米国では、運転免許証や州発行IDをiPhoneのApple Walletに登録し、対応する場所で本人確認に利用できる仕組みが広がっています。一方、日本でもマイナンバーカードをiPhoneのウォレットに追加できますが、そのiPhoneをマイナ免許証として使うことはできません。同じ「身分証をスマートフォンに入れる」仕組みに見えても、運転免許証としての扱いは大きく異なります。米国と日本の仕組み、利用方法、メリットとデメリットを整理します。
- ✅️米国14州+プエルトリコでiPhone免許証に対応
- ✅️日本はiPhoneのマイナンバーカードだけで運転不可
- ✅️マイナ免許証は実物のマイナンバーカード携帯が必要
米国ではiPhoneのウォレットに運転免許証を登録できる
米国では一部の州で、州が発行する運転免許証や州IDをApple Walletに追加できます。2026年8月時点では14州とプエルトリコが対応しており、iPhoneだけでなく対応するApple Watchにも追加できます。
対応地域は今後も増える見込みです。ノースカロライナ州は2026年12月に州独自のモバイルIDを開始し、2027年初頭にはApple Walletなどのスマートフォン向けウォレットにも対応する計画です。オクラホマ州、ユタ州、バージニア州でもApple Walletへの対応準備が進んでいます。
Apple Walletの運転免許証はどこで何に使えるのか
Apple Walletに登録した運転免許証や州IDは、対応する米国内の空港にあるTSAの保安検査場や、一部の店舗、アプリ、Webサービスなどで本人確認に利用できます。対面ではiPhoneやApple Watchを対応端末に近づけ、提示する情報を確認したうえでFace IDやTouch IDで承認します。
実物の免許証を相手に渡して券面全体を見せる必要がなく、年齢確認などでは必要な情報だけを提示できる点も特徴です。端末そのものを相手に手渡さずに認証できるため、物理カードとは異なる使い方ができます。
ただし、Apple WalletのIDが実物の運転免許証を完全に置き換えたわけではありません。利用できる州や施設は限定されており、交通取締りなどでは物理的な身分証が必要になる場合があります。米国でも、iPhoneだけであらゆる場面に対応できる状態ではありません。
日本のマイナ免許証は「iPhone」ではなく実物のマイナンバーカードに入る
日本では2025年3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証を一体化した「マイナ免許証」の運用が始まりました。免許証番号、有効期間、免許の種類、免許の条件、顔写真などの運転免許情報を、実物のマイナンバーカードのICチップに記録する仕組みです。カード表面に運転免許情報が印字されるわけではありません。
所持方法は
- 「従来の運転免許証のみ」
- 「マイナ免許証のみ」
- 「従来の運転免許証+マイナ免許証の2枚持ち」
の3種類から選べます。マイナ免許証を利用すると、条件を満たせば住所変更手続きのワンストップ化や、優良・一般運転者を対象とした更新時講習のオンライン受講などが利用できます。
iPhoneにマイナンバーカードを入れても運転免許証にならない理由
iPhoneのマイナンバーカードとマイナ免許証は別の仕組み
日本ではiPhoneにもマイナンバーカードを追加でき、マイナポータルへのログインや各種証明書の取得など、スマートフォンだけで利用できるサービスが増えています。
しかし、iPhoneに追加したマイナンバーカードはマイナ免許証として利用できません。マイナ免許証は、実物のマイナンバーカードのICチップに運転免許情報を記録する制度であり、スマートフォン側に運転免許情報まで移される仕組みではないためです。
運転するときは実物の免許証かマイナ免許証が必要
日本で運転するとき、何を持っていればいい?
運転免許証のみ
↓
従来の
「運転免許証」を携帯
マイナ免許証のみ
↓
免許情報を記録した
「実物のマイナンバーカード」を携帯
2枚持ち
↓
「運転免許証」または
「マイナ免許証」のどちらかを携帯
iPhoneのマイナンバーカードだけでは?
× 運転免許証としては利用できない
iPhoneにマイナンバーカードを追加していても、マイナ免許証として運転する場合は、免許情報が記録された実物のマイナンバーカードを携帯する必要があります。
マイナ免許証のみを保有する人が自動車を運転する場合は、免許情報が記録された実物のマイナンバーカードを携帯します。従来の運転免許証のみなら運転免許証を、2枚持ちの場合は運転免許証またはマイナ免許証のどちらかを携帯します。
つまり、日本では「マイナンバーカードをiPhoneのウォレットに入れたので、iPhoneだけ持って運転する」という使い方はできません。
米国のiPhone運転免許証と日本のマイナ免許証、メリット・デメリットを比較
米国は本人確認をスマートフォンへ移せる
米国のApple Wallet方式は、対応する場所ならiPhoneやApple Watchだけで本人確認できることがメリットです。必要な情報だけを提示でき、端末を相手に渡さず認証できます。一方で、州や利用場所によって対応状況が異なり、実物の免許証が必要になる場面も残ります。
日本は免許に関する行政手続きが便利になる
日本のマイナ免許証は、スマートフォンだけで運転できる仕組みではありません。その代わり、マイナ免許証のみを選択すれば住所変更時の手続きを一本化でき、対象者は更新時講習をオンラインで受講できます。更新手数料も保有方法によって異なります。
私は、両国の違いは「スマートフォンに入るかどうか」だけで見るより、米国は本人確認を提示する場面のデジタル化、日本は実物カードへの情報集約と免許行政の手続き効率化に重点が置かれている、と考えると分かりやすいと思います。
日本では結局どれを持ち歩けばいい?iPhone・マイナ免許証・従来免許証を整理
日本で自動車を運転する場合、2026年8月時点ではiPhoneだけでは足りません。「運転免許証のみ」なら従来の運転免許証、「マイナ免許証のみ」なら実物のマイナンバーカードを携帯します。「2枚持ち」なら、運転免許証かマイナ免許証のどちらか一方を携帯すれば運転できます。
iPhoneにマイナンバーカードを追加できるようになり、日本でもカードレス化は進んでいます。ただし、運転免許証については米国のApple Walletと日本のマイナ免許証で仕組みが異なります。「iPhoneにマイナンバーカードが入っている=iPhoneが運転免許証になる」わけではないことが、両国の違いを理解するうえで重要です。
Reference:macrumors.com / police.pref.hyogo.lg.jp
よくある質問(FAQ)
Q1. iPhoneのウォレットを運転免許証として日本で使えますか?
いいえ。日本では、iPhoneのウォレットに追加したマイナンバーカードを運転免許証として使用することはできません。運転する際は、従来の運転免許証または免許情報を記録した実物のマイナンバーカードを携帯する必要があります。
Q2. マイナ免許証とはどのような仕組みですか?
マイナ免許証は、実物のマイナンバーカードのICチップに運転免許情報を記録する仕組みです。免許証番号や有効期間、免許の種類などが記録されますが、カード表面に運転免許情報が印刷されるわけではありません。
Q3. マイナ免許証のみを選んだ場合は何を持って運転しますか?
免許情報が記録された実物のマイナンバーカードを携帯して運転します。iPhoneにマイナンバーカードを追加していても、スマートフォンだけではマイナ免許証の代わりにはなりません。
Q4. 運転免許証とマイナ免許証の2枚持ちなら両方の携帯が必要ですか?
いいえ。2枚持ちを選択している場合、運転時は従来の運転免許証またはマイナ免許証のどちらか一方を携帯すれば運転できます。
Q5. 米国ではiPhoneだけで運転免許証を完全に代替できますか?
いいえ。米国では一部の州で運転免許証や州IDをApple Walletに登録できますが、利用できる州や施設は限定されています。交通取締りなど、実物の運転免許証や身分証が必要になる場合もあります。





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