SpotifyはなぜDolby Atmosに対応しない?Apple CarPlay非対応の理由

SpotifyはなぜDolby Atmosに対応しない?Apple CarPlay非対応の理由 日本車・輸入車
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Spotifyで「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」を聴きたいのに、うまくいかない。

最近はそんな疑問が増えています。

車側でもApple CarPlay対応の後付け機器が話題になり、「CarPlayでAtmosが再生できるならSpotifyでもいけるのでは?」と考えるのは自然です。

ただ、結論は単純ではありません。

本記事ではSpotifyがDolby Atmosに対応しにくい理由と、CarPlayで“再生できる/できない”の境界を分かりやすく解説します。

❗️記事3行まとめ

SpotifyがDolby Atmos非対応の理由

Apple CarPlayはAtmosを生成しない

Apple Musicは音源からAtmos対応

Dolby Atmosとは

Dolby Atmosは、従来の「左右・前後」といったチャンネル固定のサラウンドとは違い、音を“オブジェクト”として扱い、空間内の位置や移動を含めて表現できる立体音響の方式です。

5.1ch/7.1chが「どのスピーカーから出すか」を先に決めるのに対し、Atmosは「この音はここにある」を先に定義し、再生環境に合わせて最適化します。

車内で注目されるのは、狭く反射が多い一方で座席位置が固定され、DSPで音像の配置を作り込みやすいからです。

ヘッドホン向けにレンダリングされるケースもありますが、特に車では、単なる疑似サラウンド(アップミックス)と違い、対応音源の空間情報(メタデータ)と再生側の処理が揃って初めて成立する仕組みが基本です。ここが肝心です。

Apple CarPlayはDolby Atmosを再生しているのか

まず押さえたいのは、Apple CarPlayそのものがDolby Atmosを“計算して鳴らす”仕組みではないことです。

CarPlayはiPhoneのアプリを車載画面に最適化して表示し、操作しやすくするためのインターフェースで、音声は「どのアプリで何を再生するか」という経路を車側へ渡す役割が中心です。

たとえばApple MusicでDolby Atmos対応楽曲を選んでも、CarPlayが立体音響を生成するわけではありません。

Atmosとしての立体表現を成立させるかどうかは、車載オーディオ側(純正システムや後付けヘッドユニット)が、対応音源の情報を受け取り、スピーカー配置に合わせてレンダリング(再構成)できるかにかかります。

対応機器はキャリブレーションでタイミングや音量、周波数特性を補正し、定位を整えます。

「CarPlay対応=Atmos対応」ではなく、CarPlayは入口で主役は車側ハードウェアです。

実際、その具体例としてCESで発表されたのが、PioneerのCarPlay対応ヘッドユニット「Sphera(スフェラ)」です。

この機器は、CarPlay経由で受け取った音源を車載側で処理し、Dolby Atmosとして再構成できる点が特徴とされています。

つまり、Atmos再生の可否を決めるのはCarPlayそのものではなく、あくまで車載オーディオ側の対応状況だと言えます。

Apple MusicがDolby Atmosを再生できる理由

Apple MusicがDolby Atmosを再生できる理由は、配信されている楽曲そのものがAtmos対応音源として提供されている点にあります。

Atmosでは、音を左右のチャンネル情報としてではなく、空間内の位置情報を持つデータとして扱います。

Apple Musicの対応楽曲には、この空間情報があらかじめ含まれており、再生環境に応じて適切な形に変換されます。

iPhoneや対応するイヤホンで再生した場合は、端末側でAtmos音源を処理し、立体的な音場として再生されます。

一方、通常のステレオオーディオに接続した場合でも、音源自体がAtmosであることに変わりはなく、再生環境に合わせてダウンミックスされます。

つまり、再生機器が完全にAtmos対応でなくても、「Atmos音源を受け取って再生している」という前提は成立します。

このようにApple Musicでは、音源の配信段階からAtmosを前提とした設計がなされています。

そのため、Apple CarPlay経由で車載オーディオに接続した場合でも、再生側の条件が揃えばAtmos再生が可能になります。

ここが、現時点でSpotifyと大きく異なる点です。

SpotifyがDolby Atmosに対応していない理由

SpotifyはDolby Atmos音源を配信していない

SpotifyがDolby Atmosに対応していない最大の理由は、現時点でAtmos対応音源を配信していない点にあります。

Spotifyで提供されている楽曲は基本的にステレオ音源であり、空間内の位置情報を含むAtmos用のメタデータを持っていません。

そのため、再生環境がApple CarPlay対応車や高機能な車載オーディオであっても、音源そのものがAtmosでなければ立体音響として再生することはできません。

Apple CarPlay経由でもAtmos再生にならない理由

Apple CarPlayは、音楽アプリの操作や表示を車載画面に最適化するための仕組みであり、音源のフォーマットを変換したり、立体音響を生成したりする役割は担っていません。

Spotifyから出力される音声はステレオ信号のままCarPlayを通過し、車載オーディオに渡されます。

Spotify内には「Dolby Atmos」という名称を含むアーティスト名やプレイリスト名が存在することもありますが、これは表記上の名称に過ぎず、公式にAtmos音源が配信されていることを示すものではありません。

現時点では、SpotifyがDolby Atmos音源を正式に提供しているという事実は確認されていません。

つまりSpotifyがAtmosに対応していない理由は、配信フォーマットとサービス設計の違いにあると整理できます。

Spotifyは今後Dolby Atmosに対応するのか

では、Spotifyが今後Dolby Atmosに対応する可能性はあるのでしょうか。現時点で確認できる事実として、SpotifyはDolby Atmos対応について公式な発表を行っていません。過去には高音質配信をうたった「Spotify HiFi」が予告されたものの、提供開始時期は長く明確になっておらず、音質面での大きな仕様変更が継続的に行われているとは言い難い状況です。

また、Dolby Atmos対応には、配信インフラの整備だけでなく、レーベル側でのAtmosマスター制作や権利処理も必要になります。Apple Musicが早期からAtmosを展開できた背景には、OSや端末、車載連携まで含めた一体設計があります。一方でSpotifyは、デバイスやプラットフォームを限定しない汎用性を重視しており、この違いが対応スピードに影響していると考えられます。

以上を踏まえると、Spotifyが将来的にAtmosに対応する可能性を完全に否定することはできませんが、少なくとも「すぐに使えるようになる」と判断できる材料は、現時点では見当たりません。

まとめ:SpotifyとDolby Atmos、Apple CarPlayの現実

SpotifyがDolby Atmosに対応していない理由は、Apple CarPlayや車載オーディオの問題ではなく、配信される音源のフォーマットとサービス設計の違いにあります。

Apple MusicはAtmos対応音源を前提に配信しているため、再生環境が整えばCarPlay経由でも立体音響を成立させることができます。

一方でSpotifyは、現時点ではステレオ音源を中心とした配信を行っており、Atmos再生の前提条件がそもそも成立していません。

CarPlay対応機器が進化しても、この点は変わらないのが現実です。

SpotifyでAtmosを期待する際は、まずこの構造を理解することが重要だと言えるでしょう。

Reference:9to5mac.com

よくある質問(FAQ)

Q1. SpotifyでDolby Atmosを聴けないのはなぜですか?

現時点では、SpotifyがDolby Atmos対応音源を公式に配信していないためです。Dolby Atmosは音源側に空間情報(メタデータ)が必要で、ステレオ音源のままではAtmosとして再生できません。

Q2. Apple CarPlayがDolby Atmosを再生してくれないのですか?

CarPlay自体は立体音響を生成する仕組みではありません。Atmos再生が成立するかどうかは、再生する音源(Apple Musicなど)と、車載オーディオ側の対応状況に左右されます。

Q3. Apple MusicならiPhoneだけでDolby Atmosを楽しめますか?

はい。Apple MusicのDolby Atmos対応楽曲であれば、iPhoneや対応イヤホンでAtmosとして再生できます。再生環境によってはステレオに変換(ダウンミックス)される場合もありますが、音源としてAtmosが提供されている点が重要です。

Q4. Spotify内に「Dolby Atmos」と書かれたプレイリスト等があるのはなぜ?

名称や表記は自由に設定できるためです。表記があること自体は、Spotifyが公式にDolby Atmos配信を行っていることや、機能対応を示す根拠にはなりません。

Q5. Spotifyは今後Dolby Atmosに対応する可能性がありますか?

可能性を完全に否定はできませんが、現時点でSpotifyからDolby Atmos対応に関する公式発表は確認できません。少なくとも「すぐに使える」と判断できる材料は現状では乏しい状況です。

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