私はマニアというほどではありませんがアニメ好きです。中でも攻殻機動隊は好きなアニメの1つなんですが、2017年にその実写版が公開されるようです。プロモーションビデオを見る限りは、アニメの実写版の他の作品同様に違和感があるのですが・・・。
攻殻機動隊とは
士郎正宗原作の漫画作品。作品はネットワークが人間の脳と直結した「電脳」と体の機会化(義体)が一般的に普及した近未来のアクション作品です。
映像としての第一作目は劇場用アニメ「攻殻機動隊-GHOST IN THE SHELL 」、その後TVアニメ用として「攻殻機動隊-S.A.C」、「攻殻機動隊-ARISE」など多数映像化されています。
ただし、原作者の士郎正宗氏の意向で映像化の際には、監督などの解釈をその都度取り入れることが了承されている結果、基本的な部分以外は微妙に統一性がない場合が多く、連続した物語というよりは劇場版、テレビ版2種類が個別に描かれている感が強くストーリーとして難しくなっています。
なぜアニメを実写化するのか?
この攻殻機動隊はさまなざま映画監督に影響を与え、特に言う名なのはキアヌ・リーブス主演の「マトリックス」になります。電脳世界、首筋のプラグなどはまさに攻殻機動隊の世界がそのまま映像化されています。
なので、アメリカにも多くの攻殻機動隊ファンが存在するため、この度の実写化が実現したと思います。しかし、アニメの実写化ではアニメの世界観をそのまま表現することは難しく、多くの作品はアメリカ以外では成功したとは言えない状態です。
では、なぜアメリカ人はアニメの実写化に積極的になるのでしょうか?私が考えるアニメの実写化の理由は1つはアメリカでは日本のアニメと同じようなクオリティの作品が制作できないため、実写化するしかない、ということ。
もうひとつは、アニメで稼いで実写化でも稼ぐという2度おいしいことが可能になるという点にあると思います。あと、映画化するための良い素材(原作)が少なくなっているという部分もあります。
ハリウッドという巨大な映画産業を維持するためにも、稼げる可能性が高いアニメであれば積極的に実写化することで、ハリウッドに利益をもたらしているのでしょう。
今回の攻殻機動隊の実写化はどうなのか?
プロモーションビデオを見る限り、今回の実写化は劇場用アニメ「攻殻機動隊-GHOST IN THE SHELL 」をベースにテレビアニメ版などのストーリーも含まれた作品だと思われます。
そもそも論として実写化できる技術力が無かったため、今まで実写化されてこなかった作品ですが、今回は士郎正宗氏がある程度実写化できる技術力が達成できたという判断があっての実写化です。
そういう意味では、出来れば場用アニメ「攻殻機動隊-GHOST IN THE SHELL 」のみを忠実に再現してもらった方が良かったのかな?と思います。
また、攻殻機動隊の主人公である草薙素子が今回は名前も変更され、もちろん外国人が演じる部分も気に入らない部分です。攻殻機動隊=草薙素子であり、作品背景=草薙素子の背景が深く関係する作品にも関わらず、このような配役を設定したのは残念です。
おそらくアメリカではそれなりのヒット作品になると思いますが、日本ではイマイチ盛り上がらない興行収入になるのではないでしょうか?
士郎正宗氏の考え方には一定の理解は出来ますが、実写化には少し早かったのでは?思ってしまいます。
実写版「攻殻機動隊」への期待と懸念
実写版「攻殻機動隊」は、原作ファンから多くの期待と同時に懸念を集めています。
特に、原作の哲学的なテーマや複雑な世界観をどこまで忠実に再現できるのかが議論の的です。
原作では、AIや人間の存在意義といった深いテーマが描かれており、これを実写でどのように表現するかが作品の成功の鍵となります。
また、キャスティングに関しても、主人公草薙素子役にスカーレット・ヨハンソンが選ばれたことは話題になりましたが、文化的な違いによる批判もありました。
ハリウッド映画特有の演出やアクションにより、原作とは異なる方向性を取る可能性があると指摘されています。
一方で、ハリウッドの最新技術を駆使した映像表現に期待が高まっています。
特に、サイバー空間や未来都市の描写がどのように再現されるのかは、ファンにとって大きな見どころの一つです。映像のクオリティが高ければ、攻殻機動隊の世界観を新たな形で楽しむことができるでしょう。
実写化に対するファンの声
実写版「攻殻機動隊」に対するファンの反応は賛否両論です。
原作に忠実であってほしいという声が多い一方、現代の映画技術を活かした新しい解釈も期待されています。
ファンの間では、映像美と哲学的テーマのバランスがどのように取られるかが、成功のカギと考えられています。
今後、実写版が原作ファンだけでなく、新規の視聴者にも支持される作品になるのか、公開後の反応に注目です。