私は学生時代からマーケティングというものに興味がありました。本当は大学も経済学部とかではなく心理学系の学部に進学したかったのですが、当時の私の学力では志望する学部がある大学には入学することは出来ませんでした。
しかし、その時から思っていたのですがなぜマーケティング系の学部は心理学系の学部に分類されているのでしょうか?統計学などの理工系の学部ならなんとなく理解できるのですが・・・。
そもそもマーケティングとは何か?ドラッカーは顧客の創造などと著書で書いていますが、もっと簡単に言えば究極は「営業マンがいなくても勝手に商品、サービスが売れる仕組み」だと私は理解しています。
営業マンがいなくても自社の商品やサービスを消費者や対象企業に購入させる仕組み。これがマーケティングです。この仕組は実は非常にシンプルです。
1.大量の見込み顧客を集める
2.集めた見込み顧客を教育(ファン化)する
3.商品、サービスを提供する
ざっくり行ってしまえばこの3つのステップだけです。シンプルな仕組みだからこそ奥が深い訳ですが、まずはこの3つを理解してください。これ自体は非常に簡単です。これをこの通りに実効するのが難しい訳です。1つづつ解説していきます。
1.大量の見込み顧客を集める
ネットなら広告やSNSを駆使してメールアドレスやLINEのアカウントを集めます。リアルなら個人情報を集める。よく通信販売で無料お試しサンプルを大量に配布するのはメールアドレスや個人情報の収集が目的です。
2.集めた見込み顧客を教育(ファン化)する
ここで重要になるのが人間の心理です。心理をうまく活用することで自社の商品やサービスの良さを知ってもらう、気づかせる、または会社自体に興味や親近感、信頼を勝ち取ることが重要です。
例えば、行動心理学の中で使われる用語で「返報性の法則」というものがあります。人間は何かを与えられれば与えられるほどにそれ以上のお返しをしなければいけないと考えます。この法則を利用して集めた見込み顧客にさらに無料のサンプルや情報を与えることで、何かを返さなければいけない、と思い込ませます。
3.商品やサービスを提供する
ここでいう「提供」とは「売り込む」こではありません。集めた見込み顧客を教育(ファン化)していれば、「こういう商品、サービスがありますよ」と教えてあげるだけで顧客はそれらの商品やサービスを購入します。
ここで「返報性の法則」が生きる訳です。もちろん、返報性の法則以外にも人間の心理をうまく付けば同じような状態を作り出すことは可能です。
例えば、アメリカのマーケティングの書籍にはステーキハウスでステーキを確実に売る方法の話がよく書かれています。理屈は簡単でお肉の品質を消費者に語りかけたり、価格で呼び寄せることをしなくても店先でステーキを焼いてその匂いをかかがせればよい。そうすれば、消費者はおいしそうなステーキの匂いにつられて店内に押し寄せる。
これは人間の心理ではありませんが、行動を理解していれば誰でも思いつく行動です。こういうことを全般的に学ぶのが行動心理学です。
つまり、マーケティングという学部が理数系の学部ではなく心理学系の学部に属する理由はマーケティングと行動心理学は非常に密接した関係だということです。数字だけでは答えが出せないもの。だから心理学系の学部なんです。
中小企業は人、モノ、金のリソースが十分にそろっていません。なので、出来るだけ小資本で成果を最大化させることが必要です。であれば、マーケティングの基本と行動心理学を学べば、極論社長お一人でもそれなりの成果を得られる可能性が高いということです。
私は偶然マーケティングと行動心理学に興味があり我流で勉強していたことでそれらがは密接に関係しているということに気付くことが出来たので小資本でも成果を最大化出来ていると思っています。
なので、私のような大した学校を卒業していない人間でもそれなりに経営者としてやって来られているのは、マーケティングと行動心理学を知っていたおかげだと思います。
中小企業の社長の仕事は資金繰りと銀行対応だと思いますが、それならなおさらマーケティングと行動心理学を勉強して少ない時間とお金にレバレッジがかけられるように仕組みを考えることが重要だと思います。
【参考図書1】
【推薦図書2】