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新型BMW M3 ZA0ではカーボンパーツを廃止!フラックスファイバーで軽量化できるのか?

フラックスファイバーボンネットを装着したBMW M4 G82。 BMW
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BMW Mシリーズといえば、高性能と革新技術の象徴として多くのファンに愛されてきた存在です。

とりわけ「軽さ」は走行性能に直結する重要な要素であり、そのために長年カーボンファイバーが採用されてきました。

しかし、2027年登場予定の新型BMW M3(開発コード:ZA0)では、カーボンパーツの廃止という大胆な決断が下されました。

では、その代替となる「フラックスファイバー」とは一体何なのでしょうか?

本当に従来のカーボンのように軽くて強い素材なのか、そしてその背景にある環境や規制の変化とは?

本記事では、BMWが採用を進める新素材の詳細から、軽量化への効果、そして未来の自動車開発に与える影響までをわかりやすく解説していきます。

  1. M3 ZA0は新素材を採用:カーボン廃止で亜麻素材「フラックス」へ移行。
  2. サステナブル素材が主流へ:再利用可能で環境負荷が低い次世代素材です。
  3. 性能とデザインを両立:軽量かつ高剛性で外観もカーボンに近い質感。
  1. カーボンファイバーとは何だったのか?
    1. BMWとカーボンの長い関係
    2. なぜカーボンファイバーは重宝されてきたのか?
    3. カーボンファイバーの問題点と限界
  2. なぜBMWはカーボンファイバーを廃止するのか?
    1. 環境問題とリサイクル性の課題
    2. 欧州の規制強化とELV指令の改正案
    3. BMWのサステナビリティ戦略との整合
  3. フラックスファイバーとは何か?
    1. フラックスファイバーの正体:亜麻から作られる天然素材
    2. カーボンと比較した性能と見た目
    3. リサイクル性と廃棄時の安全性
  4. 実際にどのパーツがフラックス化されるのか?
    1. M4 GT4やDTMでの実証実験
    2. 新型M3 ZA0で変更される可能性のある部位
    3. 今後の拡張性
  5. 軽量化とパフォーマンスへの影響は?
    1. カーボンに匹敵する軽さと強さ
    2. 実走行への影響はあるのか?
    3. 競合他社との比較と今後の評価
  6. 今後の展開:BMW Mの素材戦略とEV時代の関係
    1. EV化が加速するMモデルとの親和性
    2. インテリアや構造材へのさらなる応用
  7. アフターパーツメーカーの動向は?
  8. まとめ:サステナブルと性能の両立へ
  9. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. フラックスファイバーは安全ですか?
    2. Q2. カーボンファイバーよりも重くなりませんか?
    3. Q3. フラックスファイバーのリサイクルは可能ですか?
    4. Q4. 他の自動車メーカーも採用していますか?
    5. Q5. 見た目はカーボンとどう違うのですか?

カーボンファイバーとは何だったのか?

新型BMW M3 ZA0ではカーボンパーツを廃止!フラックスファイバーで軽量化できるのか?

BMWとカーボンの長い関係

BMWはこれまでM3やM4といったMシリーズの高性能モデルにおいて、軽量化の要としてカーボンファイバーを積極的に採用してきました。

特にカーボンルーフやトランク、ドアパネルなどは、剛性を高めながら車両重量を大幅に削減することに成功しました。

サーキットでのラップタイム短縮にも貢献するなど、その効果は高く評価されてきたのです。

なぜカーボンファイバーは重宝されてきたのか?

カーボンファイバーは、鉄やアルミに比べてはるかに軽く、同時に非常に高い剛性を誇る素材です。

そのため、走行性能を向上させながら燃費効率も高めることができるという利点があり、スポーツカーや高級車を中心に広く採用されてきました。

見た目にも高級感があり、特にBMWのMパフォーマンスモデルでは「象徴的存在」でもありました。

カーボンファイバーの問題点と限界

一方で、カーボンファイバーには課題もあります。

まず、製造コストが非常に高く、量産車に広く使うにはコスト効率が悪い点が挙げられます。

また、リサイクルが困難であり、環境負荷が大きいことも問題視されています。

さらに、欧州では2025年に向けてカーボンファイバーを有害物質として規制対象にする動きがあり、今後の採用継続が難しくなる可能性もあります。

なぜBMWはカーボンファイバーを廃止するのか?

工場の煙突から煙が出ている。

環境問題とリサイクル性の課題

カーボンファイバーは非常に優れた素材でありながら、製造や廃棄における環境負荷の高さがかねてより問題視されてきました。

特にリサイクルが困難で、使用後に発生する微細なカーボン粒子は皮膚や呼吸器に対して刺激性があるとされており、産業廃棄物としての処理にも課題があります。

欧州の規制強化とELV指令の改正案

2025年現在、欧州連合(EU)は「使用済み自動車指令(End-of-Life Vehicles Directive)」の改正案を検討しており、その中でカーボンファイバーを「有害物質」として分類する草案が提出されました。

これは、廃棄時に発生する微粒子が健康や電子機器に悪影響を与える可能性があるとされたためです。

これが法制化されると、自動車メーカーは製造工程や素材の選定に大きな制限を受けることになります。

BMWのサステナビリティ戦略との整合

BMWは以前から企業全体でCO₂排出量の削減を目標に掲げており、車両単体だけでなく、製造工程や素材選定も含めたトータルな環境対策を進めています。

今回のカーボンパーツ廃止もその一環であり、よりリサイクル性に優れた自然素材への移行は、環境対応と企業イメージの両面で非常に合理的な選択と言えます。

フラックスファイバーとは何か?

亜麻の花。(出典:亜麻のふるさと当別活性化協議会HPより)

フラックスファイバーの正体:亜麻から作られる天然素材

フラックスファイバーは「フラックス=亜麻」という植物から採取された天然繊維を主原料とした新素材です。

BMWはスイスのクリーンテック企業「Bcomp(ビーコンプ)」と共同で、この素材を自動車部品に応用可能な複合材として開発しました。

原料はヨーロッパ各地で持続可能な方法で栽培されており、供給の安定性や環境負荷の低さが特徴です。

カーボンと比較した性能と見た目

この新素材はカーボンファイバーと同様に軽く、剛性も高いため、自動車の外装パーツや構造部材として十分な強度を持ちます。

BMWによれば、製造時のCO₂排出量を約40%削減できるとのことです。

また、見た目も従来のカーボンと非常に似ており、織り目のパターンは植物の葉脈にヒントを得てデザインされています。

そのため、パフォーマンスを求めるユーザーだけでなく、デザイン性を重視するユーザーにも受け入れられやすいのです。

リサイクル性と廃棄時の安全性

フラックスファイバーのもうひとつの大きなメリットは、リサイクルが可能であることです。

従来のカーボンファイバーは焼却や破砕にコストがかかる上、微粒子の飛散が問題視されてきました。

一方、植物由来のフラックスファイバーは分解性が高く、再資源化や低エネルギー廃棄が可能なため、サーキュラーエコノミーの実現にも貢献します。

実際にどのパーツがフラックス化されるのか?

フラックス製リアディフューザーを装着したBMW M4 GT4。

M4 GT4やDTMでの実証実験

BMWはすでにフラックスファイバーをレース車両で実用化しており、M4 GT4やDTM車両では外装トリムやインテリアパネルにこの素材が使用されています。

これらの過酷なモータースポーツ環境において耐久性と機能性が実証されたことが、量産車への採用を後押ししました。

新型M3 ZA0で変更される可能性のある部位

フラックス製ルーフを装着したBMW M4 GT4。

市販モデルであるM3 ZA0では、まずルーフパネルやドアインナーパネル、トランクライナーといった「視認性があり、かつ負荷の少ない部品」から順次フラックスファイバー化が進むと予測されます。

特にカーボンルーフの代替として採用される可能性が高く、実車発表時には注目すべきポイントとなるでしょう。

今後の拡張性

今後はダッシュボードパネル、センターコンソール、さらにはバッテリーカバーなどの内部構造部品にも応用が進む可能性があります。

内装においては最大70%までプラスチック使用量の削減が可能とされており、見た目と機能性を両立した素材として一層の活用が期待されています。

軽量化とパフォーマンスへの影響は?

カーボンに匹敵する軽さと強さ

フラックスファイバーは、その比重や剛性においてカーボンファイバーに近い性能を持っています。

BMWによると、同じ部品構造で比較した際、重量差はほとんど無く、補強材との組み合わせによって十分な剛性を確保できるとのことです。

これは軽量化を維持したまま、素材転換が可能であることを意味します。

実走行への影響はあるのか?

レース車両での使用実績から、走行性能への大きなマイナス影響は報告されていません。

むしろ軽量化によって車両のハンドリング性能や応答性が向上し、サスペンション設定にも柔軟性が生まれるという利点もあります。

つまり、素材転換によって「サステナブル=性能低下」という懸念は払拭されつつあるのです。

競合他社との比較と今後の評価

現在のところ、同様の素材を量産車で採用する動きはBMWが先行していますが、アウディやメルセデス-AMGなども追随する可能性があります。

今後の量産モデルにおけるユーザー評価や事故耐性テストの結果次第では、フラックスファイバーは次世代自動車素材のスタンダードになるかもしれません。

今後の展開:BMW Mの素材戦略とEV時代の関係

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EV化が加速するMモデルとの親和性

BMW Mシリーズは今後、電動化の流れに沿ってEVモデルの投入が加速すると予想されています。

新型M3 ZA0の次世代仕様にも電動パワートレインの導入が噂されており、その際に軽量化はますます重要な課題となります。

フラックスファイバーのような高性能な天然素材は、バッテリー重量を相殺しつつ環境対策も両立できる点で非常に有効な選択肢です。

インテリアや構造材へのさらなる応用

外装だけでなく、インテリア部品や車体内部の補強構造にもフラックスファイバーの応用が拡大する見込みです。

特に内装においてはプラスチックからの脱却が可能であり、質感と環境性を同時に向上させる素材として注目されています。

BMWはサステナビリティと高性能を両立させるブランド戦略を明確にしており、今後のモデルでも積極的に素材革命を推進していくでしょう。

アフターパーツメーカーの動向は?

ACシュニッツアーのコンプリトカーのBMW 5シリーズ G60。

BMWなどの自動車メーカーは、サスティナブル、環境保護により今回のようなカーボンファイバーからフラックスファイバーへの転換を行うことになります。

しかし、カーボンファイバーを数多く扱うエクステリアパーツを多く扱うアフターパーツメーカーの対応が気になります。

ACシュニッツアーのような欧州のアフターパーツメーカーは、大手ほどBMWのような自動車メーカーに歩調を合わせることになるでしょう。

日本の場合は3DデザインなどはACシュニッツアーほどBMWとのつながりは強くないため、フラックスファイバーに好感を持たないBMWユーザーのためにカーボンファイバーパーツの製造を継続するかもしれません。

ユーザーの動向とメーカーとしてのポリシーのどちらを優先するのか?

事業の根幹に関わる重大な決断が必要になります。

まとめ:サステナブルと性能の両立へ

新型BMW M3 ZA0におけるカーボンパーツの廃止は、単なる素材の置き換えではなく、自動車業界全体の未来を示す象徴的な一歩です。

フラックスファイバーは環境に優しいだけでなく、性能面でもカーボンに匹敵する特性を持ち、今後の主流素材になる可能性を秘めています。

BMWが示すように、「持続可能性」と「走りの楽しさ」は両立できる時代がすでに始まっているのです。

カーボンの次に何が来るのか――その答えは、すでにサーキットと市販車の両方で走り始めています。

Reference:thedrive.com

よくある質問(FAQ)

Q1. フラックスファイバーは安全ですか?

はい、安全です。植物由来で化学的安定性が高く、人体への刺激性も低いため、安心して使用できます。

Q2. カーボンファイバーよりも重くなりませんか?

いいえ、BMWのテストではカーボンと同等の軽さと強度が確認されており、軽量化性能を損ないません。

Q3. フラックスファイバーのリサイクルは可能ですか?

はい、分解性が高く、再資源化が可能です。従来のカーボンに比べてリサイクル性に優れています。

Q4. 他の自動車メーカーも採用していますか?

現時点ではBMWが先行していますが、将来的には他社(AudiやAMGなど)も導入する可能性があります。

Q5. 見た目はカーボンとどう違うのですか?

外観はカーボンに似た織り模様で、葉脈のような美しいパターンが特徴です。高級感を損ないません。

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