BMWの新型電動SUV「iX3 M ZA5」のスクープ画像が公開され、2026年発売予定という見通しが現実味を帯びてきました。
本記事では、試作車で確認できた外観の変化、ブレーキや冷却のディテール、そして開発段階から読み取れる狙いを整理します。
M部門の電動化が加速する今、iX3 M ZA5がどのように“Mらしい走り”を実現しようとしているのかを、読者の皆さまに分かりやすく解説します。
- 次世代M EVの誕生:BMW M初のフル電動SUV「iX3 M ZA5」の開発が進行。4モーター構成が最大の特徴。
- スクープ画像で判明した進化:冷却ボンネットやX5 M級ブレーキなど、高性能化を示す外観ディテールが明らかに。
- 発売時期は2027年の可能性:EV版M3 ZA0との開発スケジュールから、正式デビューは2027年以降と推測される。
新型BMW iX3 M ZA5とは?

ポジショニングと開発ステータス
iX3 M ZA5は、BMWの高性能部門Mが手がける電動SUVの最上位候補です。
既存のiX3や高出力グレードのiX3 M60の上に位置づけられる見込みで、スクープ画像では量産仕様に近いライト類とワイド感のある外装が確認できます。
2026年前半の発売が有力で、電動化ロードマップの節目となるモデルです。
既存データと想定される強化ポイント
ベース系iX3は四輪駆動、単速AT(EV専用の1段固定トランスミッション)、0–60mph加速4.7秒、最高出力469hp、最大トルク475lb-ftが公表値です。
iX3 M ZA5では足まわりの強化や冷却性能の最適化が想定され、制動面はX5 M級の大径ブレーキに匹敵する装備が示唆されます。
外装では拡張されたフロント開口部、サイドスカート、ディフューザーなどにより、安定性と冷却効率の両立が図られるでしょう。
M EV時代における「Mらしい走り」
iX3 M ZA5は、Mブランドの電動化を象徴しつつ、内燃モデルで培った応答性と一体感を電動パワートレーンで再現することを狙います。
四輪独立モーターや統合制御ユニットの本格投入を見据え、初期段階から「Mらしい走り」を担保する土台づくりを進める位置づけです。
競合はメルセデスAMGやアウディの高性能EV SUVで、同セグメントの指標となる存在が期待されます。
スクープ画像から判明した外観の特徴
冷却性能を高める新ボンネット形状
スクープ画像で最も目を引くのは、ボンネット上に確認された盛り上がりと通気口のような形状です。
これまでのiX3シリーズには見られなかったデザインであり、冷却効率を意識した新しいレイアウトと考えられます。
電動パワートレーンは高出力化に伴い熱管理が重要となるため、エアフローを積極的に利用した構造を導入している可能性が高いです。
フロント内部に追加された冷却ユニットや電子制御装置を収めるスペースとも推測されます。
X5 M級ブレーキと専用サスペンション
ホイール内部には、ドリルドローターと大型の青いキャリパーが装着されており、そのサイズは現行X5 Mの15.6インチローターに匹敵します。
6ピストン構成の高性能ブレーキが採用される見込みで、車重増加を補う制動力を確保しています。
また、サスペンションには専用チューニングが施され、重心を下げつつも乗り心地を損なわないバランスが重視されています。
車高は標準iX3よりわずかに低く、ロールを抑制する設計が見て取れます。
エアロダイナミクスを意識した外装設計
前後バンパーやサイドスカートも従来より立体的で、空力性能を高めるための形状変更が確認されます。
リアディフューザーの存在もほぼ確実で、電動SUVながらもMらしいスポーティな印象を演出しています。
加えて、カモフラージュの下には大型のエアインテークや整流フィンが隠されており、高速走行時の安定性向上が狙われていると考えられます。
全体として、デザインの進化は単なる見た目の変更ではなく、電動Mモデルとしての冷却・空力・制動の最適化を目的としています。
4モーター+“Heart of Joy”が生む次世代M性能
4モーター構成で実現する圧倒的な駆動力
BMW M部門が次世代EVで導入を予告しているのが、四輪それぞれを独立して駆動する4モーターシステムです。
理論上はモーター出力を個別に制御できるため、左右輪間のトルク配分を瞬時に最適化でき、内燃エンジンでは再現できないコーナリング性能を実現します。
BMWはこの構成で最大1341馬力を発揮できると発表しており、iX3 M ZA5もその技術を応用した高出力バージョンになる可能性があります。
これにより0–100km/h加速は3秒台前半と予測され、従来のM SUVを超えるパフォーマンスが期待されます。
“Heart of Joy”が担う統合制御の革新

4モーターの力を生かす要となるのが、BMWが新たに開発した電子制御ユニット「Heart of Joy」です。
従来はモーター、インバーター、ブレーキ、サスペンションなどがそれぞれ独立して制御されていましたが、この新システムではそれらの情報を一元的に処理します。
数ミリ秒単位で各ユニットを協調制御し、車体の動きを予測的に最適化することで、ドライバーの操作に対する反応速度を飛躍的に高めます。
特にコーナー進入時の減速と再加速、トラクション制御の連携が自然で、従来のMモデルが持つ「人と車の一体感」を電動化時代にも再現しています。
これによりiX3 M ZA5は、静粛性と俊敏さを両立したBMW Mの新しい基準となるでしょう。
発売時期と今後の展開予測
2026年前半に正式発表の可能性
BMW iX3 M ZA5は、2026年前半に正式発表される可能性が高いと見られています。
テスト車両はすでに量産型のライトやボディパネルを備えており、開発の最終段階にあることがうかがえます。
初期生産はヨーロッパ市場向けが中心で、その後北米と日本に順次導入される見込みです。
生産拠点は中国・瀋陽工場またはドイツ内の新ラインが候補とされており、世界的な供給体制を整えたうえでの販売が予想されます。
競合EV SUVとの比較と市場での位置づけ
iX3 M ZA5が投入されることで、BMWはメルセデスAMG EQE SUVやアウディSQ8 e-tronといった高性能EV SUVと直接競合します。
これらのモデルはいずれも600馬力前後の出力を持ち、価格帯も重なりますが、BMWは「走りの一体感」と「制御の正確さ」で差別化を図る戦略です。
さらに、ノイエクラッセ世代への技術的橋渡し役としての役割も担うため、このモデルは単なる派生車ではなく、Mブランドの電動化戦略を象徴する存在となるでしょう。
まとめ:BMW iX3 M ZA5が示すM EV時代の幕開け
ハイスペックが画像からわかる
iX3 M ZA5は、BMW Mが長年培ってきたドライビングフィールを電動化時代に継承する挑戦的なモデルです。
スクープ画像からは、新しいボンネット形状やX5 M級ブレーキなど、明確な性能志向が読み取れます。
さらに、4モーター構成や「Heart of Joy」による統合制御など、BMWが次世代Mモデルで重視する技術が具体化しつつあります。
2026年前半のデビューが実現すれば、iX3 M ZA5は同セグメントの中で最も高性能な電動SUVの一つとなり、Mブランドの新しい指標となるでしょう。
2026年ではなく2027年発売では?
ただし発売日が2026年というのは少し疑問が残ります。

同じMモデルであるEV版M3 ZA0の発売予定日が2027年です。
EV版Mモデルとして最初に発売されるのがM3 ZA0だと言われているため、iX3 M ZA5の発売が2026年では早すぎます。
よって、発売日については少し疑問が残ります。
Reference:carbuzz.com
よくある質問(FAQ)
Q1. BMW iX3 M ZA5の発売時期はいつですか?
現時点では2026年前半が有力と報じられていますが、EV版M3 ZA0が2027年発売予定であることから、iX3 M ZA5も同時期、またはその後にずれ込む可能性があります。
Q2. iX3 M ZA5とiX3 M60の違いは何ですか?
iX3 M ZA5は、M部門が専用チューニングを施したフルMモデルです。M60よりも出力が大幅に向上し、ブレーキ・サスペンション・冷却系も専用設計になる見込みです。
Q3. 「Heart of Joy」とはどのような技術ですか?
BMWが新たに開発した電子制御ユニットで、モーター・ブレーキ・サスペンションなどを統合制御します。走行中の挙動を瞬時に最適化し、レスポンスを飛躍的に向上させます。
Q4. 最高出力や加速性能はどのくらいですか?
BMWは次世代M EVで最大1341馬力を想定しており、iX3 M ZA5もその技術を応用する可能性があります。0–100km/h加速は3秒台前半と予測されています。
Q5. iX3 M ZA5の競合車はどのモデルになりますか?
主な競合はメルセデスAMG EQE SUV、アウディSQ8 e-tron、ポルシェ・マカンEVなどです。これらと比較しても、BMWは操作応答性と制御精度で優位に立つことを目指しています。








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