BMWの初代X3(E83)は、2005年に登場し、その当時から堅実なSUVとして知られていました。しかし、今回の記事では、1台の初代X3が大胆にもX3Mに変身する様子を紹介します。オーナーはなんと、E46 M3から取り出したS54エンジンと6速マニュアルトランスミッションを搭載し、その変貌ぶりは興奮を呼び起こします。
BMW X3 E83 魔改造の始まり
この特別なX3は、ほとんどの時間を工場出荷時の状態で過ごしていました。
しかし、約15,000マイル前にオーナーは標準のパワートレインに手を加え、E46 M3で採用されていたS54エンジンに換装。
この3.2リッターの直列6気筒エンジンは、20年以上たった今でもBMWの傑作とされ、その優れたパフォーマンスで知られています。
BMWのS54エンジンは、E46 M3だけではなくE86 Z4 M クーペにも搭載された3.2リッター直列6気筒自然吸気エンジンです。
1997年に登場し、333 hpの最高出力と高い回転特性で知られます。
Dual VANOS可変バルブタイミング、高い圧縮比などが特徴で、20年以上たった今でもエンスージアストに高い評価を受けている。
S54はBMWのエンジニアリングの傑作であり、パフォーマンスと信頼性を融合させたBMW M社のエンジンの中でも非常に評価と熱烈なファンが多いエンジンである。
それをE46 M3だけではなくE86 Z4 M クーペだけではなく、初代BMW X3 E83に搭載することで新しいBMW X3M E83を完成させました。
BMW X3M E83のエンジンの仕様と変更点
エンジンは現在約14万マイル(約22.5万 km)を走行しており、アフターマーケットのヘッダーが追加されました。
触媒コンバータが撤去され、マフラーがくり抜かれたことで排気効率が向上。
その結果、より力強いエキゾーストノートが楽しめるようになりました。
6速マニュアルトランスミッションの搭載と、後輪駆動へ改造。
このX3は本物のドライバーズカーとしての資質を手に入れ、現行のX3 Mを凌駕する魅力を備えています。
現在販売されているBMW X3M F97にはマニュアルトランスミッションの設定がありません。
その理由は、高性能SUV市場のニーズにあります。
多くのハイパフォーマンスSUV購買者は、自動変速機やデュアルクラッチトランスミッションを好む傾向があります。
その結果、これらのトランスミッションはスポーティな走行性能と日常利用の利便性を提供します。
マニュアルトランスミッションは減少する需要と、自動運転機能の進化により、高性能SUVセグメントでの搭載が減少しています。
よって、今回魔改造された初代BMW X3M E83がマニュアルトランスミッションを搭載していることは、ある意味現行型BMW X3M F97よりBMW M社の車にふさわしい高性能SUVと言えるかもしれません。
BMW X3 E83はエンジン以外にも足まわりなども魔改造
この魔改造されたBMW X3 E83は、BCコイルオーバーサスペンションの搭載により、ハンドリングも新たな次元に引き上げられました。
ブレーキの変更については触れられていませんが、純正の機能はすべて維持され、さらにはより現代的なApple CarPlayをサポートするインフォテインメントシステムへのアップグレードも施されています。
18年間で213,000マイル(約34.2万 km)を走破したこのBMW X3 E83は、独自性と魅力を持つカスタムカーとなっています。
現在この魔改造されたBMW X3 E83はアメリカで中古車として販売されているようです。
価格は19,840ドル(約280万円)とやや高額ではありますが、これは通常の中古X3とは比較にならない独自性を持っています。
購入の是非は、同じ価格で手に入る同程度の走行距離を持つM3と比較すると興味深いポイントです。
初代BMW X3 E83をX3Mに変身させるこの魔改造プロジェクトは、愛好者にとって夢のような存在です。
S54エンジンと6速マニュアルトランスミッションを搭載し、足まわりもしっかりとアップグレードされたこのX3。
これは究極の高性能SUVとしての価値を提供することでしょう。
価格はやや高めですが、その独自性と魅力に惹かれる方にとっては、興味深い1台だと思います。
Reference:carscoops