BMW MINIは2019年からBMW MINIのEV(電気自動車)MINI Electric(ミニエレクトリック)を生産、販売することを発表しました。BMWグループとしてはBMWの「i」ブランドに続いたEVですが、実際には売れるのでしょうか?
BMW i3は実質的には失敗であった
BMWグループとして初めてのEVはi3とi8ですが、i8は車両価格も高額ですから一般的に売れる車ではありません。iブランドの象徴的な存在です。
しかし、i3は違います。BMWグループとして台数を売るために作った車ですが現状ではBMWが思っていたほどは売れなかったと言わざるを得ません。
先日もBMW i3に関しての記事を書きましたが、少なくても日本では認知されなかったことは明白です。
では、なぜ日本でBMW i3は売れなかったのか?
・価格が高額
・走行距離が短い
・充電スタンドの不足
・自宅ガレージへの200vコンセントの設置
これらがBMW i3の販売が思うように伸びなかった原因だと思われます。
では、なぜステラは人気なのか?
現在のEVの主役は間違いなくテスラです。BMW i3は失敗したけれどもテスラが成功したのはなぜか?
BMW i3が発売された頃は充電スタンドもまったく整備されていませんでしたが、現在は高速道路やコインパーキングにまで充電スタンドが普及しています。
BMW i3が発売された頃に比べるとEVに乗る環境は整いつつあると言えます。しかし、それ以外はBMW i3の発売時とあまり整備されていないのですが、テスラは人気がある。
これはひとえにテスラのマーケティングの勝利だと言わざるを得ません。テスラは最初からEVとして車を売っていません。新しい高級車として車を販売しています。
それがたまたまたEVであっただけ。それよりも自動運転だとかスマホのようにプログラムが自動でアップデートされるなどの先進性を裕福層向けに訴求した。
これがBMWとテスラの大きな違いだと思います。裕福層であれば・・・
・価格が高額⇒問題ありません
・走行距離が短い⇒複数台の車を所有
・充電スタンドの不足⇒整備されつつある
・自宅ガレージへの200vコンセント設置⇒問題ありません
BMW i3が売れなかった理由が問題にならない人たちに販売したことが人気がある原因だと思われます。
BMW MINI Electric(ミニエレクトリック)は売れるのか?
結論から言えば、BMW i3よりは売れるかもしれませんが、BMWが思っているほどは売れないと思います。基本技術はBMW i3のモノが流用されると思いますので、走行距離が大幅に伸びる見込みもありません。
また、マンションに住む人が多い日本の都市部ではそもそも論として自宅での充電環境は作れません。
唯一BMW MINI Electric(ミニエレクトリック)が売れるとすれば・・・
・販売台数を少なくすること
・EVとして売らずにBMW MINIの新しいグレードとして売る
販売台数を少なくすることで希少価値を上げることで裕福層のセカンドカー、サードカー需要を狙うことができます。
EVとして売れば先程の問題が注目されてしまうので購入行動に心理的な抑止が働きます。
EVは運転してしまえば、これほど街乗りの車としておもしろい車はありません。運転のコツを掴めばブレーキを踏むこと無くアクセルのオン/オフで運転できるのも新鮮です。
走行距離の問題も実際に1回の充電で300キロも走ることは年間に数回あるかどうかです。日本の平均的な年間走行距離は5000キロ未満でしょうから、1回の充電で300キロ程度走れるのであれば、毎月1回程度の充電で満タンにできます。
こういうことは実際に体験し、実感させないと消費者は納得しないというか理解できないので、テスラと同様にマーケティングと販売戦略しだいで売れるかどうかが決まると思います。
日本は省エネ志向が欧米よりも強い社会なのでEVが普及する土壌はあります。実際にe-powerの日産・ノートがあれほど売れているのはBMW i3が売れなかった理由のほとんどをテスラとは違う方法で解決しているのですから。
【引用・参照記事】
MINI初の電気自動車「MINI Electric」コンセプト発表!2019年生産開始!
MINI初の量産型電気自動車となる「MINI Electric(ミニエレクトリック)」のコンセプトイメージが発表。実車は9月12日からスタートするフランクフルトモーターショー2017(IAA Cars)で展示。市販モデルは2019年から英国オックスフォード工場で生産を開始する。 「MINI Electric」は、MINIの基幹モデルとなるハッチバック …