私の会社では来年春に初めて新卒の学生を新入社員として迎えることになりました。と言ってもまだ数名の採用ですが。先日人事担当者から新人研修向けの課題図書に読ませたい本があるか?と聞かれて困っています。
新入社員に読ませたい本と検索すると同じような本ばかり
新入社員研修で使う課題図書をどんな本にしようか思いつかなかったのでgooleで検索してみると、だいたい似たり寄ったりの本ばかりが紹介されています。
入社1年目の教科書 岩瀬 大輔 ダイヤモンド社 2011-05-20
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ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か エリヤフ・ゴールドラット ダイヤモンド社 2001-05-18
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道をひらく 松下 幸之助 PHP研究所 1968-05
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どうもこのあたりが定番の本のようです。どれもそれっぽいと言えばそれっぽいタイトルなんですが、私はどれも読んでいないので正直良くわかりません。まあ、私が新入社員の時に読んだ本なんてとっくの昔に忘れていますので、彼らも読んでも忘れてしまうだけなんでしょうが・・・。
私が読んだ本で印象深い本はどんな本だったか?
結局はありきたりな本ばかりだったのと、私が読んだ本で印象に残っている本はどんな本があったか?思い出してみました。
稲盛和夫の実学―経営と会計 稲盛 和夫 日本経済新聞社 2000-11-07
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稲盛さんの本の中で唯一記憶に残っている本。京セラの創業時の話からアメーバ経営の考え方がそのように生まれたのか?そのプロセスと実践方法は今でも十分活用できる考え方だと思います。
戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫) 三枝 匡 日本経済新聞社 2002-09
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経営コンサルタントとして、そして実業家としても実績を残された三枝 匡さんの代表作。他にも数冊ありますがどれも小説風な作風で読みやすいのがポイント。
しかし、内容は三枝さんが実際にコンサルタントして経験されてきた事案がベースなのでリアリティがありリアルでも参考にし易い内容。
日本一メルセデス・ベンツを売る男―ザ・トップセールス 吉田満の販売術 前島 太一 グラフ社 2006-08
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これは私がクルマ好きなので印象深い本ですが、営業マンとしてどうあるべきか?を教えてもらった本の一冊。
10年間日本で一番メルセデス・ベンツを売り続け、11年目以降はランキングから除外されてしまった男の話。実話ですが「そこまでするのか?」と思えるようなエピソードばかり。
出版者の社長が本人にこの本を書かせるために本人からメルセデス・ベンツを2台一緒に購入したという逸話も。
結局どんな本を新入社員に読ませるべきか?
社長のあなたに相談されたのであれば、やはり社長自身が読んでおもしろかった、勉強になったと思う本を選ぶべきでしょうね。
おすすめ本も悪くはないのですが、今から読んでみる気にもなれないし、読んでいない本を他人に勧めるのはおかしな話ですから。
実際に私の会社の若手社員にも数人聞いてみましたが、どれも上記で紹介したような本ばかりでちょっとガッカリ。もうちょっとビビッとくるようなおもしろい本を読んでくれれば良かったのですが・・・。
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books) 楠木 建 東洋経済新報社 2010-04-23
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私が最近読んだ本の中で一番おもしろいと思った本。しかし、内容が経営者向けすぎるのと抽象的な部分も多いので新入社員には読んでも意味が不明かもしれません。
「好き嫌い」と経営 楠木 建 東洋経済新報社 2014-06-27
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経営センスの論理 (新潮新書) 楠木 建 新潮社 2013-04-17
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この2冊も同じ楠木 建さんの本ですがまだ内容が具体的なので読みやすいかな?それでも経営者向けの本なので読ませてもピンとこないだろうなあ。
稲盛和夫の実学―経営と会計 稲盛 和夫 日本経済新聞社 2000-11-07
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結局はこの「実学」が私が読んだ中で一番新入社員向けな本だと思います。なので、この「実学」と人事担当者が読んだ本の中でお勧めの本を新入社員には読んでもらおうと思います。
中小企業の場合は会社と社長が一体となっている会社が多いと思いますので、社長自身が読んだ本を勧めるのが妥当ですね。それと、人事担当者がどんな本を勧めてくるのか?そこにも興味があるので、人事担当者にも一冊選ばせようと思います。
あなたの会社の新入社員にはどんな本を読ませますか?