私はヨーロピアンスモールカーが好きなので、今回のルノー・トゥインゴには期待していました。もちろん、ルノー・トゥインゴの最強バージョンであるGTにはそれなりに期待していたんですが、試乗記は辛口な批評のようで残念です。
ルノー・トゥインゴとはどんな車?
ルノー・トゥインゴはメルセデスのスマートと同じプラットフォームで開発されたスモールカーです。ライバルはBMW MINIやフィアット500、フォルクスワーゲン・ポロなどになると思います。
そんなヨーロッパの激戦クラスにルノーが投入したのがトゥインゴです。初代トゥインゴは日本でもかなり販売されましたがその後はパットしなかったのですが、スマート同様にRR(リアエンジン・リア駆動)という小型車としては室内空間の最大化に適したパッケージで復活を目指した車です。
エンジンは流行りのダウンサイジング仕様の0.9Lの3気筒ターボエンジン。なので小型車でもキビキビした走りが期待できます。
ルノー・トゥインゴGTは辛口の批評に
試乗記は海外の試乗記の翻訳版なので日本人の感性とは若干違うかもしれませんが、結論から言えば辛口な批評。特にシャシーに対する評価がイマイチのようです。
ルノー・トゥインゴGTはルノーのスポーツカー部門であるルノー・スポーツがチューニングを担当しているようですが、それでも筆者の期待するポテンシャルは発揮できていないようです。
簡単に言えば、コーナリング時にシャシーとサスペンションが正しく動かないために、正確なコーナリングを行うのが難しいという感じでしょうか?
荒れた路面などでの乗り心地は標準グレードと比べても遜色ない乗り心地を維持しているとも書かれていますので、街乗り重視なシャシー、サスペンションの組み合わせにより、限界値を超えると一気に破綻する、というイメージですね。
RRのセッティングは難しいと思う
世界中でRR駆動の車を生産しているのはポルシェですが、ポルシェはスポーツカーの代名詞と言われていますが、あのコーナリング性能を発揮するために、リアには巨大なタイヤとホイルがオーバーフェンダーの中に収まっています。
RRは重たいもの(エンジン、駆動系)がすべて後輪に荷重がかかり、かつ後輪で路面にパワーを伝える。その為に車体の荷重が全体的に車体後部にかかるため、前輪と路面との接地力が低下し、正確なステアリングが難しくなります。
しかし、ポルシェはそのRRの悪影響を巨大なリアタイヤとオーバーフェンダーでカバーし、本来は悪影響として批判されるステアリングの不正確さを逆にポルシェとしての「味」として売りにしています。
もちろん、FRの車に近づけている技術は立派ですが、純粋なFR車やMRには敵わない。それだけ、RRのセッティングは難しいのだと思います。
そうでなければ、RRのスポーツカーを生産する自動車メーカーがポルシェ以外のもあってもおかしくない訳です。
私の記憶の範囲であれば、日本の初代レガシィもサスペンションのセッティングをポルシェに依頼していたという話がありますが、ポルシェというメーカーは世界中の車の特に足回りのセッティングを依頼される会社としても有名です。
つまり、RRのセッティングを制したポルシェはFR、MRなどは簡単に思えるだけの技術力があるということです。よって、ルノーがトゥインゴGTのセッティングを煮詰められないのは致し方ないかと。
ある意味、ルノー・トゥインゴGTのセッティングをポルシェ社に依頼すれば、素晴らしい小型スポーツカーが出来上がるかもしれませんね。