関しては、未来感や静粛性、クリーンな外観が前面に出ることで、Mモデル特有の荒々しさや緊張感がやや希薄になる可能性も否定できません。
一方、G84はデザイン刷新を受けつつも、マフラーやディフューザーといった視覚的に「走り」を感じさせる要素を残しており、従来のM3ファンにとってはより納得感のあるパッケージになるかもしれません。
最終的にこの新しいデザインがM3にふさわしいかどうかは、ユーザーがどのような価値をM3に求めるかによって評価が分かれるでしょう。
未来志向の洗練性を重視するか、それとも従来のドライビングプレジャーを重視するか。BMWはその答えを、両モデルを用意することで市場に委ねたといえます。
Reference:kolesa.ru
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW M3 ZA0とはどのようなモデルですか?
BMW M3 ZA0は、BMWが初めて投入する電動M3モデルで、Neue Klasseデザインを採用したEVセダンです。
Q2. BMW M3 G84とは何が違うのですか?
G84は次期ガソリンエンジン搭載型M3で、従来のMモデルらしい走りやスタイルを維持しています。
Q3. Neue Klasseデザインとは何ですか?
Neue KlasseはBMWが次世代モデルに導入する新しいデザイン哲学で、水平基調のフロントやクリーンな面構成が特徴です。
Q4. ZA0とG84のデザインで最も大きな違いは?
ZA0は長いフロントオーバーハングとマフラーのないリア、G84は短めのフロントと4本出しマフラーを持つ点です。
Q5. どちらのデザインがBMW M3にふさわしいとされていますか?
ユーザーの価値観により評価は分かれますが、ZA0は未来志向、G84は伝統志向とされます。
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