2025年7月から、BMWがアメリカ市場で約1.9%の価格改定を実施するという情報が明らかになりました。現地ディーラー向けの内部文書がリークされたことにより、価格上昇の詳細が徐々に判明してきています。これにより一部モデルでは最大30万円以上の値上げが予測されており、BMWファンや購入を検討している人々の間で不安が広がっています。
特に注目すべきは、この価格改定がアメリカ限定の動きではない可能性があるという点です。日本市場にも影響が及ぶのではないかという懸念が浮上しており、「今買うべきか?」「待つべきか?」という判断が難しくなってきています。
本記事では、BMWの値上げの背景や対象モデル、日本市場への波及可能性について詳しく解説します。
- 2025年7月に価格改定:BMWがアメリカで1.9%の値上げを発表。
- 日本市場も影響か:円安や物流コストで波及の可能性。
- アメリカでは今が買い時の理由:値上げ前購入で数十万円の差も。
BMWが2025年7月に価格改定を発表!

価格改定の全体像:1.9%の値上げ
BMWは2025年7月1日より、アメリカ市場において多くの2026年モデルの希望小売価格(MSRP)を約1.9%引き上げると発表しました。これはBMWがディーラーに配布した内部通達によって明らかとなったもので、政府による輸入関税などを理由とするのではなく、「インフレと標準装備の強化を踏まえた適正な調整」としています。
値上げ対象モデルと除外モデル
今回の価格改定では、BMWのほぼ全てのモデルが対象となっています。ただし、例外的に値上げの対象から除外された車種も存在します。それが以下の4つのモデルです:
- BMW M2(2026年モデル)
- BMW 2シリーズ グランクーペ
- BMWの主力EVシリーズ(i5、i7、iXなど)
- ALPINA XB7
これらの車種は、販売戦略上の理由や電動化への対応を背景に、価格を維持する方針が取られています。
影響額は最大30万円超も
具体的な価格上昇額を見てみると、例えば「BMW X5 M コンペティション」は現在の127,200ドルから129,700ドルへと値上がりし、差額はおよそ2,500ドル(約39万円)となります。一方で、Z4や4シリーズ クーペなどベースグレードのモデルでは約1,100ドル(約17万円)の上昇にとどまります。
このように、車種によって値上げ幅は異なるものの、全体としては1.9%前後の調整がなされることになります。今後はEV以外のモデルでも同様の価格見直しが続く可能性があり、動向に注目が集まります。
なぜ今BMWは値上げするのか?その背景とは
インフレと原材料の高騰が価格改定の主因
BMWが2025年7月から実施する1.9%の価格改定には、複数の経済的背景があります。最大の理由は、ここ数年続いている世界的なインフレーションと原材料費の高騰です。特に、アルミニウムやリチウム、レアアースなどの自動車製造に欠かせない資源は、国際市場で価格が上昇しており、製造原価の圧迫要因となっています。
標準装備の拡充によるコスト増
BMWは近年、競合他社との差別化を図るために、標準装備の内容を強化する傾向があります。例えば、最新の運転支援システムや大型ディスプレイ、コネクテッド機能、セーフティ機能の追加などが行われており、これが車両価格に反映されている形です。
関税の影響と政治的背景
表向きの発表では、BMWは関税の影響を理由として明記していませんが、実際にはアメリカにおける輸入部品への追加関税や通商政策の影響も無視できません。特に2025年時点で再び注目されているトランプ前大統領の関税政策によって、中国やEUからの部品調達にコストがかかる可能性が高まっています。これにより、米国内で製造されているモデルであっても、使用されている輸入部品に関税がかかり、結果的に車両全体の価格が上昇するという構造があるのです。
このように、BMWの価格改定は単なる値上げではなく、インフレ対策・製品価値の向上・政治リスクの回避といった複合的な要因に基づくものといえます。
BMWの価格改定、なぜEVや一部モデルは対象外?
EV戦略と価格競争力を維持するため
今回のBMW価格改定において興味深いのは、EV(電気自動車)モデルが一切の値上げ対象から除外されているという点です。具体的には、i5、i7、iXといったBMWの電動化戦略を担う主力EVが据え置き価格となっています。これは、激化するEV市場での競争力を維持し、新規顧客の獲得を狙った販売戦略と考えられます。
戦略的に除外されたモデルの狙いとは
また、EV以外でもM2や2シリーズ グランクーペなどが値上げ対象から除外されています。これらのモデルは比較的若年層や新規顧客をターゲットとしており、価格を据え置くことで「BMWに初めて乗る層」へのアプローチを維持する意図が見られます。
ALPINA XB7の例外性
加えて、超高級モデルであるALPINA XB7が除外されたことも注目に値します。このモデルは台数が非常に限られているうえ、顧客層が価格変動に左右されにくいため、企業イメージを維持する目的で例外扱いされたと見られます。
このように、価格改定の対象外となったモデル群には、それぞれ明確な販売戦略と市場ポジショニングが存在しており、BMWの緻密な価格戦略が垣間見えます。
アメリカの値上げ、日本市場にも影響するのか?
日本市場におけるBMWの価格設定とは
BMWのアメリカ市場での価格改定は明確に発表されましたが、日本市場では現時点で公式なアナウンスは出ていません。ただし、BMWのようなグローバルブランドにおいては、価格戦略が世界的な動向に連動する傾向が強く、アメリカ市場の値上げが日本市場にも波及する可能性は高いと見られています。
為替レートと物流コストの影響
価格改定が日本に波及するかを判断する要素の一つが為替レートです。近年、円安傾向が続いており、輸入車であるBMWにとって日本市場での販売価格設定はますます厳しいものになっています。
また、国際的な物流コストの上昇も影響しており、海上輸送費や保険料、港湾手数料なども価格に反映されやすい状況です。
関税の違いと日本法人の判断
アメリカでは関税や通商政策が価格に直接的な影響を与える要因として機能していますが、日本では比較的関税率が低く、直接的な価格転嫁は少ない傾向にあります。
ただし、日本法人であるBMW Japanは、過去にも複数回にわたって価格改定を実施しており、為替や物価変動に応じて柔軟に価格を調整しています。
直近では2023年と2024年にも平均1〜2%の値上げが実施されており、今回のアメリカでの改定を機に、同様の発表が今後ある可能性は十分に考えられます。
今BMWを買うべきか?判断ポイントを徹底解説
値上げ前の購入は「実質的な割引」
今後BMWの価格が上昇する可能性がある中、現行モデルを早めに購入することは、結果的に「実質的な割引」になるケースが多いです。
アメリカでは価格改定前と後で最大25万円以上の差が出ており、日本市場に波及する前に購入すれば、それだけで価格メリットを享受できます。
リース・ローンの金利にも注目
車両本体価格だけでなく、リースやローンの金利も重要な判断材料です。例えば、アメリカでは2026年モデルの一部に対して、60か月3.99%の低金利ローンが提供され始めており、日本でも同様の販売促進が展開される可能性があります。金利が下がるタイミングで購入すれば、総支払額の圧縮が可能です。
再値上げリスクと今後のトレンド
世界的なインフレや政治的リスクが続く限り、自動車メーカーの価格改定は今後も続く見込みです。特にEVへの移行や環境規制への対応に伴うコスト増が顕著になれば、価格上昇の傾向はさらに強まります。また、中古車市場でも新車の値上げが影響し、価格が上昇する可能性があります。
こうした状況を踏まえると、「今すぐ買う」という選択は、結果的に経済的に合理的である可能性が高いといえるでしょう。
まとめ:値上げ前に購入?値上げ後に購入?
日本での値上げは未定
BMWが2025年7月から実施する約1.9%の価格改定は、まずアメリカ市場から始まりますが、日本市場も決して無関係とは言えません。為替の影響や世界的な物流・原材料コストの上昇、さらに今後のグローバル戦略を踏まえると、日本でも同様の価格改定が行われる可能性は高いです。
欲しい時が「買い時」
もし現在BMWの購入を検討しているなら、迷っている時間はもったいないかもしれません。値上げ前に購入することは、将来的に見て大きな経済的メリットをもたらすことがあります。
また、今後も価格改定は一時的なものではなく、“恒常化”していく可能性があるため、早めのアクションが得策です。
今回のアメリカにおけるBMWの値上げはモデルイヤーとの関係もあり少し複雑です。日本ではあまり話題になりませんが欧州車は毎年7月前後に新しい年のモデル(今回の場合は2026年モデル)を発売します。
よって、このタイミングで軽微ですが装備や仕様の変更があるため、値上げ前の現行型、値上げ後の新型のどちらを購入するのか?が話題になります。
よって、日本の場合は個人的には欲しい時が「買い時」だと思いますので、とりあえず慌てる必要はなさそうです。
Reference:carsdirect.com
よくある質問(FAQ)
Q1. 今回のBMWの価格改定は日本にも影響しますか?
現時点で日本市場への正式な発表はありませんが、過去の傾向や為替・物流の影響を考えると、近いうちに日本でも価格改定が行われる可能性は十分にあります。
Q2. 値上げされるモデルとされないモデルは何ですか?
値上げ対象となるのは2026年モデルの大多数です。一方、EV(i5、i7、iX)、BMW M2、2シリーズ グランクーペ、ALPINA XB7などは今回の価格改定の対象外となっています。
Q3. なぜEVモデルは値上げの対象外なのですか?
EV市場での競争が激化していることを背景に、価格競争力を維持するため、BMWは主力EVを値上げの対象外としています。販売促進やブランドイメージの維持も理由の一つです。
Q4. 今すぐBMWを買うべき理由はありますか?
はい。価格改定前に購入すれば、将来的な値上げによる差額を回避できます。また、ローンやリースの金利条件も改善傾向にあるため、今が買い時と言えるでしょう。
Q5. 値上げは今後も続くのでしょうか?
インフレ、原材料費の高騰、環境規制の強化など複数の要因があるため、BMWに限らず自動車メーカーの価格改定は今後も恒常的に行われる可能性があります。
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