BMWが南アフリカで発表した特別仕様の「M240i G42」と「M2 G87」は、現地の伝説的モデルである325iSと333iをオマージュした限定シリーズです。
どちらも南ア市場に向けて企画され、日本では正規販売されていません。
本記事では、南アフリカ市場の背景、元となった名車の概要、そして各モデルの仕様をわかりやすく解説し、日本でも販売してほしいと感じる理由を整理します。
希少性だけでなく、ブランドが受け継いできた物語性や、デザインの源流に触れられる点にも注目して読み進めてください。
- 南ア限定の稀少性:数十台規模の南アフリカ限定で希少。右ハンドル仕様のため日本導入の期待も高いです。
- M240iとM2の魅力:M240iは快適志向の特別装備、M2は走り重視と専用意匠で性格を明確に分けています。
- アルピナ純正採用:M2にアルピナホイールが工場装着。Mモデルでは初の可能性が高く話題性は抜群です。
南アフリカ市場と限定展開の意図
南アフリカは、BMWにとって歴史的に熱量の高い市場です。
現地生産やモータースポーツ文化が根付き、走りにこだわるユーザーが多いことから、特別仕様の開発が繰り返されてきました。
今回の限定モデルは、地域のファンが支持してきたE30時代の高性能車を手本に、デザインと装備を現代仕様へ最適化したものです。
限定展開とする狙いは明確です。
まず、台数を絞ることで希少価値を高め、所有体験そのものをプレミアム化します。
次に、地域の歴史や文化と結び付いた“物語性”を強調し、単なる性能競争に終わらないブランド体験を提供します。
さらに、現地の法規や道路事情、ユーザーの嗜好に合わせたきめ細かな仕様を採ることで、満足度の高いプロダクトに仕上げています。
このアプローチは、ファンコミュニティの結束を強めると同時に、メーカーが培ってきた伝統を次世代へ橋渡しする役割を担います。
南ア限定という強い文脈を与えることで、世界的にも話題性を生み、コア層以外の注目も集める効果が期待できます。
325iS/333i元モデルの紹介
E30時代に生まれた南ア専売の背景
1980年代の南アフリカでは、独自の市場事情と熱心なファン文化を背景に、他地域にはない高性能なE30系が誕生しました。
その中心にいたのが、333iと325iSです。
いずれも軽量なボディと強力なエンジンの組み合わせで知られ、日常域からサーキット走行まで楽しめる万能さが評価されました。
333iの特徴
333iは、大排気量の直列6気筒エンジンをE30のコンパクトなボディに搭載したモデルで、当時の南アBMWを象徴する存在でした。
トルクに富む加速と独特のサウンドが魅力で、稀少性の高さも相まってコレクターズアイテムとして語り継がれています。
325iSの位置づけ
325iSは、俊敏なハンドリングと実用性のバランスが光るスポーティグレードで、「アフリカのM3」と呼ばれることもありました。
専用のチューニングや外装内装の装飾が施され、日常で扱いやすいサイズと上質さを両立。
今回のHomage Editionは、その精神を現代の装備と安全性で再解釈したプロダクトといえます。
M240i G42 Homage Editionの仕様紹介
高性能クーペとしての基礎スペック
M240i G42 Homage Editionは、3.0リッター直列6気筒ターボ「B58」エンジンを搭載し、最高出力374馬力、最大トルク500Nmを発揮します。
8速ATとxDrive(四輪駆動)を組み合わせ、0-100km/h加速はわずか4.3秒。
コンパクトなボディに高剛性シャシーを備え、日常走行からワインディングまで幅広く対応できる万能なスポーツクーペです。
Homage Edition専用デザイン
外装は「フローズンオレンジメタリック」などの特別カラーが設定され、ボディサイドには325iSを想起させるレトロなストライプデカールを採用しています。
フロントリップやリアディフューザーには専用のカーボンエアロパーツが装着され、より精悍な印象に仕上げられています。
ホイールは軽量の19インチアルミで、南アフリカ仕様限定のフィニッシュが与えられています。
インテリアと限定装備
室内はブラックレザーにオレンジステッチをあしらい、ダッシュボード中央にはシリアルナンバープレートを装着。
専用ロゴ入りのドアシルやカーボンパネルも特別感を高めます。
電子制御式サスペンションとMスポーツブレーキを標準装備し、快適性と運動性能を両立。
325iSの「洗練された速さ」を現代的に再現した1台といえます。
項目 | 内容 |
---|---|
ベース車 | M240i G42 |
エンジン/出力 | 3.0L 直6ターボ(B58)/374ps・500Nm |
駆動・変速 | xDrive(4WD)+8速AT |
0-100km/h | 約4.3秒 |
外装カラー | フローズンオレンジ系など特別色(専用フィニッシュ) |
専用デザイン | 325iSオマージュのサイドストライプ/専用デカール |
エアロパーツ | 専用フロントリップ/リアディフューザー(カーボン系) |
ホイール | 19インチ軽量アルミ(南ア仕様限定フィニッシュ) |
ブレーキ/サス | Mスポーツブレーキ/電子制御サスペンション |
インテリア | ブラックレザー+オレンジステッチ/専用ドアシル |
シリアル表記 | センターパネルに専用シリアルプレート |
限定台数・市場 | 南アフリカ限定(33台) |
トピック | 325iSの「洗練された速さ」を現代解釈した特別仕様 |
M2 G87 Homage Editionの仕様紹介
Mモデルの原点を体現するパフォーマンス
M2 G87 Homage Editionは、3.0リッター直列6気筒ツインターボ「S58」エンジンを搭載し、最高出力460馬力、最大トルク550Nmを誇ります。
トランスミッションは6速MTまたは8速Mステップトロニックが選択可能で、後輪駆動ならではの純粋なドライビングフィールを追求しています。
サーキット走行にも耐える冷却システムとMトルセンLSDを装備し、限界域での安定性も高い水準です。
333iオマージュの外観デザイン
外装はアルパインホワイトIIIをベースに、Mストライプをボンネットからサイドへ走らせた専用グラフィックを採用。
これは1980年代の333iを象徴するデザインを再現したものです。
最大の特徴は、BMWが純正で装着する「ALPINAスタイルの20インチホイール」。
クラシックな多本スポークデザインがスポーティかつ上品な雰囲気を漂わせます。
インテリアと限定仕様
キャビンはMカーボンバケットシートを中心に、アルカンターラとブルーステッチを組み合わせた特別仕様。
センターコンソールには「333i Homage」のバッジがあしらわれ、限定生産を示すナンバープレートも装備されています。
生産台数はわずか数十台とされ、南アフリカのみの販売。
M2の持つ走りの純度と、往年の名車への敬意を融合した極めて希少なモデルです。
項目 | 内容 |
---|---|
ベース車 | M2 G87 |
エンジン/出力 | 3.0L 直6ツインターボ(S58)/460ps・550Nm |
駆動・変速 | FR(後輪駆動)/6速MTまたは8速Mステップトロニック |
外装カラー | アルパインホワイトIII+Mストライプ専用グラフィック |
オマージュ要素 | 333iの意匠を再現(ボンネット~サイドへ走るストライプ) |
ホイール | ALPINAスタイル20インチ(多本スポーク/工場装着) |
シャシー/駆動 | MトルセンLSD/強化冷却系(サーキット走行対応) |
インテリア | Mカーボンバケットシート/アルカンターラ+ブルーステッチ |
バッジ/表記 | 「333i Homage」バッジ/限定シリアルプレート |
限定台数・市場 | 南アフリカ限定(33台) |
トピック | M量産モデルへのアルピナホイール標準採用は“初”の可能性 |
日本で販売してほしい理由
M240i:特別仕様のエアロパーツと希少カラー
M240i G42は日本でも人気の高いモデルですが、Homage Editionに採用された特別カラーやカーボンエアロパーツは、国内仕様には設定がありません。
フローズンオレンジのような限定塗装はコレクターズアイテムとしての価値が高く、ファンからは「ぜひ日本でも販売してほしい」という声が上がっています。
また、専用デザインのデカールやホイールは、E30時代の325iSを思わせるレトロモダンな仕上がりで、通常モデルにはない“BMWらしさ”を強調しています。
M2:アルピナホイールが生む存在感
M2 G87 Homage Editionの最大の特徴は、純正で装着されたALPINAスタイルの20インチホイールです。
限定とはいえ、BMWの量産Mモデルにアルピナホイールが標準装備として採用されたのは史上初の可能性が高く、ファンの間では「BMWが公式にALPINAホイールを採用するとは」と大きな話題を呼びました。

これもBMWによるALPINAブランドの(商標の)買収が行われた効果なのかもしれません。このコラボレーションは、両ブランドの歴史と哲学が交差する象徴的な出来事と言えるでしょう。
まとめ:南アフリカでしか購入できない仕様
両モデルとも南アフリカ専売で、世界限定わずか数十台という希少性が際立ちます。
M240i G42 Homage Editionにはカタログモデルには設定がないボディカラー、特別なM Performanceパーツなどが装備されます。
また、M2 G87 Homage Editionには、恐らく世界で初めて、かつ唯一BMW MモデルにALPINAスタイルの20インチホイールが標準装備されました。
これらの装備は両モデルが南アフリカで専売される時点では、唯一無二の装備&仕様となり今後も同様の仕様でのモデルの販売は期待できません。
それ程の希少なモデルですから、日本で購入できないのはとても残念としか言えません。
Reference:press.bmwgroup.com
よくある質問(FAQ)
Q1. 日本での発売予定はありますか?
現時点では南アフリカ限定販売です。右ハンドル仕様のため技術的な障壁は少ないものの、日本での正規導入は未発表です。
Q2. 通常のM240iやM2と何が違いますか?
専用カラーやデカール、内外装の特別装備、シリアルプレートなどが与えられています。元ネタである325iSや333iの意匠を現代的に再解釈しています。
Q3. M2にアルピナホイールが付くのは珍しいのですか?
量産Mモデルにアルピナホイールが標準装備されるのは初の可能性が高く、限定とはいえ非常に希少です。話題性とコレクション価値が高い仕様です。
Q4. 生産台数や入手難易度はどれくらいですか?
いずれも数十台規模の限定とされ、南アフリカでのみ販売されます。現地でも争奪戦が予想され、日本からの入手は極めて困難です。
Q5. 並行輸入や保証はどうなりますか?
並行輸入は理論上可能ですが、価格上昇や保証適用、部品供給などの課題があります。購入検討時は保証範囲とアフターサービスを必ず確認してください。
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